×磯貝悠馬 東京喰種:re×暗殺教室 ワンシーン

クロスオーバー 暗殺教室 東京喰種:re
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最高ランク : 74 , 更新: 2016/06/30 7:34:28

こんにちはo(^-^)o


今回は、大石ちゃん編入シーンを書こうと思います。


学級委員に任せる気満々でございます(*'▽'*)


今回は磯貝くんですが、次はメグちゃんにターンを回すつもりです。男子代表、磯貝悠馬! 女子代表、片岡メグ!


っていうかなんなんでしょうね、あの席順。
なぜカルマの両サイドが空いてるんですか。
そこに入れるしかなくなっちゃうじゃないですか笑


すみません、色々な前振りをしているので今回はとても長いです。




第一印象は、石像。のちに磯貝はこう語る。


少し前に、ロシアからの新しい先生が仲間入りしたばかりだというのに、また新しい生徒が入ってくるという噂が、この木造校舎に響いていた。
それが事実だと実感させられたのは、朝、床の木目とまったく同じ机が増えていることに気づいた時である。


「なにー? オレの隣じゃん」
「お前の隣しか空いてないんだよ」


来て早々案の定増えている机に目を向けたカルマに、磯貝は今の内にさしておくべきだと釘を打つ。


「初対面で喧嘩売るなんてことすんなよ?」


お前、そういうのに運んでいくのは早いからな。

「しないよ。そういうのは、ちゃんと相手を理解してから」


ーーやる気はあるのか。


ぶれないカルマに、自席で小さく溜め息をついた。


転校生というものは、いつになっても楽しみなものである。ちょうど窓から見える晴れ渡った青の中、じゃれ合うように飛び回る鳥たちのように、喜びを全身で表しながら大空を自由に飛び回りたい。


しかし、今はその気持ちさえも遠くまで飛んでいって見えなくなっていった。
理由は簡単なことである。転校生がどんなやつか知りたくて知りたくてうずうずしているコイツが、心配で仕方がないからだ。


間延びした声と、風に揺れる赤い髪。
一見、渚たちと普通に転校生の話で盛り上がっているようだが、絶対に内では「扱いやすそうなヤツだったらいいな」などと考えているだろう。


いや、そうに違いない。
にっと口元に三日月を浮かべた彼は、魔女のように悪い笑顔をしている。


どんなに空を自由に飛んでいても、コイツの頭上を飛んだら最期、焼き鳥になるだろうな。
風で揺れる赤い髪を見ながら、磯貝はぞわりと鳥肌を立てた。


始業のベルは今日も鳴る。しかし今日はいささか違って聞こえた。
横開きの戸が、歓声のように騒がしく、声を上げて開かれた。


一応、いつも通り銃を構える。そんな必要はないとわかっていても、もはや染み付いたそれは習慣でやらないと気持ち悪いくらいだ。


中に入ってきたのは、見慣れた黒スーツの男。E組の副担任である烏丸だった。


「今日は銃はいい。みんな察しているとは思うが、転入生がいる」


彼のあとを追うように、見事なブロンドの髪を揺らしながらイリーナが教室へ足を踏み入れる。
つい先日E組の仲間入りになった彼女であるが、生徒たちと打ち解けたおかげか、まるで今年度が始まった時からずっといるような空気を纏っていた。


