見事な緋色、緋色、濁った空に、鮮やかな
試作品最高ランク : 26 , 更新: 2019/12/24 0:56:41
南についたのは深夜だった。
光が光として輝いていたあの頃のような、シンと静まり返る夜だった。ひときわ大きな丸い光は、それはそれは冷たい色をして浮いている。数本の筋、流れ星が南の空へと落ちていった。
あの時の光のように。
しかし地面に雪はなく、パキリと砕けて溶けてしまう。まっすぐの線が何本も暗い空を横切って、ひときわ明るい南に落ちていった。
これが繁盛。これが良い国。
これが、あの旅人の言っていた、良い国。
暗く冷たい夜空を背景に、赤く輝く時計塔が一つ。その周辺には煙がふわふわと広がって、時折何かきらりとしたものを舞いあげている。近寄ると沢山の旅人がいた。どれもこれもあちこちに走り回り、判別できないほどの大きな声で何かを言っている。鳥はこれを良いこととして覚えた。
大きな塔を舐める業火。
小さな家々を飲み込む黒煙。
祭りよりも騒がしく、大火災から逃げる人々。
良いことだと覚えた大きな鳥は、冷たく静かな空から降りて、酷く温かい時計塔で羽を休める。羽は色を吸収し、淡く、赤く、緋色になるまでに成長した。鳥はそれを良いこととして、さらに広めてあげようと舞い上がる。
少し離れた丘の上に、旅人の集団が見えたのだ。
彼らの近くには小さな炎しか灯っておらず、それは良いことではないと思った。だから鳥はこの炎を分けてあげようと、大きな翼で黒煙に濁った空を舞う。近寄ってみればあの国と同じように、人がいて、物があって、馬がいて、荷物があった。簡単な建物も数個あったのだ。
だから鳥は、ここが彼らの国だろうと思った。
国が何かはよく分からないが、燃え盛るあの国を小さく小さくしたようなところなのだから、これも国で違いないはずである。だから鳥は緋色の翼で馬を撫で、旅人を撫で、物を撫で、荷物を撫でた。それを何回か繰り返せば、小さな国も良い国になる。
旅人が大きな声で元気に何かを言いながら、元気に走り回る良い国だ。
さらに鳥はとあることに気が付いた。大きな国の奥側にも、似たような寂しい場所があると。時計塔のような立派な作りをした建物には、小さな国と同じように小さな炎しかついていない。旅人も静かして動かず、馬は壁側に並んでいる。
だからおすそ分けをした。
■鳥…勘違い、種の違い
火災は良いこと
次回メモ:潰えた国の生存権
文章強化中。正規品支部投稿。
基礎:scp緋色の鳥よ
追加:七羽の小鳥、生存権
poidf(ポイドフ)
2019/12/24 0:56:51 違反報告 リンク
🐣
poidf(ポイドフ)
2019/12/24 2:20:22 違反報告 リンク
コメントをするにはログインが必要です : ログイン
アラバスタ戦況図 初期段階
2020/05/06 20:50:46 poidf(ポイドフ)
あかしげやなげ
2019/12/09 6:06:20 poidf(ポイドフ) 1 2
光が落ちた。 朝日が丁度顔を出したその時に、消えゆく夜に触れるが如く光が落...
雑談 把握会 イラスト トレス ともぼ 初投稿 自己紹介 御初 零に帰す夜 荒らし
- ログイン
- 投稿ランキング
-
1.
枠取りこれであってる~?と拡散 by.愛華@りせとぺあ画ちゅ。
2024/05/07 7:56:01 -
2.
僕の住んでる市の市議会議委員さんは、結構優しい27歳。 by.Rion@相方:蒼音
2024/05/07 8:24:12 -
3.
𝟎𝟒┊︎𝗧 𝗮 𝗹 𝗸 by.⸝⸝⸝
2024/05/07 8:53:12 -
4.
今後について new by.消音消零@ありがとうございました
2024/05/07 17:26:35 -
5.
【イラスト投稿で気を付けた方が良いこと】 by.A2A2
2024/05/07 10:46:38 - もっとみる
- ユーザランキング
-
1.
♔
1133 Point -
2.
消音消零@ありがとうございました
631 Point -
3.
菜彩@団子ちゃんと相方
592 Point - もっとみる