短編書いてみた。

彩音 短編 これぞ真の夢オチ
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最高ランク : 24 , 更新: 2016/02/08 5:19:09

【第13話】短編。


なんか衝動的に書きたくなったの。

ちょっと鬱めだけどそんなでもないよ。
だから、わんくっしょんはこの文だけでいいかな。

安定のセルジュさんのお話だよ。
でも、設定なんて知るかボゲェ(K山T雄風)って人でも楽しめるように書いたはずだよ。






はじまりはじまり。

タイトル : 違和感



…懐かしい、夢を見た。

俺は、若き日の戦場にいた。見れば、自分自身も若返っている__濃緑の軍服の裾を翻し、大旗を振り、純白の手袋をはめた人差し指は、まっすぐと国の未来、そして崩れ去るべき過去を指差していた。
「出撃‼︎」
声を張り詰め、思い切り空気を震わせる。その刹那、押さえつけられていたエネルギーの塊が、どっと溢れ出して国中を満たしていくのだ。士気ある兵士たちが駆け出していく。ぱぁん、と放たれる銃弾。

しかし、いきなりそのエネルギーは、霧のもやのように消えてしまった。
銃声、火薬のにおい、兵士たち。
一瞬にして、自身のそばにあったものが、まるでなかったものかのように、空間から姿を消してしまったのだ。
…それが、俺が「これは夢だ」と気付いた理由さ。



「何故、こんな夢を見る?」
自分自身に、そう問いかける。
もうこの戦争は終わったのだ。国の戦争は終結し、今はずっと平和が訪れているのだ。
それなのに、何故よりによって昔の戦乱の夢なぞを見るのだろう。


「__それは、セルジュさまが一番セルジュさまらしくご活躍なさっていた時期が……この時代だからでございましょう」
「……ハンス? ハンスなのか⁈」

俺の横に立つは、古き唯一無二の親友であり、俺より先にあの世へ旅立ってしまったはずの……ヴラディミール・ハンスであった。懐かしいバリトンボイスに、大人しく英智に満ちたその優しい笑顔。もう二度と見られないはずの、親友の姿。
その姿をまた己の目にうつし出せたのも、これは夢だから__だろう。

「ハンス……‼︎ 久しぶりだな」
「久しぶり? ……そうですね、お久しゅうございます。お待ちしておりました」
恭しく最敬礼をするハンス。
「おいおい、だからそれはやめろって言ったじゃないか。最終的な地位は、俺よりハンスの方が高いのだし」
「何回も申し上げている通り、セルジュさまは私の生涯の主でございました。…私が亡き今も、それは変わりません」
「……わかった、好きにしてくれ」

こういうところも、ハンスはずっと変わらない。最終的に彼が出世して俺よりもずっと高い地位の人間になっても、一回忠誠を誓った相手にはとことん付き合う…そうだ。
しかし、懐かしいこの雰囲気に俺はすごく嬉しさを覚えていた。

「…それでは、セルジュさま。到着早々申し訳ないのですが、早速晩餐会が始まりますゆえ、ご出席願います」
そう淡々と述べ、私の前をすたすたと案内するように歩き始める彼。
「ああ、晩餐会か…慌ただしいな」
俺はまだ何の違和感も感じぬまま、彼の後に続いていく。

晩餐会の会場は少し歩いたところにあった。何もない、ただただ広がる平原にどんと構えられた、超大型テント。
「……なんだよ、昔のレジスタンス軍作戦本部じゃないか」
そうだ、これこそ俺がまだ「レジスタンス軍総大将」という肩書きを持っていた時代の第二の家じゃないか。作戦の合間に酒を飲み、食事をとり、仲間と一緒に語りあった昔を思い出す。
「……今も昔も、ここは永遠にレジスタンス軍作戦本部ですよ」
不思議そうに答えるハンスに、少し俺自身も不思議さを覚えた。
今も昔も、永遠に?
__夢だからであろう。夢の世界では、永遠に、時は進まないのだから。
そう謎を片付けて、俺はテントの中に入った。

「総大将のお出ましでございますぞ!」
ハンスがきりりとした声をあげると同時に、湧き上がる歓声。
「よっ、セルジュ! ついにお前も俺らの仲間入りか!」
「将軍、ようこそお待ちしておりました」
俺に声をかけてくる奴らの顔を見て、うっ、とつい唸り声が出る。どいつもこいつも、戦闘で死んじまったり、殺されてしまったり……また、会いたいって思ってた奴らばかりであった。
あまりにもこの夢は、酷すぎる。なんて懐かしく、虚しく、終わってしまったら悲しくなってしまう夢なのだろう。
「…ほーらほら、将軍。お酒飲もうよ」
そう俺にグラスを促すのも、昔直属で俺の元で戦ってくれた__グレンだった。彼にも、俺は申し訳ないことをしてしまった。会えるものなら一回会って、詫びを述べたかった数多き相手の一人である。
「……グレン……」
「何故そんな微妙そうな顔をしてるんだい? 今日はあんたの歓迎会だよ、パーっと飲んじゃってよ」
俺の心中なんて分かりもしないのであろう彼の頰は、すでに赤っぽく染まっている。あいつ、お酒強くないのに、調子に乗って飲んでやがるんだな。



……ここで、とあることに気づいた。
この夢に、ひとり、自分の大切な仲間であり、ずっと出てきていない人物が1人いる。
「……グレン、テルーはどうした」
テルー・グラナーテ。
あいつもかなり優秀な人材だった。実戦でもよく動き、よく指示を聞き、実によく働いてくれた。そんな、レジスタンス軍とは切ってもきれぬ彼がいないのは、何故だろう。
「テルー?」不思議そうな表情を浮かべるグレン。
「あいつは、ここに来るのはまだ早いよ」
そう、意味の深そうな言葉を残し、そそくさと食事の置いてあるテーブルへと彼は向かっていった。

