映画の感想メモ

映画
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⤴︎今回の代償の絵

テーマは恋です
色んなレイヤー使ってみるのたのc


・告発
法学の授業で見た
1995年公開 アメリカ

アルカトラズという離島にかつて存在していた刑務所を巡る法廷映画。
脱獄を試みたヘンリー・ヤングという囚人は、本来は19日までしか許されないはずの地下の独房に3年間も監禁され、運動が許されるのは年に30分、光さえ差さないという劣悪な環境で、時には副所長に拷問されながら半死半生の日々を送っていた。
3年が経ちようやく独房から解放されたヤングは、脱獄の際に自分を裏切った他の囚人の喉をフォークで切り裂いて殺害してしまう。彼はこのまま第一級殺人で死刑となるはずだったが、ヤングの担当弁護士のジェームズ・スタンフィルは、彼が凶行に走った原因を刑務所側の非人道的な扱いにあるとして、刑務所を告発する。

途中でヤングがスタンフィルに対して言った「お前と俺とは何が違うんだ?」という台詞にこの映画の全てが集約されているような気がする。
誰だって、いつ犯罪を犯してしまうかは分からない。
映画の中では、ヤングは貧困のあまり5ドルを盗んだ罪で投獄されている。映画を見ている自分も必ずしもそうならないとは言いきれない。今は絶対にやらないとしても、絶望的な貧困に陥ったら短絡的な行動をとってしまうかもしれない。家族の財布から金を盗むくらいならば犯罪にはならないかもしれない(スタンフィルは実際にそうだった)が、ヤングの場合はそうではなかった。常に絶対の正義の側に立てる人などいない。
だからこそ、囚人の人権を軽視し、その精神を壊し、社会復帰を不可能にしてしまうようなアルカトラズ刑務所のやり方は許してはならないのだと思う。
よく凶悪犯罪者に対しては拷問や私刑を望むような声を身近なところでも耳にするが、それを許した果てがこの映画の中で描かれるような人権侵害になり、やがては自分の身にも害を及ぼすことになっていくのだと思う。たとえ絶対に許せないことだとしても、一線を引かなければならないことはある。それを改めて教えてくれる作品だった。

実話だと書かれていたので実際の事件について調べてみたが、ヤングの経歴についてはかなり同情しやすいように脚色されているようだった。裁判についての記録は隠滅されており、映画制作陣も集めるのに苦労したそうだ。
アメリカ合衆国刑務所局のアルカトラズについてのページには、映画中に描かれた非人道的な扱いは全て脚色・捏造であると書かれている。本当のことかどうかは分からない(嘘だとしたらかなり厚顔無恥じゃないか……)ものの、映画のこういった演出についても、見たものをそのまま受け入れて感動するばかりではなく、いったん立ち止まって冷静に考えてみるべきだと思った。


・セプテンバー11
歴史の授業で見た
2002年公開
イラン、エジプト、フランス、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルキナファソ、イギリス、メキシコ、イスラエル、インド、アメリカ、日本(順番間違ってるかも!)の11カ国の監督が911をテーマに作った約11分の短編がオムニバス形式で流される作品

911のアメリカ同時多発テロ事件について、一つの事件についても場所、民族、宗教などによって多様な受け止め方や捉え方があることがよく分かるオムニバスだった。
エジプトの作品で言われていた「アメリカもイスラエルも民主主義国家だから、一般市民にも政治の責任があるとテロリストは考えている(だから市民を巻き込んだテロを行うんだ)」という考え方はこれまで思いもよらなかったことだった。自分の国益のことばかり考えるような国ばかりでは暴力の連鎖は止まらないし、アメリカの傲慢さがこの結果を招いた面も複数の作品で指摘されている。そんな中で「こんな時だからこそデモをしなきゃ」と、暴力以外で世の中を動かそうとする女性と戦災被害者の男性を取り上げたボスニア・ヘルツェゴビナの作品は響いた。
個人的には、イランとブルキナファソの子供に注目した作品が特に印象に残った。
イランの子供たちにとって遠い国のビルが破壊されたことは現実的ではないし、黙祷よりも身近な人が亡くなることやお喋りの方が大事だ。しかしそのお喋りの内容はどこか事件について的を射ている。神様や古い人間についての話は、同じ人間を差別や偏見によって排除する人間の愚かさを象徴しているような感じがした。
ブルキナファソという国のことは恥ずかしながら知らなかったものの、映像や台詞からフランス領だったことがあるアフリカの国家なのかなという認識で見ていた。全体的に皮肉っぽい感じだったし、無邪気とはいえその辺の似ているだけの人を首謀者と決めつけるのはどうかと思ったが、少年たちの友人を思い計画に協力する様子は友情物語として美しかった。大人が大金を得たってろくな使い方をしないというのは本当にそうだと思う。

