【完結】Love bonbon

単発小説 ホワイトデー カタツムリ
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更新: 2018/05/31 7:20:57

時間軸的にも意味的にも遅刻です(ごめんなさい)

今回はちゃんとそらまふ。

イチャラブ全体的に糖度高めを目指しました。

ーーー

注意

・BL,nmmnの作品です。

・歌い手様のお名前をお借りしています。

・ご本人様とは一切関係ありません。

・以上理解してお読みください。

ーーーーーー
「じゃあ、はじめるぞー!」

おー!と追加の掛け声まで自分で告げて、
まふまふは上機嫌に鼻歌まで歌っていた。

「まふまふ、なに始めるつもりなの」

ご飯も洗い物も済ませて、
あとは寝るだけ、といつもより長風呂したら

入る前にはいなかった恋人が
当たり前のようにキッチンを使用していて、

おれは若干不信感を抱きつつまふまふに尋ねる。

たぶん合鍵使って入ったんだろうけど、
チャイムくらい押せよな、と思う。

「ふふん!見ててくださいそらるさん!」

「うん?」

お前がすごく楽しそうなのは今も見えてるけど。

今にもスキップしだしそうな勢いだ。

答えになっていない返答に眉を顰めても、
当人は知らんぷりで何処吹く風、

時々何か(多分スマホだろうけど)を触りながら、
ボウルやヘラ、計りなんか机に並べていた。

「今年はこの僕が直々にチョコレートを作りますからね!!」

機嫌よく笑顔でそう宣言される。

「うん?チョコレート···?」

チョコレートというと、
カカオから作る黒いあれのことか。

話が一向に掴めなくて頭の上に
ハテナを浮かべているだろう俺を無視して、

そう!チョコレート!とまふまふが繰り返した。

「さてはそらるさん、明日が何の日か覚えてませんね!」

あした、

考えてもわからなくて、
ドアの横にあるカレンダーを振り返る。

明日、は、3月14日、

「ああ、ホワイトデー。」

「正解!!そらるさん、やっぱり忘れてた!」

ひどい!愛がない!と唇を尖らせて、
まふまふは怒ったふりをする。

別に本当に怒ってるわけじゃなく、
すこし拗ねているだけなのは声音ですぐわかった。

ご機嫌取りをするように
拗ねたくちびるにキスを落としたら、

可愛い恋人は
仕方ないなーとでも言うように笑みを浮かべる。

「締め切りのことで頭いっぱいだったんだよ。
で、なんでとつぜん手作り?」

例年のごとく買えばいいじゃん、

と付け加えると、分かってないなー、
と呆れたように言われて今度はこちらがムッとする。

悪かったな分かってなくて。

でもお前の思考回路は
わりと突拍子もないんだから仕方ないだろ。

「今年はバレンタインも作ったでしょ?
だからホワイトデーも頑張ろうと思って!」

「へぇ、それで?何作るつもりなの」

「それは明日まで秘密です!
ほら、そらるさん行った行った!」

ぐいぐい背中を押されて、
リビングのソファーまで追いやられる。

恋人の扱いが雑じゃない?

