*二人の代わりに

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最高ランク : 1 , 更新： 2022/09/23 23:09:12

※注意！
・思い付きで書いたPART3
・マジで駄文
・矛盾点疑問点ありすぎ
・地理さんエセ関西弁。
一応関西の血入ってるけど
本場には幼い頃しか住んでないんでちょっと(())
↪以上OK!って方のみお読め～(日本語)

「ちょっとお待ちなさい！もう帰りませんこと！？」

ひっそりとした外国の森、
その中央で息切れしながらも大きな声が響く。

「まだや、まだやで地学クン！この先に、この先に求めたユートピアがあるはずや！！」
「あったらとっくに人間が見つけてますわよ！ここにはありませんわ！っていうかもう普通にバス通ってますしツアーありますわよガイドつきで！何故そこを選ばなかったのです？！」
「地学クン…冒険はワクワクがあってこそなんや！ワクワクがなきゃ冒険は続かんで！」
「続けてるのは冒険でなく旅ですわよ！ふざけるなですわ!!!」

地学と呼ばれた女性が声を張り上げながら講義するも、
目の前に居る女性は歩みを止めない。

「ちょっと地理！聞いてますの！？」
「おー聞いとる聞いとる。バナナはおやつに入るか入らへんかやろ？」
「全然聞いてないですわこの馬鹿！返答ないと思ったら前半しか聞いてませんのね！」
「そんな怒らんたってよ、悲しくなるわ～」
「怒りますわよふざけるなですわーーー！」

「あぁ…疲れた体に美味しいですわ」
「ん、これなら今日のジャングルで採r「ちょっと黙りなさい」も～当たり厳しいわぁ」
「もとはといえばあなたのせいですわよ地理！」

地理のフリーダムさに振り回されジャングルを徘徊すること約5時間。
ようやく宿に戻り食事をとることが出来た。

「大体、あなた方“社会”は個性が強すぎですのよ！長男は長男で何もしてないのに突然体から血出たり吐いたりするしあなたはあなたで自由すぎますの！」
「いや～、そない褒められると照れてまう～」
「褒めてませんわ！なんなのですユートピアって！そんなのに振り回さないで下さいまし！」

食事中も言いたかったことをギャンギャン言いまくる。
人の話をあまり聞かない、冒険にしか興味がない。
何故自分はほぼ地理と一心同体なる地学として生まれてしまったのか…。

「ユートピアはきっとええところやで～、見つけなかったら損やって」
「だからそんなところがあったらとっくに人間が見つけてますわよ！それに、三女は三女で常識人かと思ったら突然興奮気味に平和談義し始めて突然倒れて突然高熱を…！」
「それは知恵熱って言ったって～」

ズバズバと向けるツッコミや愚痴や疑問点を
ケラケラと地理は笑いながら受け止めていく。

「そない言われてもなぁ～ウチら"社会"はそういう風に生まれてん、だから……」
「だから？」
「フリーダムに生きるしかないっちゅーことやな！」

ﾆｺｰｯとまばゆい笑顔になれば、「ふざけるなですわ！」「いてっ」と
地学からスプーンを投げつけられ地理の頭に当たり弾ける。

「ん～、でもな、ウチの行動にはちゃんと意味があるんやで？」
「支離滅裂でよく行動と言動があってないあなたのどこに意味があるというんですの…」

投げつけ弾け床に落ちたスプーンを拾いながら
呆れ気味に地学は呟く。

「兄ちゃんも公民もな、背負うもんがデカイねん」
「それは…確かにそうですけど」
「兄ちゃんは兄ちゃんで長年ずーっと辛い思いをしてる。忘れたくても忘れられへんし、兄ちゃんの身体が忘れることを許してくれへん。公民は公民で、教科の中でも一番年下、しかもウチと兄ちゃんの可愛い可愛い妹や。せやけどその若さですでに大きなものを背負っとる。"平和"ってな、すごく重いねん。重いくせにふわっとすぐに消えてしまうほど儚い。こりゃ、管理大変やわ～」

手に持ったスプーンで「ふわわ～」と消えてく様子を再現しながら、
地理は話を続ける。

「そしてウチや。ウチだけは、三人の中で唯一背負うもんが軽い。地形が変われど体に影響は出ーへんし、司り背負うものがない。地学クンやってそれはわかるやろ？」

スプーンを向けられ、地学は静かに頷く。
確かに自分達は、司るもの、背負うものがない。
歴史も公民も人の感情、信条というとても重い物を背負い生きていく。

自分の兄姉である三人もそうだ。
物理は人の力や物の力を司り、
それにより消えて行く命を見なければならない。
生物学だって、命が消えて行く様を見届け続けなければならないし、
化学も、自分から生まれた兵器によって世界が滅びていくのを
黙って見届けるしかない。

それに比べて、地形に変化があれど何ら影響がなく、
人などの生命に左右されない自分達。
何という軽さだろう。

「せやから、二人の分まで楽しまないとアカン。兄妹に押し付けてまで、せっかく軽く生まれて来たんや、二人の代わりに楽しまなきゃ逆にバチが当たるっちゅーねん。せやろ？」
「…まぁ、せっかく軽く生まれて来たって分には……」
「うんうん、だから楽しまな！そんでな、そのついでにユートピアを見つけるねん。ユートピアってな、誰も見つけられなかった理想郷なんよ。今もまだ見つかってへんねん。だからいつか見つけて、そんで…」
「それで？」

地学がずい、と地理へ身を乗り出すと、
地理はニカッと笑った。

「自分の家族が楽に暮らせて、心に何の曇りもなく笑いあえる世界をつくんねん！そしてそれが理想郷、ユートピアや！」
「ふーん…そう、そうなんですの……。」

ぱああ、と教科の中で二番目に年上だというのに
年甲斐もなくはしゃぐ地理を目の前に、少しだけ頬が緩む。

きっと明日も振り回されるのだろうけど、
彼女の言う事はごもっともなのだ。

「明日は」
「ん？」
「明日はどこに行くんですの？」

そう聞けば、地理は興奮気味に言った。

「ユートピアと言えばな、言い出したのはイギリスっちゅーお国の人やんねん！だから英語に何かヒントないか聞きにいくために…」
「ために？」

「海を泳ぐ！」
「ふざけるなですわ」