提出したのは上の文だけ、ここから補足:
大国で起こった事件は波紋のように各国に影響を及ぼすものだと思うが、その影響がどのようなものかは場所次第で変わっていく。
その日暮らしに必死なブルキナファソの少年は事件を踏み台にして恵まれない子供たちを豊かにすることを第一に考えていた。彼らにとってはアメリカの事件より身内の病気や学校に行けない子供たちの方が重大だ。私はその国のことを知らないまま生きてきた(言い方は悪いが、優先順位が低かった)が、ずっとお互いに暮らしが存在していた。うまく言葉にできないがなんだか不思議な事だと思った。
1975年の9月11日、チリの共産主義政権をアメリカの「正義」が介入して倒したことを巡る痛ましい思い出を、イギリスに亡命したチリ人の男性が語る形式のイギリスの作品……どちらの911も「忘れてはならない」ものなんだと思う。
唯一のノンフィクションのインドの作品、イスラム教徒というだけでテロリストといういわれもない偏見に晒され、しかし救助ボランティアに参加していた事実が判明し掌を返されるアメリカ在住パキスタン出身の青年……この偏見がなくならない限りは暴力も決してなくならないだろう。
日本はWW2を通して聖戦の是非を描いていた。少し拡大解釈しすぎというか趣旨とずれている気はしたが、神や国を掲げて戦った結果どこかで人間性を失ってしまったという点では一連の事件と通じる所もあるのかなあとも思った。
それぞれにとって重大なことは違うし、そこに優劣はつけられない。たとえ自分の視界で捉えられないことでも。


おしまいです!!!!
今夜は父親たちの星条旗を見ます!!!


(追記)見たので感想を付け足しておきます!!!!

父親たちの星条旗を見ました。
前線での戦闘自体がむやみに人の命を失わせてしまうような酷いものとして描かれており、直視に耐えなかったのはもちろんだが、前線から帰った後も「英雄」として祭り上げられた主人公たちが、上官や国に無神経な扱いをされ後遺症に苦しむ様も辛かった。
戦争に勝利しても浮かれているのは戦争に行っていない人ばかりで、兵士たちは一生消えない傷を抱えて生きていくことに理不尽さを感じた。
今のウクライナ問題のように戦争は半ば不可抗力のようにして起こってしまうこともあるので、戦争でトラウマを抱えた兵士たちのケアをどうするべきかというのは慎重に考えていくべきことだと思う。この映画のようにプロパガンダのために国中引っ張り回すのは少なくともよくないだろう。
個人的にはインディアン(と劇中では呼ばれていたけど、ネイティブ・アメリカンという呼び方の方が適切か)の兵士のアイラの描き方も気になった。他(主に白人)の皆と同じようにアメリカ軍人として命懸けで戦ったことは変わりないのに、出自だけで上官から差別を受けるのはおかしなことだ。国内に元々ある差別問題に対する監督の問題意識のようなものが伝わってきた。
硫黄島の2部作が気になっていたので選びましたが、時間が無く1本しか見られなさそうだったので、日本人の自分とは立場が異なる戦勝国の視点の方の映画を今回は見てみました。父親たちの星条旗自体は日本軍の人間性のような描写が乏しかった気がしたので、硫黄島からの手紙も今度見てみようと思います。




おわり

モズク


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