というか見られたくないならなぜここで始めるんだ。

「そらるさんは大人しくしててください!」

ソファーに沈んだおれを満足気にみて、
まふまふはそう告げた。

機嫌はすでに治ったらしい。

「まぁ、いいけど···火傷とか気をつけろよ」

「分かってますー!」

今度こそスキップしながらキッチンに戻って、
スーパーの袋の中から材料らしきものを取り出していた。

それをぼんやり眺めながら、
かわいいなぁとそんなことを考える。

色んな色に染めていて少し傷んだ髪は、
ちょっともったいないな、と思う。

俺みたいにくせ毛じゃないから、
きっとさらさらして綺麗だろうに。

それでも、明るい色はまふまふに似合うから、
染めていても全然いい。

涙ぶくろの目立つキラキラのぱっちりした目に、
調った鼻筋、唇はすこし薄くて、柔らかくて、

想像がやましい方にいきそうになって
ちがうちがう、と頭を振る。

俺よりはずっと健康的に見える肌や、
高くて可愛い声、表情もコロコロ変わって、

隣にいても飽きない。

俺とは対照的で正反対で、
でも俺とは違うまふまふのその全てが、

可愛くて愛おしかった。

んー、これだと過去形に聞こえるな、
訂正、すべてが愛おしい。

俺が見つめていることに気付いたのか、
まふまふはきょとんとした顔で俺を見た。

あざとい。でもかわいい。

「あ、まふまふ、」

「え、うわ!?」

手から蜂蜜の瓶が滑り落ちそうになっていて
こえをかけると、

まふまふは慌てて
ギリギリのところでキャッチした。

「あ、あぶなかった···」

二人とも同じタイミングで息をついて、
気をつけろよ、と声をかける。

蜂蜜なんか落とされたら片付けが面倒そうだし、

それに、もし瓶が割れたりして
まふまふが怪我したらそれこそ大変だ。

これ、本当に1人でやらせて大丈夫かな。

じいっとまふまふの手つきをみていても、
すごくたどたどしくて不安が募るばかりだ。

チョコレートを湯煎で溶かそうとして
危うくお湯のボウルをひっくり返しそうになって、

まふまふはうぅっ、と呻き声をあげた。

「そ、そらるさん、」

捨てられた仔犬みたいな、縋るような目だ。

「あの、やっぱり、一緒に作りませんか···」

すでに心折れそうになっているらしい。

いじめたくなって、首をかしげてみる。

まふまふはすぐに折れた。

「あの、手伝って···ください···」

手が足りない、と嘆く彼を見て、
仕方ないな、と苦笑した。



「キャラメルの作り方、

鍋に牛乳、はちみつ、グラニュー糖をいれます、
グラニュー糖とかある?」

まふまふがやろうとしていた湯煎は後回しにして、
先に冷やす必要のあるキャラメルを作ることにする。

「はいはーい···っと、これ···?」

白い細かい顆粒の入った袋を見せて、
まふまふが首を傾げた。

「それは砂糖、グラニュー糖は
黄色のロゴだったとおもうけど。」

「えぇー、砂糖じゃだめ?」

「···だから料理出来ないイメージがつくんだよな。」

「え、ひどい、」

軽口をたたきながら、まふまふはちゃんと
グラニュー糖を見つけてドヤ顔で渡してきた。

それを完全に無視して鍋に材料を入れていく。

「俺があっためとくから。
ほかの材料用意しといて。」

了解!と敬礼をびしっと決めて、
まふまふは冷蔵庫の中を漁り出す。

材料をかかえたまふに計りを渡すと、
真剣に電子パネルとにらめっこを始めた。

音楽をやる時とか違う、
子供がやるような一生懸命な真剣さだ。

真面目なのにあどけないその表情がかわいくて、
ついつい見入ってしまう。

ぐつぐつと沸騰した音が聞こえてきて、
慌ててヘラで鍋の中身をかき混ぜる。

「はい、まふまふ、材料投入」

「はーい!とうにゅー!」

弱火に変えてヘラを避ければ、
言葉とは裏腹に跳ねないように、と

慎重にバターと生クリームが入れられた。

あとは煮詰めて水分を飛ばして、
固くしていくだけだ。

「ちょっと時間かかると思うけど、
まふまふどうする?」

座っててもいいけど、

という意味でそう告げると、
まふまふは不満そうに、今度は頬をふくらませた。

フグみたいなそれが面白くてつんつんつつくと、
ジト目のままそっぽを向かれる。

「というか、そもそも僕がやり始めたのに、
ぜんぜんやらせてくれない!」

「だって危なっかしいんだよ。
だから俺にSOSだしたんだろ?」

「でもー!!」

どうやら納得いかないらしい。

子供みたいに感情をさらけ出すまふまふは珍しいから、
