【小説】[21:最初で最後の再開](東方二次創作)

神の風をふかしにきたぜ! #この世に一人の俺と君 小説
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最高ランク : 2 , 更新: 2022/09/16 7:59:28


...あの女を心底絶望させれればよかった。
そこに、方法なんて関係ない。
あの瞬間。最後の最後で考えたあの女を絶望させる方法。
それは、あの男を殺す事だった。
私は何人もの人を殺してきた。
今までは少年法とやらに守られているが、私はやり過ぎた。
もう、これ以上は見過ごしてもらえないだろう。
ましてや自分の手で人を殺すのだから。
でも、悔いはない。
私の幼馴染を殺した、クソみたいな力を持つ者には復讐できた。
いまはもう、これでいい。
薄れる意識の中、私は思う。
罪を償ったら、あいつのいる天国に行けるかな。


※ ※ ※ ※ ※


俺がいたのは、真っ白な空間だった。
何もない、虚無が続く空間。
俺は、そこに立っていた。
何をすればいいかなんて、わからない。
だが体は何かを求めるように、歩き始めた。
まるでその先に何かがあることを期待するように。
歩いて、歩いて、歩いて...
...そして、
「お前は...」
長い事歩いて、俺はある一人の見覚えのある男に出会った。
「遅かったね。兄さん」
そこにいたのは..裕也だった。
「お前...なんで...生きてるの...か?」
「...そんなことは今どうでもいいの。兄さん。一つ質問するよ」
「...なんだ?」
「兄さんは今。どこに行きたい?」
弟は、そう言ってきた。
俺はそれに言葉を返す。
「...何言ってるんだよ...俺はお前と一緒にいれればそれでいいよ。
それに...俺ずっとお前に謝りたかったんだ...
もっとお前のことを気にかけていれば、もっとお前のことを思っていれば。
お前を...死なさずに済んだかもしれないことを。
だから...俺はお前についていければそれで...」
「...兄さんストップ」
弟は俺を遮るように話し始めた。
「兄さんは...もう僕に縛られなくていいんだよ
兄さんには兄さんの幸せがある。兄さんには兄さんの未来がある。
僕は...もう兄さんに縛られてほしくないんだよ。
兄さんは...僕のことなんか考えず。兄さんの道を進んでほしいんだ」
「...俺の...道...」
俺は、弟に呆気に取られてしまった。
まるで長い長い説教を聞かされて、そのすべての一言に納得させられる気分。
俺はそんな中でも、思考だけは止めなかった。
俺の道。俺が進みたいと願う道。
それは...それは........
...きっと、もう理解しているのだ。
それを言葉にするのが怖いだけ。
守るだとか愛してるだとか、そんな単純な言葉で俺の伝えたい思いが伝わるのかどうか。
でも...そんなの伝えるまでわからない。
なら、伝えに行こうではないか。
彼女に、俺の思いを、
俺の進みたい道を、正々堂々進んでやろう。
俺は自分の胸に手を当てる。
決意は...もうした。
「じゃあ兄さん。もう一度聞くよ」
「...ああ」
裕也の一言に、俺は少し身構える。
緊張をほぐすために、深呼吸。
そして...落ち着かせる。自分の心を。
いつでもこいという雰囲気を俺が出していると、裕也は俺に言ってきた。
「兄さんは今。どこに行きたい?」
弟のその質問に...俺の答えはただ一つだった。
「...さとりさんの所!」

神風はやと@ゆ茶劇制作中


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えっ…エモイ!!

アゲハ🦋🌺@ペテ神(初心者)#最強雑食姫腐女子
2022/09/16 8:10:40 違反報告 リンク