H&Lたんぺーん２

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最高ランク : 98 , 更新： 2017/08/23 17:52:31

『助けてくれるのは…』

車に乗せられた後兎に角降りようと車のドアのぶを引っ張ったり、暴れたりを繰り返すけど押さえつけられて一切効かなかった。
等の平井は電話している。

「手に入ったぜ。さっさと持って帰る。」

もしかして、狙いは俺…？
そんな馬鹿な。こいつらは女を…。

「おい、傷つけないように縛れ。傷付けたら許さねぇぞ」

「どういうつもりだ、平井。」

ｷｯと睨み付けるとﾆｨｯと笑って窓の外を見た。

「くっ、止めろ、離せ！」

腕の自由が聞く間に抜け出さなければろくなことがないのは当然だろう。
足や腹を蹴って抵抗するけど車のドアが開く様子は無い。

「じっとしてろよ子猫ちゃん、」

「しまっ…！」

平井に腕を後ろに縛られてしまった。でもなんか不思議だ。

…何故服の上から？こういうときは大体直にする筈なのに。

そして布が口の中に入ってくる。その上から平井の手で口を防がれた。

声が出せない…！

「っし、着いたぞ。大人しく降りろ。」

「んっ、んっ…！」

強制的に車から下ろされて入っていくのは広い倉庫のような場所。

「おい、こいつでもいいだろ。実験体にするのは。」

実験体！？何の。

俺の周りには黒い服の男共が集まった。
平井は俺の口から手を離し、中の布を抜いた。

「ふざけんな！何の実験体だ。」

「ああ、こいつは良い。傷無いし顔も声も性格もスタイルも抜群だ。おまけにRUDE、身体能力も桁外れだ。条件最高、高いぞ」

ﾆﾔﾆﾔ笑う前の奴を動く足で蹴飛ばす。

「てめぇ！」

キレたそいつは俺を殴ろうとするも平井が殴り返した。

「大事な商品。傷付けんじゃねぇ。」

商品…そうか、俺を売るつもりなのか！

「最近の女は金にならねぇ、こいつの方がよっぽど高く売れる。おい、さっさと取引交渉始めんぞ。」

ふざけんな、売られてたまるか。

とりあえず平井の腕の中から抜け出そうともがくが。全然抜けられない。

「くっそ…！」

「暴れんなって、もうすぐお前は貧乏暮らしから抜けられるんだから感謝しろよ」

「ふざけんな！俺は無名街がいいんだよ！余計なお世話だ！」

「よし、取引場所、決まったぞ、つれてけ」

「来い、」

「やっ、離せクソが！」

もう、終わりか…。

心の中で諦めたその瞬間、聞き慣れた声が聞こえた。

「待てよ、」

「誰だっ！」

声がする方を見たらそこには茶髪になったバーニーの姿。

「バーニー…？」

「ﾁｯ、マイティーかよ、」

バーニー1人じゃない。マイティー総出だった。襲いかかってゆく黒い集団がどんどんけちらされてゆく。

「タケシ、無事か？」

いつの間にか前にはバーニーの姿。

「バーニ、んっ、」

平井が俺を押さえつけて首元にナイフが突きつけられる。

「大事な商品そう簡単に渡さねぇよ？」

「悪いけどそいつ売れねぇぜ？俺の飼い猫だからなっ！」

俊敏な動き、かつ正確に平井のナイフを吹っ飛ばして俺を平井から離して自分の方へ寄せ、平井のナイフで俺の腕の縄を切った。

「一緒に車まで走るぞ。ちゃんとついてこいよ！」

「はっ？うわっ！？」

バーニーに腕を引っ張られた。
戦場を颯爽と駆け抜ける俺達はまるで映画のワンシーンの様だなと思ったりもした。

「はぁ、無事でよかったぜ。」

車まで戻ってきた俺達は車内で息を切らしていた。

「でも、なんでここが分かったんだよ、」

「あぁ、さっき無名街いなかったし赤髪がタケシがダウトに誘拐されたって騒いでたしGPS使ってここを探し当てたって訳、」

「GPS？」

「あぁ、もしもの時の為にな付けといたんだよ。」

バーニーは俺のコートを少し捲る。すると襟の裏に何か小さな物が付いていた。

「これがGPS、遠く離れてても位置が分かんの、」

スマホを取り出してアプリを起動した。そこには確かにここと思われる場所がﾁｶﾁｶしていた。

なるほどこれのおかげか。

「でも不幸中の幸いはタケシを商品として見ていたことだな。」

「どういうことだ。」

「商品だから傷１つ無いけどこれが働き手とかだったらただじゃ済まなかった筈だ。」

確かにそうかもしれない。

「お、アイス達帰ってきた。よし、帰るか。」

「ちょっと待って、」

「ん？」

振り向いたバーニーの唇に一瞬だけ触れる。

「さっきのお礼。まだだっただろ？ありがとう。」

「……後で覚悟してろよ？」

「ちょっと、それいやなんだけど！？無名街で下ろせよ！？」

「拒否権なーしっ！」

「ちょっとー！！」

かっこいいのにちょっと強引な俺の王子様です。