小説。【ぅーちゃん】

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「ねぇ、ぅーちゃん」

「何だい、らぁこちゃんや」

「これはどういう事かな?ん?」

「きっと山口君が天使すぎるせい」
「ではないよね、違うよね」

はぁ…。重々しく溜息をつく。
何故こんな状況かというと
事は数時間前に遡るーー。

休日、する事がなかった私は
いつも閲覧しているサイトを開きながらコーラを飲むという至福のひと時に浸っていた。

気付けば時計の針は12時過ぎを指しており、そろそろ昼食を買おうか、そんな時だった。

私の携帯からテンポの良い大好きな曲が流れ出す。
誰かから電話のようだ。
画面の緑の円をタップし携帯を耳に当てた。

「もしもし」

「あ!らぁこちゃん?
助けてー緊急事態なのー」

「ちょ、ぅーちゃんどうしたの?」

「取り敢えず家来てーお願い!
じゃあね!よろしく」

「ちょっ!…って切れてるし」

お昼は彼女の家に寄った後に買いに行こう。
そう決め緊急事態らしい彼女の家へと足を向かわせたのだった。

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

彼女の家に着き、玄関のインターフォンを鳴らす。が、しばらく出てこない。

「え…本当に緊急事態だったの」
ｶﾞﾁｬｯ
「おーいらっさーい。
上がってってー」

心配になり発した独り言を遮られるも、緊急事態らしいので今回はツッコまないでおこう。

「お邪魔しまーす…」

思わず小声になるのは、玄関のドアを開けるととても綺麗な廊下が見えたからだ。常にこの状態なのだろうか。だとしたら尊敬する。まぁ、そうでなくてもしているのだが。

用意されたスリッパを履き
彼女が案内する部屋の前へと足を運ぶ。

「…覚悟は良い?」

「か、覚悟!?」

一体何を覚悟するというのか。
見当もつかないが彼女がドアノブに手を掛けたので、自然にゴクリと唾を飲み込む。

「3…2…1…どーん!!」

開かれた彼女の部屋らしき床に広がっていたのは
色んな色、
形をした洋服たちだったーー。

こうして、今部屋の前で唖然としているのだ。
彼女曰く

「明日着ていく服が決まらなくて
しかも明日彼家に来るっていうから
片付けしなきゃだし!」

だそうで、今日片付けなければマズいらしい。

ここで手伝わずして帰るような冷血な人間でもないので
私は、彼女の部屋の片付けを手伝う事にした。

「これは…ハンガーに掛けてっと。
こっちはー…畳んでタンスに。」

着々と進めてく片付け。
気付けばその部屋に彼女は居なかった。

「ぅーちゃーん?」

呼びかけるも、返事がない。
他の部屋にでも行っているのだろうか。

と、ピロンと携帯が短く鳴る。
メッセージのようだ。
緑のアイコンをタップし
通知を確認すると、それは今捜索中の彼女からだった。

『ちょっと本屋さんとか色々行ってくるね!
片付けよろしく!(｀･ω･´)ｷﾘｯ』

「え、ぅーちゃん!?」

なんと、
片付け放棄で出掛けたようだ。
Sだ…、全部任せよって…。

「後で絶対何か奢ってもらうぞ!」

私の虚しい宣言は
自身の腹の音と共に消えていったのであった。

＊◇＊◇＊◇＊◇＊◇＊◇＊◇＊◇＊

ボケでS…になってるかな(

この話はフィクションですよ皆様!
ぅーちゃんが片付け苦手という話は聞いた事がありませんんん、むしろ、私が全力で苦手です(

リクエストありがとう!!+*。