ゲッコウのモトでアイをウタう

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全てを包む暗闇、

私は暗闇が嫌いだった。

小さなころは、全部呑み込まれてしまうのではないか、

などと思ったりしたものだ。

そんな嫌いだった暗闇の中を、

私は一人で歩いていた。

月光が、唯一道を照らす。

頼りなく、儚い、光。

それでいて、きちんとした存在として、

そこに在るのだ。

わたしとは、大違い。

私なんて、そこにあっても、

誰の目にも留まらないのに。

あぁ、いやだなぁ、

しずかに、激しく怒りがわく。

無意識に、血が出るほど拳を握っていた。

誰かに愛されて見たかったな···

ぽつり、その光の下で独り言を漏らした。

私が持つのは哀だけ。

誰かとの出逢いもなく、

ただ哀しいだけの人生だった。

一つ一つ、

思ったことを口で紡いで詩をつくって、

歌を唱う。

さぁ、もう終わってしまう。

目に映る景色は、月光にも照らせない、

深い深い闇。

私の生き様は、最期まで闇で包まれているようだ。

消えてしまおう、

_この世から_

フワリ、

私の体は、静かに空に舞い、

そして、闇に落ちていった____

『激高の志で哀を謳う』