虫の日記 2月16日(金) a

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言うべき言葉など無い。
わかってはいたが、フラフラと足は母親の部屋に向いていた。
起きる気力もなくベッドに寝続け、ようやく身体を持ち上げたのはついさっきのことだった。

カチャリとドアを開けた。
今日も母親は一人で遊んでる。
祖母と祖父は、マトモに遊び相手などすることは無かった。
ノートパソコンさえ与えておけば大人しくなる・・・
そうして部屋で一人遊ぶことを余儀なくされていた。
毎度のこと、なにやらニコニコしならがキーボードを叩いてる。
ノンキなもんだ。
僕が入ってきても気にせず作業を続ける。
何の目的で部屋に来てしまったんだろう。
「シャーリーン」を目の前にして、僕はやることを失った。
ふと、殺したくなった。
包丁は川口弟に渡したっきりだったので、首を絞めることにした。
ユラリと背後に回った。
背後の殺気など微塵も感じず、母親はニコニコと画面を眺めてる。
何をニコニコと眺めてるんだろう。
思えば、こんなにノートパソコンをいじる姿を目にしてきても、
具体的に何をやってるのかじっくり見たことなどなかった。
首に手を回す直前、ちょっとそれを見たくなり、画面をのぞき込んだ。
僕は、小さく飛び上がった。
後ずさりして首を何度も何度も横に振る。
汗がダラダラと流れてくる。
背中がタンスにぶつかってもなお、後に下がろうと力を入れていた。
母親は背後の物音など聞こえていない。
画面をスクロールしたりして遊んでた。
なぜ。ナゼ。何故。
昨日よりも、脳味噌はフル回転していた。
なぜだ。なぜお前が・・・!!
画面に映っていたのは、「湖畔掲示板」
それはいい。これは父親のノートパソコン。
ヤツは絶望クロニクルを見てたのだから、画面にそれがあってもおかしくはない。
けど、なぜ、どうして。どうしてこの画面には。
掲示板の上部。書き込み欄と、タイトル入力欄と、メアド欄と・・・・投稿者欄。
その投稿者欄には。クッキーで記憶され、そこにあらかじめ書かれてる文字は。

投稿者 ミギワ

一番新しい書き込みも「ミギワ」のもの。
「処刑人さん、居なくなっちゃった?みんなどうしちゃったの?」
・・・・ニコニコしながらキーボードを打ってたのはコレだったのか。
現実じゃこんなにオカシイくせに、ネットじゃマトモな書き込みを・・・!!
その場にいるのが恐ろしくなり、自分の部屋に逃げてきた。
ああ、シャーリーンが。
シャーリンはずっと居たんだ。
舞い戻っていた。
記憶を無くし、自分が「シャーリーン」とも気付かずに・・・
・・・・・・・そうか。そうゆう事だったのか。
何故あんなに楽しそうにしてたのか。
どうして心の破綻した者が、平然と書き込みをできるのか。
タイピング技術は身体が覚えていても、マトモなオハナシはできないはず。
それがなんで普通にこなしているのか。
うひ。ひひひひひひひ
簡単じゃねぇか。そんなのさっき書いたじゃないか!
僕は父親に「絶望クロニクル」を教えた。
ヤツは自分のパソコンでそれを見るようになった。
あの母親を、傍らに置いて。
遊びたがってた。あの女はヤツと遊びたがってた。
しかしヤツは「絶望クロニクル」を監視する仕事が。
そこで考えた、一石二鳥の策。
絶望クロニクルで、遊べばいい。
そう考えればどうだ。湖畔の、一人忽然と姿を消したあいつの正体がわかるじゃないか!
ミギワと親しくオハナシをしてたあいつ。
「シス卿」
父親が居なくなったと同時に消えていた。
当然だ。ヤツが、「シス卿」だったんだから!
ウケケケケケケケケケケ
これが笑わずにいられるか。
交代交代で同じパソコンを使い、相手が隣にいるのにネットで会話する。
あの女は単純な機械みたいなものだ。
やり方さえ教えれば、すっと同じことを繰り返す。
一人楽しく書き込みに明け暮れている。
今はもう、会話する相手などいないのに。
ケケケ
狂ってる。