そして黄色い触手を今日もうねらせる超生物、殺せんせー。
教師として、生徒が増えることが嬉しいのだろう。甘い物を食べているときのような、幸せそうな笑顔だ。


そして触手の後ろに隠れるように、クセのある黒い髪が顔を覗かせている。
顔こそはまだ見えないが、転入生なのは明白だった。


烏丸が真新しい白のチョークで、新しい生徒の名前を書いていった。


「大石歌廉さんだ」


角張った、彼らしい堅い文字がそこにある。
磯貝はそれを確認すると、殺せんせーの後ろに隠れる黒髪を見る。


名前からして、女子か。


あとの問題は一般人か否か。そのくらいである。
だが、殺せんせーという暗殺対象がいる時点で、一般の転入生をこのE組に入れることなんて普通はありえない。


それは、イリーナの一件でみんなが考えていることである。磯貝は、教室の空気と彼女を見る探るような目で、考えていることは一様だと確信していた。


「大石さん、自己紹介です」


触手で彼女を前へ出す殺せんせー。
抵抗するのでは、と磯貝は一瞬考えたが、あっさりと前へ出たことに目を丸くする。


ーーしかし、それは違うとすぐに気づくことになる。
彼女の足が、動いていなかったからだ。


緊張してしまっているのか、微動だにしない歌廉。表情筋さえも硬直してしまっているようで、まばたきひとつもしていなかった。


ここまでくると、石像だーー。
磯貝は心の中でメガホンを叩きながら彼女を待つ。
辺りを見渡すと、渚も、茅野も、カルマも、莉桜もーーみんながみんな呆れることなく、彼女を暖かい目で見守っていた。


彼は、E組のこういうところが大好きなのだ。
そして、クラスの雰囲気の土台をつくってくれた先生達が大好きなのだ。


ーーだから、心配しなくていいよ。こわがらないで。


磯貝はそっと微笑みかける。
偶然にもかかわらずその瞬間歌廉と目があった。


彼女は目を丸くしたと思うと、自信なさげに俯く。
ミケランジェロも真っ青なハイクオリティの石像は、しっかりと息を吹き返した。


開けられている窓の外の世界から、鳥たちの歌声が聞こえてきた。あといっぽ。あといっぽ。


太陽が、教室内に布団のように暖かく、やわらかい光を敷いた。


ふわりとかけられたそれから飛んできたのは、ホコリや塵などではない。
少し裏返った、か細い声だった。


「お、大石、歌廉で、す」


彼女の勇気に祝福するかのように木々は葉を揺らし、風はその声を彼らに届ける。


「たっ……食べ物のアレルギーが、おお、い、ので……」


えっと、その、とどもる彼女に、イリーナが手を差し伸べた。


「歌廉は食物アレルギーが多いの。だから、無闇に食べ物をあげるんじゃないわよ」


まるで野良猫に餌をやるなと言っているよう。だが、その簡潔な説明のおかげで、絵の具を白い紙の上に一滴垂らすように、脳に濃く色付いた。


殺せんせーは、その長い触手で空いた席を指した。「あれが大石さんの席です」


早く引っ込みたいと思ったのだろう。足早に教卓を横切る。
しかしそのすぐ。磯貝の右手側を通り過ぎようとしたとき、彼女は足を止めた。


クセのある黒髪をふわりと揺らして、上質な墨でも流れているような丸い瞳で彼を見た。


少し姿勢を下げて、座っている彼と同じくらいに目を置く。
真っ直ぐと交わる視線。彼女の子犬のようにつぶらな目が、太陽が敷いた光に照らされていた。


「あり、が、と」


たどたどしい言葉を残して自席へ逃げた歌廉。
先ほどまでの彼女のように硬直する彼の隣から、岡野が驚きと冷ややかさを秘めた視線を向けてくる。


いや、岡野だけではない。四方八方から飛んでくる。視線に口でもあったなら、きっとみんなは同じ歌を歌うだろう。まさに四面楚歌である。


小鳥の愛らしい歌が聞こえてくる。
新しい芽を出したチューリップを、祝う歌だ。


そしてそれは、これからの生活の始まりを告げる歌でもあった。







See you again!

三弦


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つながりたい
2016/11/30 7:23:58 三弦 5

ずっと今まで音沙汰なかったくせに何の話だ。というのは隅っこに置いておいてくだ...


久々だ!暑いね!……ほんとまじでごめんなさい。
2016/08/21 5:00:47 三弦

久し振りに顔をだしました。三弦です。 しばらくこれなくて申し訳ないです。...


×片岡メグ 東京喰種:re×暗殺教室 ワンシーン
2016/07/02 7:15:50 三弦 1

こんにちは。暑いですね。お身体、崩されてはいませんか? 今回はメグちゃん...



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