【小説】遠足編総集。この世で一人の俺と君。総集編3

神の風をふかしにきたぜ! 小説 #この世に一人の俺と君
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...遠足。
小中高の最高学年以外に一貫して行われる行事である。
その行事の行先は近くの公園だったり、遠くの歴史ある観光スポットだったり。はたまた遊園地に行くことだってあるそうだ。
だが、遊園地に行ける確率なんて夢のまた夢。
ほとんどが山か観光名所である。
そして、そんな地獄の行事は刻一刻と迫ってきている。
そんな中遠足の分け組が発表された...が。
「...は?」
俺はそのプリントを目にして目を丸くした。
本来は男&男と女&女で組まれる予定なのだが、
何故か俺は男&女...しかもさとりとのペアである。
「...んで、なんで俺だけ女子とのペアなんですかね?」
俺は職員室にて担任に質問を投げかける。
「いや...ほら、お前古明地とだけは仲いいだろ?
そもそもこのクラスの男女の人数が同じ17人だからさ
おまえらよく二人でしゃべってたからうまい事組み分けを操作してやったんだよ」
「それ以外の誰かと俺を組ませたら絶対に何かやらかすと思ったんですね」
「まぁそれもあるな。お前、このクラスのほぼ全員から嫌われているし」
「...ハァ...面倒くさい」
「それが世の中だ。先生だって実際働くの面倒くさいしな」
「学校の教員がそれ言ってどうするんですか」
「お前は周りの奴と比べると一番心が成長している存在だからな。
おまえなら別にいいだろって思っただけだ」
「今の発言録音してて校内放送で流すって言ったらどうします?」
「お前はそんな人間じゃないって担任の先生知ってるからな」
「あはは...」
...この人は、結構まともな人だ。
担任と今日初めてしゃべって分かった。
こう...嫌悪感が一切わいてこない。
穏やかで...善と悪の区別がつく、そんな先生だった。
俺は先生に軽く礼をして俺は職員室を出た。


※ ※ ※ ※ ※


教室に戻るとそこにいたのはさとりだった。
「あ...お帰り」
「ああ。ちょっと先生と話してた」
「...そういう理由なのね」
「しれっと心読むのは心臓に悪いぞ...」
「逆に今の発言で心読まれたって察しが付く貴方のほうが怖いわよ...」
「...まぁでも、別にペアでも悪くはないだろ?」
「ええ。悪くはないわね。むしろ良かったって安心したわ」
「...確かにな」
さとりの言う通りかもしれない
もしさとりが別の奴と組んでいたら...何も介入してこない奴はまだしも、いじめっ子グループの一人だったら何をしでかすかわからない。
そういう意味では、むしろ良かったのだと思う。
一人考えていると、さとりが口を開き始めた
「...そういえば、行先と予定の書かれた紙、今追加で配られたわよ?」
「本当か?どれどれ...」
俺はそのプリントを覗き、予定地を見る。
場所は.........。
「...青柳遊園地........。」
どうやら俺は低い確率の方を今年引いたらしい。
修学旅行はともかく、来年の遠足は山か観光名所で確定したといってもいいだろう。
俺はそれを見て、そんなしょうもないことを考えていた_______





「でも...私遠足行きたくないのよね」
さとりがボソッと呟く。
「どうして?」
「こっちは高校の費用に税金にいろいろお金がないのよ...遠足の準備にお金なんてかけたくないわ」
「別にいいじゃんか。行こうよ?」
「どうしようかしら..荷物全部誰かが用意してくれるのなら別に問題なんてないのだけど...」
「...じゃあ俺が準備してやるか?」
「...は?」
彼女は虚を突かれたような顔をした。
「いいわよ...別に」
「その様子じゃ行ったことないんだろ。遊園地なんて」
「...まぁ...」
「なら行っておこうよ。最小限の荷物で学校がチケット代まで負担してくれるって言ってんだぞ?」
「そうだけど...あなたにまたいろいろ奢ってもらうのは...」
「別にいいって。気にすんな」
「...」
さとりは少し考えるしぐさを見せて、口を開く。
「...ありがとう。お言葉に甘えさせてもらうわ」
「それでよし。じゃ、帰りに買い出しでもするか」
「...そうね」
さとりが少し微笑んだ瞬間、予鈴が鳴った。


