■■■国防軍戦記

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:1174 hit

最高ランク : 1 , 更新：

ーーー

上空より、首都ベルリンを臨む。

なんと素晴らしい風景であろうか。

澄み渡った紺碧の空。

古都の名残である堂々と佇む建造物。

買い物をする人々。

いや、皮肉だったか。

ーーもうそんなものもとうの昔に夢のまた夢となってしまった。

曇りきった空。

瓦礫まみれの町並み。

今にも餓死しそうな人々。

所々で火の手があがっている。

ほんとはこんなところで戦争していたくないんだけどなあ

そんなのうのうとした考えがよぎる。

いや、こんなことをしている暇ではないのだ。

命のやり取りがそこらじゅうで起こっている。

地上には、血溜まりを作りながら倒れていく兵士が見える。

そしてそれを処理して回っている衛生兵たち。

いつか私も、あの麻袋の塊うちの一つになると思うとぞっとする。

『ーーｻﾞｰーーｻﾞｻﾞ……より……へつ…』

通信機もまともに繋がらないじゃないか。くそ。

妨害電波ほど嫌なものはないだろう…

「…こちらベルリン02より、管制…聞こえるか」

『ｻﾞｰ…ｻﾞｻﾞ…こ…ら管制…こ…えｻﾞｻﾞ』

「…妨害電波でまともに入らない…か…」

くそったれ…面倒くさい。

仕方なく妨害電波圏外へ行くことにした。

「…聞こえるか」

『…っ…あぁ、やっと通った…こちら管制、ベルリン02、どうした』

「…いや、ただの状況報告だ。心配するな」

『そうか。…しかしお前も、上空ばったばったと飛びまくって大変だなぁ…』

そう。私は…空挺部隊でもなんでもない。

ただ『飛んでいる』。

そういう役職。

階級は、中佐。

「ふん…まあ好きでやってるわけだ、別にいいよ」

『…生きて帰れよ』

「わかってる…で、……」

…後ろがひどく照らされた気がした。

いつものような、爆撃…ではない…？！

…ターゲットは他でもない、私のようだ。

「っ……こちらベルリン02より管制、照射だ。繰り返す、照射。至急戦域警戒…!!」

『了解。管制よりベルリン02、避けられるか？』

「…あぁ…今のところはな…!くそっ…まずいかもしれない」

『…ベルリン02…っ……闇子っ!』

ああああああだめだ、できないなんて思うんじゃない…

生きて帰るんだ…っ

もう敵は真後ろ、ら、ライフルを持つ手が震える…使い慣れているはずなのに…

慌てるな、そのままで…後ろに体を反らして…避けろ避けろ、このままだど胴に風穴が開くぞ闇子ッッ!!

「くっそおおおおおッッッッ!」

「めっ…メーデー!メーデー!」

『こっこちら管制!落ち着け!兵力投入!』

弾倉…り、リロードを…早くっ!

カチャリ。

パカン。

くだらない音がした。

銃弾ってこんなに、簡単に…命を奪えるのか。

ああ、だんだん意識が遠のくなぁ…

『ベルリン02…？応答せよ、02っ!』

時間が止まったようだった。

舞う血しぶき。

響き渡る苦痛の喘ぎ。

勝った。

勝ったぞ。

紙切れのように落ちていくのは敵国の兵士。

『安否確認だ。02。…怪我は？』

「す、少し…意識が…」

『…わかった。回収に行く』

…と、このようなかんじだ。

19■■/■．■

ー追記ー

ども闇ちゃんです

クリスマスプレゼントで…

富江

漫画上下

買ってもらえることにいいいいいいいいいやったああああ