このまま意地悪していたい気もする。

でもたぶんこれ以上やると拗ねるから、
仕方ないな、と大人しく引き下がってヘラを渡した。

こういうのは加減が大事なのだ。

嫁さんって怒ると怖いから。

自分で考えておきながら、
まふまふが嫁、というのがピンと来なくて苦笑する。

1人で笑いだした俺を怪訝そうにみながら、
まふまふはくるくる鍋を混ぜている。

「うわ、なんかあわあわしてる、」

「それでいいんだよ、」

だんだん煮詰まってとろりとしてきたから、
焦がさないように俺と交代した。

興味津々というふうに鍋をのぞき込んでは、
何か変化がある度におおっ!と声を上げて、

ぜんぜん飽きる様子はなさそうだ。

せっかくならこのまま見せてやりたいけど、
それでは作業が進まないので指示を出す。

「んんー?タッパーないですよー??」

「ないことは無いだろ、
そっちじゃなくて左のほう、」

「あ、あった、」

タッパーにクッキングシートを引いてもらって、
どろり、というくらいに固くなったキャラメルを流し込んだ。

「向こうの机に置いといて。」

「?冷やすなら冷蔵庫が早いんじゃ···?」

「熱いまま入れると電気代かかるし
他のが悪くなりやすくなるだろ。

冬なんだからすぐ冷えるよ。
はい、火傷しないよう気をつけろよ。」

俺の回答に、初耳!と感心したように告げて、
それ以上反論もなくタッパーを置いてくる。

どこかで蓄えた知恵をそのまま流しただけなのに。

素直なのはまふまふの魅力の一つだと思う。

ふと時計を見ると、
初めてから1時間近くたっていて驚いた。

感覚的には30分ないつもりだったのに。

「冷やすあいだに湯煎しよう。」

「はーい!」

鍋に水を入れて、沸騰するまであたためる。

「お湯ってなんで沸騰するんですっけ?」

ぼうっと気泡が沸いてくる鍋を見つめて、
ふとまふまふがそう呟く。

「水が気体になるからじゃなかった?」

「へー、そらるさんよく知ってますねぇ」

「小学校で習わなかったっけ?」

「普通もう忘れてますって」

常に使ってる訳でもないし、

とそんな会話をしていれば、
お湯なんてすぐに沸く。

まふまふがボウルをそのまま置こうとするので
慌てて気をつけろよ、と声をかける。

案の定お湯は少し多かったらしく、
溢れて鍋がじゅう、と音を立てる。

「火傷してない?大丈夫?」

「大丈夫ですよー、お湯少し捨てます?」

その問に頷いて、
鍋を受け取りお湯をシンクにながす。

ぶわっと広がる湯気に、
まふまふが楽しそうな声を上げた。

「はい、次は気をつけろよ、
もう大丈夫だとおもうけど。」

言葉のとおり、もうお湯は溢れなかった。

火力を下げて、ボウルに砕いたチョコを入れる。

スプーンで混ぜてもらいながら、
おれは流し込む型をさがす。

「まふまふ型とかどうするの?」

「あ、忘れてた」

「えぇ···そんなんあったかな···」

本人しっかりしろよ、と思いながらも、
ズボンを履くのを忘れるようなやつにそれは無理か、

と勝手に納得する。

いまのまふまふが聞いたらめちゃくちゃ怒りそうだ。

ラッキーなことに、なんに使ったのか、
奥に押しやられた型を見つけてそれを引っ張り出す。

袋に入ってたから、使ったというか
使うつもりで忘れてたという所だろう。

チョコレートはどんどん柔くなって、
すぐにソース状になった。

じいっと見つめながらそれを混ぜる
まふまふに火を止めるよう声をかけて、

キャラメルをナイフで切り分ける。

まだ少し柔らかいけど、まぁいっか。
どうせ冷やすんだし、

型にチョコレートを入れるのは任せて、
キャラメルをその中に埋めていく。

「まふまふ、口開けて、」

「ん、···んー、あまい、おいしい」

キャラメルを1口味見されると、
口角を上げて幸せそうにそう告げる。

ほんとに美味しそうに食べるよなぁ。

そうか、こういうことしてるから
時間をくうんだよな。納得。

チョコレートを使い切ったから、
ひとまずこれで冷やすことにする。

キャラメルは残ったけど、
こいつに食わせたりすればどうにかなるだろう。

チョコレートがついたのか、
まふまふはシンクで手を洗っていた。

気付いてないみたいだけど、
髪の毛にまでついていて何やってるんだと苦笑する。

「まふまふ、風呂はいってきた?」

「え、まだです、実は起きたのも2時間前とかで···」

「じゃあシャワーだけでも浴びておいで。
髪にチョコついてる。」

「え、うそ。」

ほんと、と指をさして教えてやると、