※ ※ ※ ※ ※


「えっと...何だかそこまで準備物多くないわね」
「場所が場所で完成しきってるからな。そんなものだろ」
俺とさとりは近くの繁華府外にて買い出しに来ていた。
といっても、学校に提示された最小限の物資だけだが。
「買い物..他の人と一緒にするのってなんだか不思議な気分ね」
「奇遇だな。同じことを思っていた」
「そう...」
俺たちはある程度の荷物を買った。そこまでお金はかからなかった。
夕暮れに染まり、昼が夜へと変わっていく瞬間の街を、二人で歩く。
少しづつ暗くなっていく街には、ほんのり暖かくて涼しい風が吹いていた。
「あ...そうだ」
俺は思い出したようにさとりに一つのご祝儀袋を渡す
「...なにこれ?」
「まぁ中を見てみろって」
「...え?これって...」
小さな袋の中には、千円札を三枚入れていた。
俺からのささやかなプレゼント。
「...もらって...いいのかしら?」
「おう。楽しむのにもお金が必要だしな。まぁ楽しむのにもお金がかかるのは本当に現代社会の闇だと思うんだが...」
「...でも...これくらいなら私も持ってるし...」
「きついんじゃなかったのか?」
「ゔっ...」
「もらっとけよ。貸しを作るわけじゃねぇし」
「...ありがとう」
「どういたしまして」
彼女は、微笑を浮かべた。
だがその微笑には、今までの何倍もの嬉しさが詰まっているような気がした。
ふと。前を向く。
茜色の夕日が、ほんのりと俺たちを照らしていた。




遠足当日。AM4時20分
集合場所の駅前に、俺は10分程度早く来ていた。
だがそこには同じ高校の制服の人間が屯していた。
きっと、同学年の人間だろう。
俺はそんななか一人で本を読んでいる少女に声をかける。
「おはよ」
「ええ...おはよう」
”第三の目”を持つ...古明地さとりである。
「よく眠れたか?」
「ええ....かなりね。でも...少し眠れなかったかしら?」
「どうして?」
「初めてってこともあって...すこし興奮していたのよ」
「そうか...さとりは新幹線も遊園地も初めてって話だもんな」
「ええ...」
そう、そとりは生まれてこの型、遊園地にも新幹線にも乗ったこともないし行ったこともないのである
”力”のせい...そう思うと、心底腹が立ってしまう。
力を持つだけでなぜそこまで差別的な行為を受けないといけないのか、みんなが当たり前のようにできていることを、なぜ制限されなければいけないのか。
でも...喚いたって仕方がない
今は目の前のものを...精一杯楽しめばいい。
「...まぁ、楽しもうよ。今日くらいは」
「ええ...」
そんな風に雑談をしていると、担任たちから号令がかかる。
俺たちは流されるように過程をこなし、新幹線へと乗り込んだ。
しかし遠足に新幹線を持ち出すとかかなり大規模ではないだろうか。
普通、公共の電車とかでもいい気もするが、こう思うとかなり学校としていい学校を選んだのかもしれない。
...そうそう。もちろんご察しの通り俺とさとりは隣の席である。
さとりは動いている新幹線から見える景色を目を輝かせてみていた。
「綺麗...素晴らしい景色ね...」
「かなり反応が初心...」
「仕方ないでしょう?初めてなのだから」
「そうだね...」
思わず苦笑を浮かべる。
さとりはそのあとも外の景色を見ていた。
...こうしてみると、さとりの反応がかわいくて面白い。
すごい...いいなと思ってしまった。


