「花言葉」小説

小説 創作
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僕の隣席は、ほんの少し前まで僕の友達の席だった。
今、その席には花が手向けられている。赤いアルストロメリアの花。
花言葉は「幸福な日々」。
二年1組11番、崎原 理花。僕の、一番の友達_________


「ねぇ、何読んでるの?」
昼休み、教室で読書をしていた僕に誰かが声を掛けた。
「本読んでるだけだよ。」
素っ気なくそう返した。彼女が…崎原さんが僕は正直苦手だ。
彼女みたいに笑うことはできないし、明るく振る舞う事もできない。
僕とは相容れないタイプの人間だ。単に僕が彼女に嫉妬しているのかもしれない。
でも君は勝手に僕を友達と認識しているようだった。
めんどくさい、そう思った。

「教えてくれたっていいじゃんか~!」
人の机に勝手に座らないでくれ。邪魔だ。
「一応言っておくけど僕は君の友達でも無いただのクラスメイトだよ。」
呆れ気味でそう言った。
「友達が居ない君の為に
私が話しかけてあげてるんだからちょっとは感謝しなよ?」

なんて下らない事を自慢気に、胸を張って言う。
僕は真面目に言ってるんだけど。はぁ、とため息を吐く。
本を閉じると、机に置いた。
「…あのさぁ」
「何?やっと私と話す気になったの?」
変わらず笑顔で言う君に腹が立った。今日こそは言ってやる。

「…いい加減にしてよ。毎日毎日なんなの?うるさいんだって!
僕は君と仲良くしたくないの。崎原さんなら他にも友達居るじゃん!
遊びたいなら君の友達の所行きなよ。」
少しは理解してくれたらいいんだけど。君は呆気に取られてぽかんとしていた。
君がこれで傷付いたとしても僕には関係無いからね。
本を開き、読書を再開した。
…反応が無い。てっきり反論してくるかと思ったんだけど。顔を上げる。
崎原さんは机に突っ伏していた。…まさか泣いているのか?
いや…これぐらいで彼女が泣く筈が…

「崎原さん…?」
おそるおそる声を掛けた。
「ふふ…ふふっ」
笑ってる…?泣いては無いみたいだけど…
「崎原さんってば!」
「…あはははっ!もしかして泣いてると思ったのかな?ねえ?」
大声で笑い始める。どうやら心配した僕が馬鹿だったようだ。
「…騙したの?」
「君が勝手にそう思っただけだよ?嘘は吐いてない!」
にやにやと笑いながら小馬鹿にした態度で君は言う。
本当、苛々する。こんな簡単に引っ掛かる僕が悪いんだろうけど…

それからも、君は変わらず僕に声を掛けてきた。
そうしているうちに、君はいい人だと思えるようになった。
以前よりは気を許せるようになった。
認めたくは無いけど、君は僕の友達だ。

「キンセンカ」
金曜日の放課後、図書室に居たとき君が唐突にそう言った。
「は?」
「花だよ。知らないの?」
きょとんとして君が言った。
「知ってるけど…」
「さすが学年一位は違うねぇ~!」
けらけらと笑いながら君が言った。
「で、それがどうしたの?」
「別に?何でも無いよ。」
「ふぅん…」
その時、僕は君の言葉を気に留めなかった。それを今少し後悔しているんだ。
思えば、その日は君の様子がいつもと違った。
どこか不安そうにしていて、
時折見せる悲しそうな表情が僕の心をきゅっと締め付けた。
でも僕はその事に触れなかった。多分怖かったんだと思う。
君はずっと僕の側にいて、下らない話をして。
そうやって過ごしていくんだと思いたかったから。
きっとこの時には、僕は君に恋をしていたんだろう。
だからこそ怖かった。

次の週明け、君は学校に来なかった。先生は「家の都合」と言って居た。
なんだか胸騒ぎがした。君が居ない教室が、放課後に行く図書室が。
君の居ない時間が自分でも驚くぐらい辛かった。
僕にとって君がどれほどかけがえのない人なのか、はっきり分かった。

