春一番

一行小説 雑談 短編小説
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最高ランク : 36 , 更新: 2018/03/12 2:36:49

連投ごめん…!今のうちにやらないと忘れそうなのでやっとく笑









梨月の一行小説に参加です〜!







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「嗚呼、死にたい。このまま、溶ける様に居なくなって仕舞いたい」
「それは、まぁ無理だろうね」
こうして、今日もまた彼女の戯言は始まった。
「どうしてシャーベットやアイスクリィムは溶けるのに、人間は溶けないのだろう?」
──哲学だと、そう思った。
アリストテレス、ソクラテス、プラトン。師範学校の生徒ともなれば知っておくべき、常識ではあるけれど。
「物理的に言って仕舞えば、氷菓子の融点は外気温より低いから、外に出すだけで溶ける。一方人間には、融点という物が恐らく存在しないから……だろうね。融点が有るにしても、かなりの高温でしょう」
断言する様に述べた。これが、彼女の求める答えでは無い事を重々承知の上で。
受けた彼女は、矢張り予想通り、ぷくりと頬を膨らませて遺憾の意を示す。遺憾では無く憤慨? ……そんなのはどうでも良いか。
「判ってる人に態々説明する程嫌いな事も無いのだけど、私が言いたいのはそういう意味では無いよ。思考の訓練としても、こういった問は重要だろう?」
思考の訓練。
それは、彼女が考え出した遊戯の一つだ。一見全く意味の無い謎掛けを生み出し、相手はそれに答えてゆく。其処に相手の深い意図が込められている時もあれば、ただふと思い付いただけ、という時もある。後付けで意図を見付けて来る時さえある。
「君、本当にそのゲェム好きだよね……そんなに面白いの?」
なんて問い掛ければ。彼女は、花弁が開くかの笑顔で答える。
「えぇ、とても。私はこう見えても華族の血筋ですから」
普段は男みたいな口調をしている癖に、こういう時にだけ令嬢の様に振舞う彼女。ただし、言っている事はあながち嘘では無いだけに、私は口を噤む。
「華族と言えばお金と容姿さえ有れば良い、と思っていらっしゃる庶民の方も多いでしょうけれど、それは間違い。私達はこれでも日本の上に立つ者なのですから」
もっとも、その自覚が無い輩が多いのは事実だけれど、と彼女は呟く。
私にはそれを理解する事が出来ない。せいぜいしがない商人の子である私には。華族という特殊な家系に於いて、優秀な女学生である彼女が楽な立場に立っている筈が無い事も。彼女の一族の後継者は最早彼女しか残って居らず、かなりの重圧と戦っているであろう事も。
「ねえ、君は……」
「何だい? いつも問い掛けるのは私だったから、少し嬉しいよ」
そう言って茶化す彼女の言葉は軽く無視して、ずっと昔から聴きたかった事を問うた。
「君は、そんな風に振舞わないと生きていけない程、辛い環境に身を置いて居るの? もしそうなら何故逃げないの?」
「…………何故、なんだろう」
言葉に出来ない、という訳では無く。本当に、心の底から分からない、といった声色だった。
「生まれた時から此処に居るのが当たり前で。逃げたくても逃げられるなんて思っても無くて。……嗚呼、そう言えば、誰かが助けてくれる夢は見た事が有るけど」
そんな幻想はとっくの昔に捨てたよ、とくるりと振り返りながら笑う。華族の乙女にはあるまじき笑い方で。
「夢は、自分で掴まなくちゃ。私が、私で居られる内に。他人の手によって叶えられた夢なんて、そんな物は夢じゃあ無いわ」
覚悟を決めた様な、それでいて儚い様な。それは何処か、強いのに壊れ易い硝子の洋燈に似ていて。
その声が、瞳が、表情が、ずっと好きだった。
権力に負け、歴史に折られ、それでも。それでも、曲がる事の無い、強い強い信念。強過ぎて身動きが取れなくなっても尚、貫き通して来た信条。
──ねえ、それを私にも分け与えてくれないかな? 君と同じ荷物を背負う位の覚悟は、私にだって有るよ。
桜の蕾が、ひらりと舞った。











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文才ないって自分で理解するほど悲しいこともないような笑笑









では!そのうち文スト見て号泣してきます(ってか特典小説ひどい、あんなのだざおファンを泣かせるために作っただろ作者め←)

優雨


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あ〜、好きだなって思う。
どこが、って問われたら上手く答えられないんだけどね。
ゆうの文章そのものが好き笑
私も一行小説書かねば〜!


妃有栖
2018/03/12 8:05:15 違反報告 リンク


アリス▹▸
ありがとー!いやもう、こんな文才のない私の小説を好きと言ってくださるなんて笑笑
アリスの一行小説、楽しみにしてる〜!

梨月▹▸
どういたしましてです((
最近ロクな小説書いてなくて、まともなの書けなかった…ほんとごめん…(涙)


優雨
2018/03/13 3:06:43 違反報告 リンク


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#最小幹部生誕祭
2018/04/29 10:52:33 優雨 2

友達から聞いて思い出した。 今日は中也の誕生日じゃん...


暇人の戯言とかとか。
2018/04/23 9:11:19 優雨 5 6

えーっとお久しぶりです、優雨でございます。覚えてもらえてますかね…?(( ...


春(*´艸`*)
2018/04/12 18:21:01 優雨 7 5

……Long time no see…… お久しぶりです、ほんとに申し訳な...



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