みんなに読んでほしい努力作

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Best : 1 , Updated： Apr 22, 2025, 7:10:09 PM

※めちゃくちゃに薔薇です
※キャラ崩壊
※学パロ

「おはよう、雨明」
「………はよ、恵比寿。」

朝、安倍と書かれた表札の家の扉から出てきたのは、安倍雨明。
僕の友達で、そして………好きな人。

言葉からは読み取れないが、雨明が嬉しそうにしているのは顔を見て分かる。

(隠し切れてないんだよなぁ…
ほんと、可愛い………)

と、僕がそんなことを考えていると、
とてとてと小さな足音が家の奥から聞こえてきた

「あめーーーーっ！！おべんと忘れとるやねんですよーっ！」
「おおっ！！ありがとなぁ晴ぅう～～！！！！」

安倍はるあき。
雨明の弟だ。
雨明はこの子をひどく溺愛しているようで、いつも話題はこのはるあきとやらばっかり。

「……はぁ、」

「じゃ、いってらっしゃいですあめ！」
「おぉ！晴も気を付けて学校行くんやで！！」

そうして、僕らは家を出た。

「…相変わらず元気そうだね、はるあきくん。」
「そーやろ～！！晴は可愛いんや！」

自慢そうな顔をする雨明はとても可愛らしいけれど。

「………………妬いちゃうなぁ」

ボソッとそう呟く。

「ん、何か言ったか？」
「いや、何でもないよ」
「ってか、お前にも弟いるやろ？えっと～…、み「みーくんだよ」

思わず口を挟んでしまった。

「ああ、そやった！晴と仲えぇもんな～羨ましい」
「君は毎日同じ家で暮らしてるでしょ」
「うんや、家での晴だけじゃなく、学校での晴も見たいんよ」
「へぇ、そうなんだ」
「オイちゃんと話聞いてへんやろ」

彼はこんな風に、暇さえあれば「はるあき」の話をしている。
雨明と一緒に登校するのはいいが、

「あそうだ、今日は中間テストが返ってくる日だったっけ。」

はるあきには一ミリも興味がないので、僕は無理矢理話題を変えた。

「…………そういやそうやったな。」
「そんな顔しなくても大丈夫でしょう。君はいつも点数悪い訳じゃないんだし。」

「それはそうやけど！、
せいにぃは全部完璧やったのに、俺は……」

僕は知っている。
雨明が優秀な兄と自分を比べられて、劣等感を抱いていることを。
あまりにも優秀な「せいめい」の弟だからと大きな期待をされて、その期待に応えられない自分がどうしようもなく嫌いなことを。
この間も、暗い顔をして空き教室から出ていく彼を見たのだ。

「そんなに気負わなくても、君は君なんだから。
わざわざ兄と同じようになる必要はないでしょ？」

「僕はありのままの君が好きなんだから。」

そう言って僕は微笑んだ。

「恵比寿…………、

お前、たまに良い奴やな。」
「は？いつでも優しいでしょ」
「それはない。」
「もしかして馬鹿にしてる？」
「そうかもな」

(あぁ、
やっぱり、伝わらなかったか。)

こんな他愛のない日々がいつまでも続けばいいなと思った。
いつまでも親友のままがいいと思った。