『屋上ミサイル』について。

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山下貴光さんの『屋上ミサイル』を読みました。
なんか久々にすっきりした読書体験ができた気分です。

あらすじ
デザイン科生徒のアカネは課題を書き上げるために初めて上がった普通科の屋上で偶然出会った少年たちと屋上部を立ち上げる。
リーゼント頭の不良国重。
願掛けのために言葉を封印した沢木。
人殺しのうわさがある新入生平原。
屋上の平和が脅かされるとき、彼ら屋上部は立ち上がるっ！！みたいな話です。

有名…なの、かな？私は一度も聞いたことなくて、偶然父の書斎から見つけて読んだんですけど、このミス大賞みたいですしそれなりに知名度はある・・・の、か？

感想
会話のテンポやセンスが良くてすらすら読めてしまいました。

キャラクターも個性的過ぎて物語に引き込まれる。
主人公アカネちゃんはあらすじ読むと乙女ゲーみたいなんですけど逆ハ要素なくて、そこにまた好感を持てました。

偶然にもほどがあるだろとか、ご都合主義とかいろいろ言われてるのを見ちゃったんですけどでも全部の事件がつながっていく爽快感は小説ならでは！
いちいちけちをつけてしまうのはもったいないなと思います（小説だからこそ？）。

たぶん小学校高学年から中学までが一番面白いと感じられるんじゃないかな？大人になったらご都合主義のほうに針が振り切れそう。
なので今の一番面白い時期にいるあなたはそのうちに早く読んじゃってください！！もったいないですよ！

こういう作品を映画化orドラマ化してほしいな（一昔前に再現ドラマミステリーってやつでやってたけど…）。

ここから下ネタバレ注意。

物語は某正義と自由の大好きなヒーロー国家の大統領が誘拐されてミサイルが日本に向かってくるんじゃないかっていうシチュエーションです。『屋上ミサイル』のミサイルはここからですね。
最初のほうはかたくなに某国某国行ってるんですけど後半ほぼ実名出しちゃってますよ。大丈夫なんですかね。ＳＦじゃなくってミステリですよ。

国重君がいろんな人（もちろん悪い人ですよ！）を殴っていく姿がかっこよかったです。けどリーゼント。リーゼントに眼鏡。仕方ないのでリーゼント姿が世界一ハマっている東方仗助くんをイメージして読んでいました。

私が屋上部の中で一番好きなのは沢木くん！喧嘩強いのに告白のために言葉を封じる女々しさがギャップ萌えでした。けど彼には好きな人がいる…。

平原君は重い過去のわりに話し方がすごくツボで・・・。もうね。こういうしゃべり方が好きなの難でわかっちゃうんだろう平原君ぎゃんかわ。

そして殺し屋さん！！こいつの登場でキャラ読みばっかりしてしまったくそう。無慈悲・・・。無慈悲？殺し屋のくせにちょっと抜けてて愛妻家で（まぁヤンデレ入っているけど）（奥さんのほうもなかなかだけど）口調はバカ丁寧で、自分ルール盛りだくさんの七三とか狙いすぎ。
イメージは食戟のソーマの薙切父。

あと名前忘れちゃったけどテレビの批評家さん濃すぎ。こっちになんか伏線張られてるのかと思ったわ。

青春アクション？ミステリー。
軽快なスピードであっという間に読めちゃいます。

おすすめです。

『屋上ミサイル』読了。

お付き合いありがとうございました。