家へ帰ると、携帯を開いた。一応、と連絡先を交換しておいてよかった。
もしかしたら、崎原さんが何か、何か。
今日のことでメッセージをくれたかもしれない。
でも、新着メッセージは無かった。
交換したその日に君から来た一言、
「よろしくね」
それだけだった。
きっと明日は来るよね。いつも通りに笑顔で声を掛けてくれるよね。
そう、信じたかったんだ。君がすきなんだ。そう自覚した。

次の日も、その次の日も、僕の隣は空席だった。
先生に何度聞いても「家の都合」としか答えてくれなかった。
君に毎日メッセージを送った。既読が着くことは無かった。
虚しい。悲しい。君に会いたい。それだけだった。
数週間経った頃、僕はもうメッセージを送るのを辞めていた。
きっと今に君が返信をくれるから。それを待っていよう。信じていよう。
ふと、ピコン、と通知の音がした。ハッと我に返り、携帯を開いた。
『新着メッセージ』

件名:ごめん
いっぱい休んでごめんね。
君にはもう会えないかもしれない。
何も言わなくて本当にごめん。
最後に1つ!
「ワスレナグサ」
さよなら、私の友達!君と友達になれてよかった。
ps.花言葉

意味が分からない。会えない、なんて言われても理解出来ない。
認めたくない。理解したくない。認めるのが怖い。
涙がぽたぽたと溢れてきた。
これがもし君の死を意味するのなら。
いや、きっと違う…違う…。嫌だ…認めたくないんだ…。
涙は止まることを知らず溢れ続ける。なんで…なんで。

翌日のホームルームで、先生が話をした。
崎原さんが難病を患っていた事、そして先日息を引き取った事。
病名は教えてもらえなかった。
その事より、彼女が何も言ってくれなかった事が辛かった。
「友達」なんてその程度のものなのかな。
本当は僕の事「友達」だなんて思っていなかったかも。
勘違いしてただけかな。友達なんて。悲しいな。虚しいな。
1日中、その事しか考えれなかった。
家に帰ってから、ただ携帯の画面を見つめていた。
彼女との繋がりがそれ以外に何も無い気がした。この短い文章、それだけ…

「花言葉…か。」
そう呟いた。君は、どんな気持ちでこの文章を書いたんだろう。
…花言葉…?ワスレナグサの花言葉…?なんだったっけ…?
ガバッと体を起こすと、本棚から図鑑を取り出した。
索引を開き、ワスレナグサのページを探した。
ページを開いて、花言葉を見た。
「幸福な日々」「片想い」
ぽた、と溢れた涙が紙に染みを作った。君は…君は…。
「ごめん…ごめんね…」
こんな事を言っても届かない事は分かっていた。それでも涙は止まらなかった。
ごめんね、僕の大切な人。伝えれなくて。あの日に気づけなくて。
ごめん、ごめん、ごめんね。僕の、大切な人_____________




今、僕は墓石の前に立っている。
そこに刻まれた名前は「崎原 理花」、僕の大切な人。
「…キンセンカの花言葉は、『別れの悲しみ』。
君は、あの時僕に伝えてくれたんだよね。君らしいや。素直じゃないね。
君が居なくなって僕は悲しいよ。思ってた以上に辛かった。」

そっと、白いモッコウバラを墓石に添え、手を合わせた。
「崎原さん、僕と友達になってくれてありがとう」
涙を拭い、ぽそりと呟いた。墓石に背を向け、帰路に着く。
君をずっと、愛してます。僕の大切な人。
___モッコウバラの花言葉は、『あなたに愛されて幸せ』


__________________________________
書こうとしてたやつとだいぶ変わった笑

もちきんぐ


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ありがとう(´;ω;`□ヾ)フキフキ

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うぅ泣く…

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Ria ▷
ありがとう😭✨


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文才有りすぎだろ。
胸がじーんってきた。


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りゅみ▷
わーい(^o^)うれぴい


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(大事な事なので2回言いました)

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