【小説】最弱の青年と最強の機械少女[後日談3:これからもずっと]
神の風をふかしにきたぜ! 小説最高ランク : 5 , 更新: 2022/08/13 17:16:14
私達が人間として生き始めて70年。
私の体はもう老いきっていた。
祐司はもうそばにいない。
寿命で先に行ってしまった。
でも、別に問題がある訳じゃない。
どうせ私も、今日が最後なのだから。
病室のベッドで、一人思う。
自分の体は自分が一番よくわかる。
だからこそ今日が最後だと悟った。
静まりかえった病室。
聞こえるのは窓から流れてくる雀の鳴き声。
外には真夏とわかるほどの美しい緑が沢山あった。
...祐司とも、この景色を何度でも見たかったな。
私はふと、そんなことを思う。
そして、目を閉じる。
...祐司。今行くよ。
私は眠りにつきながら、そんなことを思った。
※ ※ ※ ※ ※
何も見えない。
何も聞こえない。
気分が悪い。
自分の四肢の感覚が無くなっていく
自分という存在の輪郭が消えていく。
声がでない。動くことも出来ない。
息も出来ない。でも不思議と苦しくなかった。
...何かを感じる。
何も感じられないこの空間で、唯一感じる何か。
私の体は動けないはずなのにそこに向かっていく。
たどり着いた頃、私の回りに星のような輝きが沢山あるのがわかった。
そして、懐かしい匂いも感じた。
暖かくて優しくて、落ち着くあの匂い。
...祐司?
すぐにわかった。
...ずっと待っててくれたんだね。
声が出ない。でも念じるだけで不思議と祐司に伝わっているのがわかる。
祐司に抱き締められている気がする。
ああ、暖かい。
暖かくて、優しい。
...ほら、一緒にいこう?
そんな声が聞こえた気がした。
...うん。
私は静かにそれを受け入れる。
私たちは、これからどこに行くのだろう。
わからなくても別にいい。
私は祐司がいればそれでいい。
私は祐司の体に抱き締められる感覚を感じながら、
...祐司。これからもずっと...
そして私の願いを口にした。
「これからもずっと、一緒だよ?」
祐司が、静かにうなずいた気がした。
本当の終わり
いっつも思うけど、めちゃくちゃ神作品!
IAちゃんと裕司が末永く幸せになって欲しい…!
私は、そもそも文章力が無いから小説を書けることが凄いと思う(尊敬の眼差し)
空莉
2022/08/13 19:43:19 違反報告 リンク
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