※ ※ ※ ※ ※


して、新幹線で二時間程度。遊園地に到着。
「ここが...遊園地...」
「新鮮な反応だなオイ」
俺とさとりはそんな言葉を交えていた。
先生からは昼まで自由行動。
昼になったら昼食を全員で取って再度自由行動、
夕方ごろに全員で集合してまた新幹線で帰る。という予定だった
「てことで、初めての遊園地おめでとうございます」
「あ、ありがとう...」
「...そんなに硬くなってても楽しめないぞ、リラックスだリラックス」
「だって...始めてくるところには...なんかなれなくて..それになんか...周りからの視線も...」
たしかに、周りからの視線が少し痛い。そんなに気にされていないようで、周りの人間はかなり俺たちの事を気にして...気味悪く思っていることだろう。
でも...それでも今日は、彼女にそんなことを気にせず楽しんでほしい。
「気にすんな、俺がいる。一度適当にどっか行ってみたら楽しくなるって。ほら、行こう?」
「...ええ...」
さとりを手招きし、俺は歩き出す。
さとりもそれについて来るように歩き始めた。
...ここから、さとりが子供のようにはしゃいで、恥ずかしいと思えるほどに楽しむのは別のお話..._______






...あれから、時間がたった。
お昼集合もこなし、飯を食べ、さとりといろんなところを回った。
...正直、疲れた。
さとりが試しにアトラクションに乗ってみればドハマりして、そのせいで俺が引っ張る側だったのがいつの間にか引っ張られる側になっていた。
帰りの新幹線の中で、俺はぐったりしているのに対し、さとりはまだまだ興奮状態だった。
初心故の化け物体力とはこの事を言ったのか。
「...狂夜」
「あ?どした?」
「...楽しかったわね!」
「...。...そうだな」
さとりは笑顔で俺に行ってくる。その笑顔のおかげで、疲れなんて全部吹っ飛んだ気がした。


※ ※ ※ ※ ※


そして、駅前。
周りはもうすっかり暗くなっていた。
春と夏の変わり目。そんな日の夜は生暖かい風が体にまとわりついて気持ち悪く、どこか心地よい。
先生たちの軽いお話を聞いて生徒たちは解散。
俺たちも帰路に就こうとしていた。
「...じゃ、帰るか」
そういい俺が前に進むと、
「...狂夜」
「...あ?」
さとりが後ろから俺の服の裾を少し引っ張っていた。
「...ありがとう。本当に」
「...今更過ぎないか?」
「...そうじゃないの。心から感謝してるの」
「...」
さとりは少し間を開けて、話し始める
「...私、実は死ぬつもりだったの。全部つらかったから。
高校に入ったら何か変わるかなって思ったけど...そんなことなくて、私はいつも通り他人のサンドバッグにでもされるのかしらと思っていたの。
正直、諦めてたわ。生きることも。幸せになろうとすることも。
でもあの日...あなたが私を助けてくれた。
あの日からあなたはずっと...私にとってのヒーローなの。
だから...だから」
さとりは俺の服の裾をつかむのをやめる。
それと同時に俺が振り向けば、さとりは、夜の蛍光灯に照らされ、明るい光をまとっていた。
そんな中彼女は頬を染めながら、俺に笑顔で言ってくる。
「ありがとう」
単純故に、心からの感謝が伝わるその一言。
俺の行動は間違っていなかったと、改めて再認識した。
自分の行動は小さくて、でも大きな一歩だったのだと。
俺は、思ったのだ。
このタイミングに言わずにどうする。そう思い俺も感謝を伝える。
「俺こそ、生きていてくれて、ありがとう」
「...どういたしまして」
俺たちは、笑った。
誰もいない静かな駅の、蛍光灯の光の下で。

神風はやと@ゆ茶劇制作中


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いいね逃げ常習犯の猫音やで〜!!
え、めっちゃ面白い!!!!
どうやったら書けんの?!?
頭の中を覗いて見たい、、、←やめろ
とりま、その語彙力を下さいな!
会話に入る時の違和感のなさよ!!!!
どこで手に入れた?!?!?
はやとにしか出来ないか、、、www


猫音サブ垢
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