にしても何だよ。シス卿はともかくミギワって。
シス卿の方は何かのキャラの名前だろう。そんな感じがする。
「ミギワ」なんて意味不明じゃないか。
言葉の意味もわからないほど狂ってんのかよ。
ええ?シャーリーンさんよ?
クソデブに正体を暴かれ、湖畔に戻ったと思えば記憶無いし、
その上自分の名前もロクにつけれれない。
救いようがねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇよッッッッッッッ!!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・待てよ。

何だよこれ。
ちょっと待ってくれよ
おい。こりゃ何だよ。何なんだよ!
ミギワって・・・
え?これって・・・ええええ??
あ、いや、え?
こ・・・これ・・・
ミギワ・・・・・・
変換。
ちょっとスペースキー2回押しただけ。
考えなんかなにもない。
ただちょっと、押しただけ
漢字変換、しただけ。
それが・・・・・・
こんな・・・・・・
み・・・・・・・・

みぎわ

ミギワ

ミギワ

水際



・・・・・・渚

渚は「ミギワ」とも読む。

あ・・・・・・
今なんか弾けた。
僕の中で、何かがポコンと、音をたてて壊れた。
お・・・・・おおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!?????
過去が。
僕の過去が戻ってくる。
凄い勢い。走馬燈のようにサァァッと。
プチ遠藤の叫び声
壊れた川口弟
知らない顔する渡部さん
父親が目を見開いて絶命してる
母親が「お化け!」と叫ぶ
祖母と祖父がおろおろと
もっともっと遡っていく
バットを振り回す川口
僕の顔の傷に絶句する渡部さん
包丁かざしてニヤニヤする遠藤
僕は風見祐一
風見となって、川口を誘い出す
僕は荒木さん
荒木さんとなって、渡部さんを誘い出す
父親とと共に「希望の世界」を見つめる
こいつらを殺してくれ、と頼む僕
早紀の炎
燃える炎
早紀の声が聞こえる
「戻ってきて」

ああなんだ。
さっき弾けたのはアレか。
僕か。
今の僕が、壊れた音か。

ケケケケケケケケケケケヶヶヶヶヶヶヶ

笑い声が、遠のいていく

・・・・・・止まらない・・・・・・・・・・

・・・止まらない・・・・・・・・・・・

止まらナイ・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・

・・・・

・・

・・・・・・・・・・・・・・・私のアザミが壊れました。
アザミはもう戻りません。
部屋の中でポツンと一人、私は取り残されてしまいました。
ドアが少しだけ開いています。
私はそのスキマから中を覗いてみました。
カイザー君と渡部さんが、変なことをしてます。
暗闇の中でゴソゴソと。
二人は私を助けにきてくれたんじゃないんでしょうか。
私をここから連れだしてくれるんじゃないんでしょうか。
でも少しおかしいです。
あの渡部さん。何か違うように思います。
カイザー君は何か必死になって身体を動かしています。
渡部さんがこっちを見ました。
・・・・・・・笑ってる。
渡部さん。私と目があったら、笑った。
なんで笑うのでしょう。
渡部さん、何かおかしいの?
私はとても嫌な気持ちになりました。
けど渡部さんは笑うのを止めません。
・・・渡部さん。アナタは本当に渡部さん?
私は疑問に思いました。そして確信しました。
違う。この人は渡部さんじゃない。
本当の渡部さんは、もっと無表情よ!
全て無かったことにしようとする渡部さん。
渡部さんは、私に笑いかけたりはしません。
なら、この人は誰?
ああ、何か名前が出てきそうです。
この顔。良く知ってる顔なのに。
思い出せません。
喉まで出かかってるのに。
サキ?違います。これは私の名前。
あれ?でもこの人も・・・・・
あ!思い出した!
アナタの名前は、早・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・



aaaa

僕は蟲です。

いとしき


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