Holic

ヘタリア 中毒 頼まれ
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最高ランク : 15 , 更新: 2015/04/12 8:40:44

~回想~

『いつから紅茶を飲んでますか?』

『確か…三世紀前から。』

『どれくらいの頻度で?』

『朝に目覚めの一杯。朝食後にも一杯。昼の間に二三杯。夕方に一杯。夜に一杯。…ぐらいです。』

『なんとなくわかってましたけど……はぁ……わかりました。』

『もしかして不味い…状況ですか?』

『えぇ。貴方は。カフェイン中毒です。』

『はぁ…。どうやったら治りますか?』

『これを治すなら…そうですね治さないとなので…貴方には酷かも知れないのでなるべくは言いたくありませんでしたが…紅茶を禁止します。』

『え?……えぇえぇえぇっ!』

~回想終わり~


「ふ…あははははっ!」

私は、アーサーの上司からアーサーがカリカリしているからどうにかしてくれと言われてアーサーの元に向かった。
そして、アーサーのカリカリしている理由を聞いてみれば…。

「笑い事じゃねぇんだよ!」

アーサーは、書類を書いていた手を止め私を睨む。
それでも私は、笑いを堪えられなかった。

「ごめんなさい…でもあまりにもあまりにもね…ふはっ!」

アーサーによると長年続けてきた事だから急に止めると麻 薬のようにパニックを起こしたりするらしい。
それと、意識がぶっ飛んだり。

「はぁ…あー紅茶飲みてぇ…でも飲んだら体に悪いし…少しぐらいなら…。」

「駄目よ。」

「だよなぁ……。」

机の上で指をイライラしてるのかずっとトントン、トントン叩きながらこちらを見ている。
私は、ソファから立ち上がってアーサーの前に立つ。

「まぁまぁ、あまりイライラしていたら体に悪いわよ?」

「お前にわかるか?好きな紅茶を禁止された苦しみが。」

「あら私、コーラ派なのよ。」

「ったく…可愛いげがねぇ奴。ちょっとは、俺を気遣おうとか思わねぇのかよ。」

私は、テーブルの上のコーラを取ってぐいっと飲む。

「例えば?」

「俺が紅茶を禁止するなら私もコーラ禁止する…とか。」

「嫌よ。それに私、貴方みたいに頻繁に飲んでるわけじゃないわ。ちゃんと考えて飲んでるもの。」

「んだと…?頭きたお前の飲み物なんか俺が飲み干してやる!」

「あ、ちょっと!」

アーサーは、私の手に持ったコーラを奪うとごくごくとあっという間に飲み干してしまった。
アーサーは、ぷはぁと空になったごみを私に渡して何故かどや顔してきた。

「どうだちょっとは、反省したか?」

私は、はぁとため息をつく。
そんな私を見てアーサーは、不思議そうにした。

「馬鹿ねぇ…貴方。」

「はぁ?」

「コーラにだって…カフェインがはいってるのよ?それを一気飲みして…。」

「え…。」

「アーサー!?」

アーサーは、ショックが強すぎたのかばったーんと倒れてしまった。
私は、そんなアーサーを見てまたため息をついた。

~十分後~


「ん…。」

「起きた?アーサー。」

あの後私は、アーサーをソファまで引きずって膝枕をするかたちで寝かせた。
私の膝の上ですやすや寝ているアーサーを見ているとマーカーで落書きしたくなる。

「あ…あぁ。そうだ俺……お前のコーラ一気飲みして…。やっちまった…。」

起き上がるとアーサーは、私の隣で頭を抱えた。

「本当に…やっちゃったわね。」

「そんなん飲むぐらいなら…紅茶飲みたかった…。畜生…。」

ひぐっとかふぐっとかなんかアーサーからすすり泣きの声がする。

「大丈夫?」

私は、アーサーの背中をさすった。
アーサーは、頭をあげてこちらを見る。
涙を流しながら弱々しく私を叩き始めた。

「うわぁぁぁっ!畜生!お前のせいだぁぁぁっ!」

(これが…パニックかしらね…。)

「はいはい。仕方ない人ねぇ…。」

すると時計が鳴り響いた。
見ると、午後の始まりを告げている。
それと同時にアーサーのぽかぽかが止まった。

「……だ。」

「どうしたのアーサー?」

「紅茶の時間だ…!早く飲まなきゃ…。今は…キャンディだ…。」

アーサーは、立ち上がると紅茶専用の棚に近付いて手を伸ばした。
私も立ち上がってアーサーの前に立つ。
アーサーは、ぎろっと私を睨み付けた。

「どけ…。」

「嫌。」

「どけって言ってるだろ!!」

今度は思いっきり殴ってきた。
けど、私でも止められる。
右手がひりひりしているけれど気にしていられない。

「アーサー。」

私は、アーサーの顔を左手で持ち上げる。
そしてそのまま、キスをした。
深く優しく中をかき混ぜる。
口を離すと銀色の糸がのびた。
アーサーの顔が、とろんとした良い顔になった。

「目、覚めた?」

「う…ん。」

私は、アーサーの頭を撫でる。
アーサーは、私の胸にぱたっと倒れてきた。

「座ってて。」

アーサーの手を取ってソファに座らせる。
キスしたら驚くほどに大人しくなった。
私は、紅茶棚から葉やらなにやら取り出してキッチンに向かう。

「めんどうくさいわ。クリームは多めかしら?ああ、もう。」

私は、ティーカップに紅茶を淹れてアーサーの元に戻った。
アーサーは、変わらずぼーっとしている。
紅茶を差し出す、アーサーは紅茶を見ると迷わず手に取った。
そして、一口…また一口飲んだ。

「クリーム多すぎだ…。ちゃんと待たなかったろ、葉がたってる。紅茶を舐めんなよ……。」

「うるさいわ。」

私は、紅茶を奪うと口にふくんでアーサーに口移した。
空になったティーカップをテーブルの上に置く。

「あら、にしては美味しそうに飲んだわね?ねぇ、アーサー。」

アーサーの顔は、それはもう可愛かった。


~翌日~


『へぇ~。』

「だからフランシスなら彼をどう押さえつけたら良いか知ってると思って電話したの。」

『悪いけどわからないな~。ま、大丈夫でしょ。あいつ前もモル ヒネ中毒だったし。』

「あら、初耳。」

『あいつ昔っから中毒になりやすいからね…だから気を付けなよ?次は…君に─』

ぶつっと、電話が切れた。

「アーサー?」

電話を切ったのはアーサーだった。
アーサーは、私に抱きついた。

「紅茶の時間だ。」





「電話切れちゃった…あー言いそびれちゃったなぁ…───」


───〇〇〇ちゃん中毒になるかもって

紫乃


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リクエストとか募集してみようかな。

紫乃
2015/04/13 1:31:10 違反報告 リンク


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Eternal
2015/04/11 7:34:56 紫乃 9 7

わかってはいた。 いつか、こんな日がくるのを。 俺は、国であいつは人間だ。 ...



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