*成長を願って

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:539 hit

最高ランク : 4 , 更新：

※YOME☆
・駄文( ˘ω˘ )
・拝啓、画像がやっと見えるようになったと思ったら
今度は写真を撮ってもバグってよくわかんなくなりました()
・なのでしばらくは小説orただのブログになりまする
・小説は衝動で書くもの()
・何故前回セーバーさんの事返信で紫月ちゃんって書いたの(土下座)

「国語ー!俺様とあs「うぜぇ」痛ｯｯ」

相変わらずスマホをいじっている国語の後ろに突如赤い影が差す。
そしてその影は国語へ一気に抱き着くも、それは即座に引き剥がされた。

「毎度毎度義兄さんは飽きないのか…」
「うふふ、楽しそうでいいじゃない」

それを見ていた、理科が呆れたように呟けば、
後ろからほがらかで楽しそうな声が聞こえた。

「義姉さん」
「おはよう、理科ちゃん」

後ろにいたのは理科の義姉たる生物学。
今日も朝から元気そうだが、それよりも頬の絆創膏が目を引いた。

「義姉さんもしかして…」
「うふふ、馬さんのお気に召さなかったみたいなの」

ニコニコと笑っているが、要するに生物学は馬に蹴られたのだ。
人間でない教科である自分でも、馬に蹴られたら
容赦なく大ケガするということは理解している。

それなのにこの義姉はそれを絆創膏一つで済まし
大したケガもないというのだからもう何と言えばいいのか。
毎回保健が溜息をつき愚痴をこぼすわけだ。

「あっそうだ。はい理科ちゃんコレ」
「む?」

ふと生物学から何かを渡される。
茶色い枝に濃いピンクの花。

「…桃か」
「そうなの。古語ちゃんに頼まれたんだけど、思ったより多く取りすぎちゃって……あとで地学ちゃんとか社会ちゃんにも渡す予定よ」

ふむ。と理科は一人桃の花を見つめる。
そういえば、今日は三月三日だった。

「地学に渡したらまた怒られるぞ?「子供扱いするんじゃありませんわ」って…」
「でも私から見たら理科ちゃんも地学ちゃんも子供で、何よりも大切な義妹ちゃんなのよ?」

こてん、と首を傾げる生物学に理科は複雑な表情をする。
子供扱いを治さない義姉を怒ればいいのか、
大切だと言ってくれることに喜べばいいのか。

「今日は古語ちゃんの出身地じゃ"ひな祭り"みたいでね。ひな人形っていうお人形さんを飾ったり、桃の花を見ながら、女の子の健やかな成長を願うお祝いの日なんですって。」

そう言う生物学に理科は桃の花へと視線を戻す。
古語が頼んだのはそのためか。
きっと届いたら届いたでそれを見た日本語が地学のように
「子供扱いしないでください」と言うんだろうな。

「そうだ、古語ちゃんがひな祭りのために用意したご飯があるの。桃の花をくれる代わりにって。これで家族や親戚とお話をして、1日を過ごすんだって古語ちゃんが言ってて…」

ワクワクキラキラな生物学の目を、
遠目で国語に引き剥がされ置いて行かれた物理が見つめる。

「なんだなんだ、今日は宴会か、宴会なのか!?」
「義兄さん、こういうときには早いんだから…」
「そうね、家族や親戚って言うし…地学ちゃんは来れるかしら?」

毎回地理に振り回され世界中を回っている義妹。
確か今はフランス語の出身地に居るんじゃなかったか。

「地学はフランス語の出身地と居るって聞いたぞ」
「おっすぐそばじゃねーか!」
「物理ちゃんも理科ちゃんもいるし…生活科ちゃんが来れるか聞かないとね!ついでに地学ちゃんと一緒らしい地理ちゃんにも声かけましょ!」

うふふと更に上機嫌で生物学が話す。

「だ・か・ら!子供扱いするんじゃありませんわ!」
「でも私から見たら子供よ?」
「おーよ!それに俺はお前達の成長を願ってだな…」
「ぐっ…ふざけるなですわー!」
「追わへんでええの?」
「……?」
「地理さん、生活科、気にするな…いつものことだ」

どうやら今年の三月三日は、賑やかな日になりそうだ。