【実話】たまに寂しくなるんです。

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最高ランク : 64 , 更新： 2015/01/02 9:28:56

お母さん、もしくはお父さんがいない人…最悪、両親がいない人は、たくさんいるでしょう。

私にはお父さんがいません。

私が生まれてすぐ、交通事故で亡くなりました。顔は覚えていません。

私は、保育園に通い始めるまでずーっと疑問に思っていたことがありました。

「なんでお母さんとたまにしか会えないの？」
それは、稼ぎ手が足りないから。

「なんで私はおじいちゃんとおばあちゃんと弟と一緒に暮らしてるの？」
それは、おじいちゃんとおばあちゃんが両親の代わりだから。

「他の子達にいるお父さんが、どうして私にはいないの？」
それは、もうこの世にはいないから。

幼かった私は、友達ができて『お父さん』という存在を初めて知りました。

でも、私は『お父さん』がどういう存在かわからない。

だから、お母さんの苦労がわからなくて…たまに家に帰ってくるお母さんに「明日は来れないのー？」と無理を言ってばかりでした。

そしてそれは、弟も同じでした。

弟は私より2歳下で、美形だったため友達関係に恵まれていました。

でも、小学校に入るまで「お父さんどこ？」という状態でした。

友達がお父さんと遊んでるのが羨ましかったのでしょう。

弟が『お父さん』を探す度、私は「私達にはお父さんいないの！」と教えていました。

すると弟は「なんで？」と言うので、私には説明の仕方がわからず、毎回困っていました。

お母さんも、他人に『お父さん』のことを指摘されると「お父さん？なにそれ？」と言っていました。

少しだけ苦しかったです。

…そんな私も、今は中学一年生です。

今まで通り暮らしていますが、お母さんが少々過保護になりました。

「友達は選べ」「外出はお母さんがいないとダメ」「毎日ケータイを持ちなさい」。

少し怖いので、そのことを友達に相談したところ「お父さんがいないから余計に過保護になったんだよ」とのこと。

『お父さん』がいないことに傷つかない私は、すぐにそれに納得しました。

ある日私は考えました。

私にとっての『お父さん』は、もしかしたらおじいちゃんなのでは？と。

いや…そうしたらおばあちゃんはどうなる？

でも、お母さんはお母さん。おじいちゃんはおじいちゃん。おばあちゃんはおばあちゃんだから、それは深く考えませんでした。

最近、たまに思うんです。

私の弟は、私をことごとく拒絶する、嘘つき、生意気、暴力的なひどい弟です。もし『お父さん』がいたら弟はどういう風に育っていたのでしょうか？

私はホラーが苦手で、ビビリで、すぐになんでも溜め込んで、暗くて、頭が悪い…もし『お父さん』がいたら、私は少しは悪いところが減っていたでしょうか？

お母さんと毎日一緒にいられるでしょうか？

おじいちゃんに笑顔は増えたでしょうか？

おばあちゃんの足は悪くならなかったでしょうか？

たまに、『お父さんがいたら』のことを考えてしまうんです。

『お父さん』がいない人なんてたくさんいるでしょう。

でも、私のようにたまに寂しさを感じる人もいるのではないでしょうか？