そこを触ってまた手にチョコレートをつけて、

思い切り顔を顰めた。

「ぅ、なんでこんなところに、」

そんなの俺が聞きたいよ。

いってきまーす、とお風呂場までかけて行くまふまふを笑いながら見送る。

「おれはどうしようかなー、」

チョコレートは温度も下がっていたので
型を皿に乗せて冷蔵庫に入れる。

洗い物を済ませるか、と思って行動したが、
それもすぐに終わってしまった。

ひまだなぁ、とソファーに沈んだら、
いよいよやることがなくなった。

適当にテレビを付けてみても、
特に面白そうな番組はやってなくて、

結局スマホをいじり出す。

適当にTLを見ながら、友人達の
関係や興味のあるツイートに返信していく。

自分をタグ付けされた投稿を確認したりとか、
そんなことをしている時にふと、

画像付きのツイートが目に止まった。

普段ならそのまま流してしまうけど、
文に興味をひかれて画像を開く。

「へぇ···」

思いっきり嬉しさや悪戯心を隠そうともしない声がでた。

まふまふが聞いたら、何企んでるの、と
訝しげな目を向けてくること間違いなし。

「お風呂あがりましたー!」

すごいタイミングでまふまふが上がって来て、
ちょっとちょっと、と手招きする。

「ねえまふまふ」

きょとんとした顔がかわいい。

「これ、知ってた?」


先ほど俺が見つけた画像を見せると、
まふまふはギョっと目を開いて

つぎに顔を赤くしていく。

耳まで綺麗に染まったところで、
まふまふは肩にかけていたタオルを頭から被ってしまう。

俺が見せたのは、
ホワイトデーに関する画像だった。

ホワイトデーのお返しと、その意味、
っていう画像と説明を並べた一覧の画像だ。

チョコレート自体に意味はないけれど、
キャラメルは「一緒にいて安心する」

反応を見るに、
まふまふはこれを知っていたらしい。

「まふまふさーん?」

「ぅぅ、ばか、なんで見ちゃうの···」

怒られた。

だいぶ理不尽にクレームを付けられても、
あまりにかわいいから反論も出来ない。

おもむろに立ち上がると、
まふまふは持ってきたんだろうリュックの中から

高そうなパッケージの箱を取り出してくる。

「ほんとは後でふわっと伝えるつもりだったのに···

ちょっとはやいけど、開けてみてください」

スマホを置いて箱を受け取ると、
大きさの割には重くない。

結ばれたリボンを丁寧に解く。

蓋を開けると、中には小分けに袋に入れられた、
色とりどりの、ころんとかわいいもの。

「···マカロン、です、ほんとはこれだけ渡すつもりで、
でもやっぱり手作りしたいなって···

意味は、もう知ってるでしょ···」

うん、さっき見たから、分かってるよ。
わかってるんだけど···

「まふの口から、聞きたい。」

まふまふが弱いと知っている声で強請るあたり、
自分も大概いい性格をしていると思う。

同じことを思ったのか、思い切り睨まれるけど、
正直顔が赤くて全然怖くない。

「···あなたは、そらるさんは、特別な人···」

言ってすぐに腕をばってんにして、
まふまふは顔を隠してしまう。

可愛いのに、なんで隠すかなぁ。

「まーふ、」

返事はない。反応もない。

「まふまふ?」

「···もおおおばかああああっ」

「うぉっ、」

恥ずかしさがキャパオーバーしたらしく、
まふまふは思いっきり叫んだ。

いくら防音とはいえ、その高い声で叫んだら
さすがに聞こえるのでは?と言う声量だ。

面白くてくすくす笑っていると、
ぽかぽか音が出そうなしぐさで叩かれる。

「ごめんって、用意したわけじゃないんだけど、
これあげるから、許して、」

ころん、とまふまふはの手のひらの上には
りんご味の飴玉がひとつ。

打ち合わせの時貰ったやつだけど、
結局食べずに残していてしまっていて、

ずっと机に置かれていたものだ。

「···分かってやってるでしょ···」

「もちろん。」

お前が好きだよ。

耳もとで囁いて、そのまま唇を重ねる。

「もう···ばか···」

本日何回目かの罵声を笑いながら聞いて、
チョコレート食べようか、と

キッチンまで移動する。


出来上がったのは、愛の詰まったチョコレート。

カタツムリ


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2018/03/11 4:29:56 カタツムリ

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