長編小説おまけ
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『君と俺の知らない関係』
あれから数日、俺達は兄弟で恋人ということもあって同棲することにした。
家は俺の家。もちろん玲於は服やお気に入りの置物や家具を此方に完全に移動させて前の家を手放した。
玲於は昔からの親友とかいう人達と集まるらしく家には俺一人残されていた。
つまらないなー…。
玲於は夜中まで帰ってこないらしく、ものすごく暇だ。DJブースに立って触ってみてもいつも聞いてくれる玲於の姿が無いだけでつまらなく感じた。
ガチャッ
扉が開いた。
えっ?ど、泥棒が堂々と入ってきたとか…?
そーっと玄関に近付くと玲於が飛び出してきた。
「えっ!?れ、玲於!」
一言も話すこともなく部屋に行くための階段を上っていく玲於。その顔は何故か泣きそうだった。
どうしたのかと思い階段を上っていくと泣き声が聞こえた。
『うっ、ううっ、ふぇっ…』
部屋を覗いたら鞄も下ろさず椅子の背もたれに掴まりながら号泣していた。
「ちょっと、どうしたの…!?」
鞄を下ろして抱き締めて背中を撫でた。
そしたらぎゅっと服が俺よりも小さな手で握られた。
「おれはあらんにぃとこいびとになっちゃだめなのぉ?うわぁん…!」
「えっ…?」
しゃくりあげながら言われた言葉は想像を越えていた。
「説明してくれなきゃ分かんないよ?ねぇ玲於落ち着いて、」
小さい子をあやす様にしてあげたらうぅっ…と言いながらも涙を止めた。
「しんゆうをしんらいしてこいびとなのっていったら…だめだよって…、あらんにぃはおんなのことけっこんするんだよって…おれ、おれ…」
またうるうるしだす玲於。甘えん坊玲於は俺についてこんなにも弱い。
何かしなきゃ…。
とっさにそう思った。
「わかった」とか「大丈夫」じゃ全然足りない。
なら…
「玲於、外に遊びに行こっか」
「……えっ?」
きょとんとする玲於。もう、泣いてる顔は見たくないよ。
「ほら、立って。行くよ」
「えっ、ちょ、わぁっ!?」
ほとんど無理矢理につれ出す。
「…遊園地?」
「うん。」
「なんで?」
「なんでも、」
首をかしげる玲於を引っ張って中に入る。この夕方の時間帯は人が少なくていい。
「最初はジェットコースターね!」
「えっ、ジェットコースター!!?」
高所恐怖症の玲於は嫌々と首振るけど横に俺がついてるからって言ったら渋々着いてきた。
「ぎゃぁあああぁっっ!!?」
「うおぁあ!w」
落ちる感覚に片手を離して楽しむ俺と俺の腕と前の棒を必死に抱き抱えて叫びまくる玲於。
俺の腕を抱える辺り、可愛いなぁ…。
終わった頃には生まれたての小鹿の足で出てきた。
「じ、地面が揺れてるぅ…」
「玲於、大丈夫だよ、次行くよ」
「あっお兄まって!」
……んっ?
「あれ?結局お兄にしたの?」
「ううん、外はバレるかもでしょ?だから外だけ、」
あぁ、なるほど、玲於なりの気遣いね。
「次はツリーフォールかなぁ?」
冗談で言ったら玲於がえっ…って言って俺を掴む手を離した。
「嘘だよ、コーヒーカップにしようか、」
「うんっ、」
ぎゅって繋ぎ返してくれた。こんなに正直で無邪気なのは俺の前だけ。特別感に満たされた。
「うわぁっお兄はやいっ!」
「もっともっと!」
「やめてぇー…うえっ、」
「うわぁ!遅くするから吐くなよ!?」
なんだかんだ言って楽しかった時間は終わりに近付いていった。
「あー楽しかった、お兄ありがとう」
「ううん、最後は観覧車乗って帰ろうか」
玲於と二人でまだ少し明るい夜空の下で観覧車を乗っている事に俺がドキドキした。
「あっ、そうだ、まだなんでいきなり遊園地来たのか聞いてない。」
玲於は思い出した様に言ってなんでなんでって顔を近付けてきた。
「玲於は笑顔が一番だよって教えたかったの。」
「へっ?」
「玲於が悲しんでるところなんて見たくない。ましてや俺のことでなんて…だから二人の思い出作ってこれからも笑ってもらおうって。」
「…ごめん、なんか迷惑かけたみたい。」
眉を下げる玲於。
もう、そんな顔して。今言ったところなのに…。
「玲於、笑って。」
「ふにゅ、いひゃい、ありゃんひぃ~」
柔らかいほっぺを掴んでグイグイ引っ張る。
「玲於。俺はずっと隣にいるよ。玲於だけを見てる。だから安心して。不安にならないで。」
「亜嵐にぃ…。おれ、『はいありがとうございました。』あっ、ありがとうございました…。」
玲於が何かを言いかけたときに下ろされてしまった。何てことだ。
結局続きは聞けず、家に帰ってきた頃にはへとへとだった。
「俺風呂入ってくるね。」
ソファーに転ぶ玲於に言うとうん、と眠たそうな声で返ってきた。
これは、寝てるな…?w
案の定、上がったときにはぐーぐーいびきかいて寝ていた。
「もう、汚いよ。入って、」
「んーねむいっ…」
「汗かいたでしょ、」
「んー…」
仕方なく目をこじ開けて擦りながらよちよち風呂場まで歩いてく。時折ゴンッとぶつかる音がしていてて…という声も聞こえた。
「……風呂入ったら目覚めた…。」
「あるあるだねw」
しばらくテレビを二人で観ながらあーだこーだ言っていると俺も玲於も眠たくなってきた。
「玲於、部屋戻ろっか、」
「今日は亜嵐にぃの部屋で寝る。」
いそいそと枕を持って俺のベッドに放り投げてダイブした。
「こら、スプリングが痛むでしょ。高いのに。」
「亜嵐母さんうるさぁい、」
「誰が母さんだ、」
クスクスと笑う玲於。憎めない。
「…俺さ、亜嵐にぃがいつか俺に飽きるんじゃないかって怖かった。でも、今日で分かった。亜嵐にぃはずっと隣にいてくれるっ!」
後ろを向いてて表情見えなかったけど最後のところでクルッと俺の方を向いてて微笑んだ。これがあの時言いそびれた言葉だろう。
「当たり前でしょ玲於は一生俺のなんだから。」
「うん、ふわぁ…眠たくなってきた。」
「ん、おやすみ。」
一生に寝転んだらすぐに眠たくなったらしく寝落ちするまでに秒だった。その可愛らしいほっぺにキスをした。
辛いことも俺が全部笑いに変えるから。
明日も明後日も笑いあって。
終わりのない話をしよう。
一生俺に飽きないように。全てをつくそう。
長編小説『君と俺の知らない関係』堂々完結です!
今までありがとうございました!
これからは短編を数多く書いていきます!
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もっきゅんについて語ろうじゃないか、
玲於パレス⚓️🤟🐷 4 2
はーい筋金入りのもきゅたみ、玲於パレスです笑 モトキについて語るだけっ...
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