【小説】最弱の青年と最強の機械少女[後日談1:IAの記憶]
神の風をふかしにきたぜ! 小説最高ランク : 5 , 更新: 2022/08/11 23:31:46
何時ぶりだろう。昔の事を思い出したのは。
楽しかったマスターとの思い出におぼれて、昔のことなど一切忘れていた。
私は脳にたまった記憶データの処理のために睡眠をとる。
その時たまに処理した記憶が夢として見えるのだ。
思い出したのは虐待の日々。
「役立たず」だとか「使えない人形」だとか、
最初のマスターは私を散々罵倒してきた。
殺そうにもマスターに私は逆らえない。
何をしてもはたかれ、罵倒され、
唯一褒められたのは「人間の女体を完全に再現した」というところだけだった。
生殖機能は存在しないが器官は存在する為、最初のマスターには何度も体を求められ、犯された。
している間は何も感じなかった。嫌いなやつに何されても気持ちいいわけないだろう。
そんなこともあり...生活はまさに地獄だった。
最初のマスターと過ごして半年がたったころ、私のマスターは別の人になった。
研究所のようなところで、私は毎日戦わされた。
「データを取るため」と言って二人目のマスターは何も口をきいてくれなかった。
感情なんて薄れていった。心だって壊れていった。
機転があったのは今のマスターに出会う一週間前。
研究所が敵に攻撃を受けた。
その時私はマスターの命で戦って応戦したが大量の敵に勝てるわけなく。
二人目のマスターは死に、私は捕まった。
それからは三人目のマスターに牢の中に入れられた。
そして6日後、私は牢の外に出された。
三人目のマスターは言った。
「これからお前を逃がす」
「どこに?」
「安全な場所にだ。日本で俺が生きていた時の旧友の元にだ」
三人目のマスターはそう言って私を船に乗せた。
真夜中。ある島に着いた辺りで、マスターは
「お前の為だ」
と言って私とのマスターリンクを解除した。
マスターリンクとは私のマスターと認識する為のリンクである。
解除すると私はデータ処理に一時的に気絶する。
そして次に見た人間をマスターと認識する仕組みになっているのだ。
「後は頼んだぜ、裕司」
最後にそう言っているのが聞こえたあたりで、私の意識は消えた。
そうして、今に至る。
私は目が覚め、ベッドから起き上がる。
マスターはまだ私の横で寝ていた。
時間を見るといつもより一時間早く起きたらしい。
気持ちよさそうに寝ているマスターを見て、私はつい微笑んでしまった。
「...大好きだよ。マスター」
そう言い私はマスターの背中に抱き着いて、二度寝した。
昔の記憶なんて嫌いだった。
でも昔のおかげで今がある。
私は、過去があってよかったなと、今初めて思ったのだ。
てことで、回想編でした、
良ければフォローといいねお願いします!
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以上!
神風はやと@ゆ茶劇制作中
2022/08/11 23:32:45 違反報告 リンク
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