深夜にこそっと小説投稿…

ワシ宅の子、白雪君の過去話です
イメログの企画の子なんで
設定とか読んでから読む方がお勧めです…！

設定はこちら。↓

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注意
・流血表現、シリアス含みます

【小説】雪椿の双子

Prologue

「ねぇ、白雪。ずっと…ずっと一緒だよ?」

「勿論。ずーっと一緒にいようね椿木。」


＿＿＿＿約束だよ。

＃1

「お前なんて生まれなければよかったのに。」

「その顔を見せないで頂戴。汚らわしい。
　うちの一族から不吉な子供が生まれるなんて…」

昔から両親は俺を牢に入れて育てた。
いや、育ててすらいないだろう。
1日1度の食事。布団すらない。
ずっと1人ぼっちだった。

「…こんな見た目、大嫌いだ…」

だけどそんな俺にも心の支えはあった。

「白雪!お前また痩せたんじゃないか?」
「大丈夫。そんな事ないよ、椿木。」

双子の兄の椿木。
俺が牢にいるとき家族の目を盗んでいつも遊びに来てくれる。

椿木がいたから良かったものの、一人だったら恐らく死んでいた。
明るくて優しくて自分とは違う。それでも椿木が大好きだった。

「ねぇ、白雪。僕が跡継ぎになったら絶対にそこから出してあげる。
　そしたらずーっと一緒にいてね?」
「うん、勿論。これからもずっと一緒だよ。」

そんな些細な約束をした。
守られることのない約束をした。

兄をこの数日後自分の手で殺してしまう事も知らずに＿＿＿＿＿＿＿＿

・

白雪のお兄さんの設定。

【名前】彩国椿木(さいこく つばき)
【年齢】享年12歳
【性格】明るく他人の事を思いやれる人物だった。
　　　　白雪に死ぬ間際、何かを言い残す。

【容姿】白雪にそっくり。目が少し釣り目気味。
　　　　金髪碧眼。

＃2

その日は突然訪れた。
珍しく父さんと母さんが俺のところに出向いた。
ニコニコと気持ちの悪い笑みを浮かべながら。

「白雪、お前は椿木の事が好きならなんだってできるよな？」
「よかったわね白雪。やっと人の役に立てるわよ。」

俺は父さんと母さんがやっと俺を見てくれた事が嬉しくて
言われるがままついて行った。

「…え？」

連れていかれた先は燃える小屋の前。
状況が理解できず後ずさったとき、父さんが囁いた。

「お前は私達と椿木のために死んでくれ。」

「父さん…?」

何を言っているのかわからず聞き返そうとしたとき、
俺は自分自身の親に燃え盛る小屋の中へ突き飛ばされた。

「嫌だ！助けて！ここから出して！」

叫んでも叫んでも誰も来ることはなくて

そのうち意識が薄れてきた。




「ずーっと一緒にいてね?」

椿木とした約束が蘇る。
まだ…死にたくない…！

そう思った瞬間、プツンと意識は途切れた。

＃3

あれ…?なんでまだ手の感覚があるんだろう?
死んだら何も感じないはずなのに…?
恐る恐る目を開ける。
嗚呼、まだ死んでない…
そう思って安心したのもつかの間。
目の前に広がっていたのは＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「椿木…?」

血の海だった。

父さんも母さんも俺が殺されかけた時何もしなかった親戚たちも

皆、冷たくなって倒れていた。

その中には＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


最愛の兄の姿もあった。

「ねぇ、椿木…嫌だよ…死なないで…」
「白雪…逃げ、て…このまま、だと白雪まで死んじゃう…」

なんで…なんで俺達ばかりがこんな目に合うのか。
神様は意地悪だ。

「…白雪…僕、誰かを守れる人に、なりたかったんだ…
　だから、僕の夢…白雪が代わりに、叶え、てくれる…?」

兄の最期の願い。
これを断れるわけがなかった。

「…うん。解った…絶対に叶えるから…」
「ありがとう…白雪…ずっとずっと大好きだよ…」

この言葉を最後に椿木は息絶えた。



あの日から数100年。
今、二十二ノ不滅となった俺に出来る事は仲間を守ること。
もう、誰も死なせないこと…

「…椿木、今見えてる…?お前の夢ちゃんと叶えられてるかな…?」

兄の形見である羽織を眺めてそう呟く。
誰も答えてくれるはずなんてないのに…

それでも…命が消える日まで、仲間を守り抜く。
それが俺の使命。

＿＿＿＿＿＿＿椿木との約束を果たすために。


終。

・

あはは…文才ねぇな…
誰かぁ…才能分けてぇ…！