【茂庭要】あめふりすまいる【短編】

茂庭要 ごんごんの絵に文章をつけようぜ企画 通知は消しちゃいました。ごめんなさい
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heroine→千鶴 夢羽 (ちづる ゆめは)


「うっ、ぐっ」


夢羽の涙を見るのは、はじめてだった。

夢羽は子供みたいにわんわん泣くんじゃなくて、何かを噛み砕くように、押しころすように、静かに、静かに涙をこぼしていた。


なんでだ、と思う前に、夢羽の小さな手に握られている"ソレ"を見て、一瞬で理解した。


『男 好き』
『マネージャーや め ろ』
『お前なんて×××』


白いはずの紙に、たくさんの言葉のナイフ。

男バレ部だから、と言う事もあるんだろう。

女子から嫉妬されてしまうんだろう。




"




……なんで、
こんなになるまで、おれは気づかなかったんだろう。




"



「夢羽」


名前を呼ぶと、ゆっくり振り返る夢羽。
栗色の、大きな瞳が、おれを見詰める。


ただ、綺麗だと思った。


『夢』へ『羽』ばたく。


いい名前だ。




"



「……夢羽」


おれの手が、自然に夢羽の頭に乗った。

あたたかい。




"



「……あのさ」



……辛いよな、苦しいよな。

気づいてあげられなくてごめん。


「でもな、」



苦しかったら吐き出していいんだ。無理にのみ込んで、ひとりで泣いて、ひとりで抱え込んで、偽物の笑顔を作って、皆の前で意地張らなくていいんだよ。



夢羽はやさしいだろ。

やさしすぎるんだよ。



どうせ『自分のせいで迷惑かける』とか思って、誰かに話さないまま終わらせるんだろ。


「こっちにしちゃ、そーゆーの信頼されてないみたいでイヤなんだけど……っ」

「そんな、っ……わけじゃ……ない」


ひとりで抱えないでよ。
ひとりで泣かないでよ。
心が、かなしんでるじゃん。

かなしいまま笑っても、楽しくないよ。


「……だろ?」


これからは、

おれのそばで
おれと笑って
おれと騒いで

おれと生きよう。


「っ、はい」

「……よろしい」


夢羽は前を見てろ。

後ろにはおれがいるから。



(仲間としてじゃなくて、男として)

(選手×マネージャー)

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絵 : ゴンザレス花子様
文 : 麒麟たみゅき*


ごんごんの紙飛行機をもとにしてます。

ごんごんへの大好きを詰め込みました。

茂庭さんになってるのか心配です。


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思わずフォローのボタンを押してしまう程、凄い短編を書けるようになるのが私の夢。

ごんごん、アドバイスをください。

麒麟たみゅき*


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あああああめふりすまいるだ…!私は覚えてるわよたみゅちゃん…!!(
茂庭さんの短編(しかも絵はゴンザ)という形で見れて、凄く嬉しい。アァァ茂庭さんんんん


麒麟
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