…かえって、謎は深まるばかり。





『さあ、皆様』
一体どういった夢なのか混乱する俺の頭に、拡張機を通したハンスの声が飛び込んでくる。
『本日付で、セルジュさまもついにこちら側へとやってきました。今宵はその歓迎会とさせていただきますぞ』




……その言葉に、はっとした。






これは、夢なんかじゃなかった。
現実なんだ。
若返った今の感じ、メンバー、ハンスの存在、そして一口飲んだ酒の味の感じ方。


そして、何故テルーがいないのか。
あいつももう60も半ばだが、まだまだ、現役で働いている。しかし、もう80に近い俺は暫くの間体調を崩し、自宅と病院を行き来していたではないか。


すべての謎は、この一言で片付いた。

「俺は____セルジュ・プローディギウム・イオネスクは……死んだんだ、成る程ね。」










お粗末様でした。



一応設定だけ投げるよ。

http://commu.nosv.org/bbs/t%3AThe%20Curse%20of%20the%20Collapsing%20Kingdom%20of%20Water%20Lily

彩音


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すごい!
これはなんの本?漫画?


青藍☆
2016/02/08 17:27:28 違反報告 リンク


ありがとう!!

ストーリーは完璧オリジナルです( ^ω^ )
わかりにくくてごめんね!()


彩音
2016/02/09 3:33:17 違反報告 リンク


そーなの!?
凄い文才…!
っていうか話の流れが凄いなんか元ネタあるんじゃないかってほどの自然な!


青藍☆
2016/02/09 3:42:55 違反報告 リンク


そうなの( ^ω^ )

…文才?! んなもんねえぜ(真顔)
わあああありがとう!!!そんな勿体ないお言葉をほんともう ()


彩音
2016/02/09 3:44:07 違反報告 リンク


いや、絶対あるよ!
引き込まれる!


青藍☆
2016/02/09 3:45:33 違反報告 リンク


ほんと?!
それは嬉しい…!!!

めちゃくちゃ嬉しいなう()


彩音
2016/02/09 3:48:27 違反報告 リンク


絵も文もできるってかなり羨ましい…、

青藍☆
2016/02/09 3:54:46 違反報告 リンク


そんなそんな、どっちも中途半端な技術しかないさ…

彩音
2016/02/09 21:28:59 違反報告 リンク


いやいや!
すごいよ!?


青藍☆
2016/02/09 22:15:14 違反報告 リンク


現実 : そんなこと言ってくださったの藍ちゃんが初

彩音
2016/02/09 22:16:26 違反報告 リンク


えー、そんなことないでしょ。彩音の絵綺麗だし。

青藍☆
2016/02/09 22:17:21 違反報告 リンク


学校では絵ェ描いてること誰にも言ってないのさ( ^ω^ )
そのありがたい一言がモチベーションを上げる↑


彩音
2016/02/09 22:19:44 違反報告 リンク


そうなの?
なんかもったいない気もするね。


青藍☆
2016/02/09 22:20:28 違反報告 リンク


ペン入れして本格的に描く! ってのが向いてない性分だから…絵が実用的じゃないんだよね()

彩音
2016/02/09 22:21:52 違反報告 リンク


あー、わかる。
鉛筆で満足しちゃう。


青藍☆
2016/02/09 22:22:26 違反報告 リンク


そうそう。鉛筆で描いた時点で自己満足しちゃって、寧ろ手を加えたくなくなってしまう私 ()

彩音
2016/02/09 22:24:50 違反報告 リンク


余分なことすると余計変になるのがわかっちゃうからね。やって色鉛筆かなぁ

青藍☆
2016/02/10 0:03:48 違反報告 リンク


そうそう。
色鉛筆苦手なんだなァ私 ()


彩音
2016/02/10 1:08:00 違反報告 リンク


そうなの?
服とかは色つけたくなるからよく使うよー!


青藍☆
2016/02/10 1:47:04 違反報告 リンク


なんか、汚らしくなっちゃうんだよね…(大汗)
色つけたい気持ちはあるのに( ^ω^ )


彩音
2016/02/10 1:49:36 違反報告 リンク


うん、デジタルができない!

青藍☆
2016/02/10 5:02:07 違反報告 リンク


(機械音痴ですありがとうございました)

彩音
2016/02/10 6:43:21 違反報告 リンク


(テレビもろくに使えないやっです)

青藍☆
2016/02/10 8:20:37 違反報告 リンク


(今時のテレビ高性能すぎ)

彩音
2016/02/10 8:22:11 違反報告 リンク


(激しく同感)

青藍☆
2016/02/10 18:26:37 違反報告 リンク


(ネットつながるとか何事)

彩音
2016/02/10 21:38:12 違反報告 リンク


(どーしたテレビ)

青藍☆
2016/02/10 21:55:32 違反報告 リンク


(テレビ革命)

彩音
2016/02/10 22:05:31 違反報告 リンク


(テレビがなんでもありに…!)

青藍☆
2016/02/11 0:09:25 違反報告 リンク


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【企画】COLOUR VARIATION ○詳細○(参加者様必読!!)
2016/03/27 8:07:37 彩音 44 14

どうも、彩音です。 風邪をひきました。熱も若干出ました…7度弱なのですが、日々...


いろいろ諸連絡とらくがきまとめ。(必読ではない)
2016/03/24 9:56:41 彩音 3 11

連投すみません。 彩音です。 落書きが溜まったので供養します……() イ...


【拡散希望】【企画】色擬人化企画! __COLOUR VARIATION__
2016/03/24 7:06:50 彩音 31 24

ごめん絵は割と手抜き (注意) 多分補足書いておかないと指摘がありそうなので...



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