銀魂 今井信女の小説書いてみた(読み切り)

銀魂 今井信女 夢小説読み切り
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最高ランク : 111 , 更新: 2017/03/30 5:14:07

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人斬りの日常(洛陽決戦篇裏話)



銀時たちが快援隊の戦艦に乗り、洛陽へ向かった頃………


バシュッ

カキンッ

ドッ

カチン…



「ふぅ…」

信女は最後の獲物を仕留め終えると、軽く息をついた。


人気のない路地裏には所々に鮮血が飛び散っており、彼女の人形のような白い頬にもその色は染まっている。

彼女の仕留めた獲物・幕府の残党共は指名手配されていた銀時たちの動きに勘づき、ひそかに動き始めていた。

信女はその動きを少しでも止めるべく、残党を見つけてはワザと怪しげな行動をとりこの路地裏までおびき寄せ、一人残らず刈り取った。


「…とりあえずある程度は切り捨てた。あとどれくらい残ってるのかしら」


と、独り言(ご)ちて
信女は誰もいないはずの路地裏の影に背を向けたまま声をかけた。



「…貴方はどう思う?幕府の大名様」




「………何故分かった」


薄暗い影に少し人の顔の輪郭が浮かび上がる。
信女は振り返らず淡々と答える。


「いちいち問わなくても分かるでしょう?貴方も気づいているはず。

その武者震いが止まない汗ばんだ手と、刀の震え、緊張してる息遣い…。

そして何より…………




そのダダ漏れの殺気を向けられたら…」


「…ッ!?」


彼女がそう告げた瞬間、男は勢いよく喉を鳴らした。
それくらい図星なのであろう、男は表情をさらにしかめさせる。



「貴方たちの部下を殺した後の私を狙うということは…、

…こちらの動きを読まれているのかしら?それとも単なる仲間の仇討ち?」

「き、貴様の思惑など知ったことか!!私は私の義務を全うするのみ!!」

「…まさか、まだ貴方たちはあの裸の将軍を信じているの?」


信女は冷ややかな目で振り向くと、男は固まり冷や汗を流した。
振り向いた反動で彼女が最後に斬ったであろう残党の血がポタポタと彼女の刀から流れ落ちた。


「あの将軍は…、喜喜公は今地球にいないわ」

「そんな事は分かっている!喜喜様は他(た)の星にいる天導衆と手を打つためにお自ら宇宙へ旅立たれたのだ!もう時期援軍が来よう、貴様らはもう終わりだ!!」


男は最後まで言い捨てると高らかに笑い出した。
相当自分らのあるじを信じている、いや信じ込んでいるのだろう男は笑い止まない。

彼ら…幕府もそう信じ込んでいるのだ。
だからいつまでも喜喜の帰りを待ち続ける。だからこんな動きを起こす。

それだけまだあの将軍に仕えていることに誇りがあるのだろう。
"幕府にあだなす大罪人"という帆をこちらに立たせ、無関係な民にも将軍を崇めることを絶対とさせ、なお将軍のお膝元で高らかに笑い続ける…………。


とても哀れであった。



「…哀れね」

「な…っ」」」」」」


彼女がポソッと呟いたのと男の胸から紅々とした血が噴き出すのは同時であった。


バタッ



やがてそこは寂しげで闇夜の月光だけが死神と屍を照らす唯一の場所となった。



彼女は静かに血濡れた刀を鞘におさめた。




チン…

プリン絵師


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ん。
勉強と別のサイトの企画で


プリン絵師
2017/03/31 2:41:48 違反報告 リンク