【 DearHolmes小説。】その女、支配者成り。

今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:1759 hit

最高ランク : 4 , 更新：

.

______ 煙草の匂いに満ちる仕事場において、彼女は確かに支配者だった。
然し、ただ踏ん反り返って我儘な言葉を振りかざす女王というわけではない。同じ女王だとしても、実際に戦場に出て兵士の指揮を取るタイプだし、そもそも彼女を形容するならば、女王ではなく、二十日鼠の群を睨み続ける蛇と言ったところだろう。

つまるところ、彼女はそういう類の支配者だった。

一般的なオフィスの中、向かい合わせに並べられた複数の事務机。机上には本や書類が積み上げられ、崩れかけた紙同士が絶妙なバランスでお互いの身を支え合っていた。
その間に無理矢理ねじ込むような形でパソコンが置かれており、使用者達のキータッチ音が、部屋のBGMとして絶え間なく鳴り響いている。
すると、一人の女の言葉がその打鍵音を切り裂いた。

「はい、やり直し。」

実に淡々とした声で、彼女は部下に対して残酷な言葉を突きつける。同時に、それまで手にしていた書類を無造作に机の横に放り投げた。
其処に積み上げられた紙束は、後にシュレッダー行きになる運命だ。

「え、いや待ってくださいよ。俺、何かミスでもやりましたか。」

自分の仕事をあっさりと捨てられた現実を前に、若い社員が状況を掴めぬまま、愛想笑いと共に問いかける。
すると、社員の机から少し離れた孤立したデスクに座っていた女は、部下のほうを見もせず、彼とは関係のない資料を読みながら答えた。

「自分の書類がボツになった理由くらい自分で考えたらどうかしら？小学生じゃあるまいし。」

軽い調子だったが、声にはあからさまに高圧的な色が含まれている。そして、最後に男の方に顔を向け、言った。

「でも、そうね。今度の書類も今回と同じようなものを上げてきたのなら、その時は懇切丁寧に私がきっちり教えてあげる。」

言葉だけを捉えると優しく聞こえるが、声は冷淡そのものであり、日本語を解さぬ物が聞いたら死刑宣告と勘違いしてもおかしくはない。
反論すら許さないとばかりに、女は再び視線を逸らし、自分の仕事に再開した。一方、自分が仕上げた書類を捨てられた男は、理不尽な状況にも関わらず、愛想笑いを消沈させながら黙って自分の席へと戻っていく。

…澪(みお)。
彼女に性は無く、シンプルに澪。
それがこの部屋に君臨する支配者の名前だ。二十代半端という若さで、探偵社の一つの部署を任されている。
四六時中怒鳴り散らすようなタイプの上司ではないが、彼女がいるかないかとでは、社員達が肌に感じる湿度は明確に差があった。
______ と、そこで彼女の声が響く。

「そうそう、" 蒲生さん " …貴方、また一人で飲んで領収書を交際接待費で落としたでしょう？」

名指しで言われた至極真っ当な通達。しかし、さっきのような威圧感混じりな声とは違い、ため息混じりに発せられた、その声は先ほどの人物とは別人のようであった。

「…嗚呼、なんだ , そういうことか。君も私と一緒に飲みに行きたかったのかい。」
「何を言っているかしら蒲生さん。あなた普段は冴えて頼りになるのに、こういう時だけ犯罪者並みに頭が悪くなるのね。」
「……酒の席では無い現在でも毒舌な澪くんは健在か。結構なことだ。」

内容を聞いているだけでは、心底仲が悪そうに見えるが、両者とも口元は薄っすらと歪んでいる。____ どうやら彼ら自体、仲が悪いようではないようだ。

「ところで。蒲生さん貴方、煙草吸い過ぎじゃない？」

澪がその言葉を発した途端、蒲生達に視線を向けていた部下達は「また始まった」と、でもいうように意識をパソコンへと戻し、各々の仕事へと戻った。
が、言わずもがな蒲生と澪の討論は続く。

「もしかして、君は僕の身体を心配して言ってくれてるのかな。それなら問題はない、確かに煙草は身体に悪いだろうし世間からは " 良くないもの " と多くの人間が認識しているが____」
「別に心配してませんけど。私は部屋に貴方の煙草の匂いが充満して不愉快だと言っているの。」
「はっはっは。相変わらず君は冗談が上手いね？」
「冗談じゃないわよ。蒲生さんのその自信は一体どこから湧いてくるのかしら」

部下から見ても澪が一方的に蒲生を苦手意識として見ているように見える。が、澪自身は別に蒲生が嫌いではなかった。ただ、お互いプライドが高いため、素直になれない。ので言い合ってしまう。たった、それだけの事なのだ。

「君はもっと素直になれば可愛げがあるのに。」
「………。貴方もね」

これは、プライドの高過ぎる部下と上司の話である。

______
なんだこれ。(なんだこれ)
2000字超えるって何事なの…😶
恋愛フラグ立ちまくりなんだけど.. ??🙄
てかそういうのしか書けないって何。
夢が過ぎるって。
完全に調子乗ったよねこれ。
な、なんか怒られそうで怖いよう… (

アッ、でも書いてて楽しかったです。
多分つぎはうちの子の関係表一覧とか百鬼夜行とかだと思います ~ !

.

Ratte*らて

投稿を違反報告 / ブロック

へぁぁぁ語彙がすげぇや(どうもビビシです)
結構大きな事務所なんですね〜
あ、蒲生さんと澪さんの関係性やっぱり好きです。お互い信頼してはいるんだけどプライドゆえのぶつかり合い、ね(？)

……上手く言えないけれど好きです。

takesidayo
違反報告リンク

ここにコメント失礼します〜。
関係のお誘いありがとうございます!!
是非お願いします〜(*´罒`*)

08230115
違反報告リンク

某ビビシ兼タケ取の翁さん(??)→
レス遅くなりました…！ごめんなさい〜〜🙇✨✨
最近ビビシさんのあだ名考えるのハマってます(聞いてない)
何となく…！！何となく…！！！！！！
大きな事務所にしちゃいました…！！！えへへ←←
そういうことです…有能こそ、天才こそプライドとか高そうじゃないですか。ね？？？((

ああああありがとうございます嬉しいです…！！！
はぁぁああ(深呼吸)

朔月さん→
わ〜〜い！！！
レス遅くなってごめんなさいです〜！
関係どうしましょう…？？？
個人的に蒲生と澪はワンセットの関係だと思っているので、両者と関係組みたいな〜なんて思ってるのですがどうでしょう…！！！！！⤴︎⤴︎😶✨???
あっあっ、蒲生と澪の討論を仲立ちする(?)みたいなのも好きです…、、、ああでも細かいところはお任せしますよ〜〜🙄🙄💓

Ratte*らて
違反報告リンク

いいですね〜!!🎊
仲裁役を受けることが多いって感じで…!!
でも内心｢仲いいな…｣とか思ったり…(*´ 艸｀)
気が向いたら事務所に立ち寄って仲裁して…みたいな感じですかね〜( `･ω･)

08230115
違反報告リンク

朔月さん→
なにそれめっちゃ素敵〜〜🐰💗💗✨✨
二人が討論しててもレイさんが入ってきたら、心なしか討論の激しさが緩くなる…とかでも良いですね…！！！！すごく好きです！！←聞いてない(
そして、澪が「ちょっと、蒲生さん煩い。レイがいらしたのだけど、静かにしてくれない？」「…澪くん…君、急に塩らしくなったな、」みたいな会話してそう…していてほしい… (妄想)((

Ratte*らて
違反報告リンク

大人しくなったら｢…偉い偉い｣とか言って頭なでなでとかしそうです←
他意無く優しいので…ちょっとときめいてくれたら嬉しいです((おい))

08230115
違反報告リンク

おお〜！！！！！！✨✨
クールでプライドの高い二人は、頭撫でられるのとか普通に嫌がりそうですけど、レイさんだけは「はあ、仕方ないか。」みたいに許して素直に撫でられている(満更でもない)ってのも非常にスコリティは高いですね…！！！！
それでは、関係はこの様な感じでお願いします…！！！

Ratte*らて
違反報告リンク

コメントをするにはログインが必要です : ログイン

鬼滅の刃かたりたくて。
Ratte*らて 5 14

. 語るもなにも何も無いのだけれど、実は結構前から鬼滅の刃にとてもかなりハ...

推しを語るろぐ。+いらすと!
Ratte*らて 4 12