【知って欲しいこと】ライカ〜今を支える小さな命〜

ライカ クドリャフカ 賢夢律
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最高ランク : 1 , 更新: 2018/11/03 5:15:46

おはようございます。こんにちは。

本日は少し真面目なお話をしたいと思います。

皆さんに知っておいて、

そして覚えておいてほしい事です。


まず初めに、本日、11月3日がなんの日か、

みなさんはご存知でしょうか。

日本では一般的に文化の日、

他にも、誰かの誕生日だとか、

イベントの日だとか、

色んな"今日"があることでしょう。

本日お話するのは、

その『11月3日』という日に起こった、

とある一つの、小さな命のお話です。

少し、長くなるとは思いますが、

どうか最後までお読みください。



今から遡ること約60年前。

1957年、11月3日。


その日、一つの命が世界を震撼させた。

その命の正体は、小さくて、

けれど何にも変えられないひとつ、

彼女、"ライカ"だった。

そもそもライカ、というのも、

犬を表すロシア語であり、

彼女の名前ではない。


体重 5kg

性別 雌

その小さな命の名前は、

『クドリャフカ』

彼女に関する情報はあやふやなものが多く、

名前も、どれが正確であるか定かではない。

また、残っている写真も数枚である。

そもそも彼女は人間ではないが、

ここでは敬意を込めて、

彼女、と呼ばせてもらう。

どうか、頭の隅でいい、覚えていてほしい。

尊い、小さな命の存在を。

彼女のおかげで、今の社会があることを___



彼女は、哺乳類初の宇宙飛行の成功者であり、

そして、それと同時に、
宇宙開発のための、初の犠牲者でもあった。


ソビエト連邦、今で言うロシアでは当時、

とある計画の準備が遂行されていた。


その計画は、

当時はまだ未知数であった

宇宙空間が哺乳類に与える影響を

実験、観測することを目的にしていた。


そのために、どうしても必要になるのが、

その実験を行うための、実験体、であった。


その当時、その実験体を選ぶため、

約30頭程のメス犬に、

長時間暗く狭い檻に入れられたり、

飛行機からパラシュートでおりてきたり、

といった訓練がされていたと言う。

実験体は、人間への忠実さと、

排泄時の姿勢の問題で、

メスの犬に限定された。


その中で最終的に、

"名誉ある"ファイナリストに残ったのは、

彼女、クドリャフカと、

アルビナ、ムーシュカの3頭であったが、

アルビナはその施設内での人気が高かっため、

ファイナリストから除外された。

残ったのはクドリャフカとムーシュカ。

結果、クドリャフカの方が

訓練の成績が良かったことから

実験体はクドリャフカに決まった。

彼女が選ばれた理由は、

たったそれだけのことだったのだ。


当時の技術では、ロケットは

大気圏を突破し宇宙へ行けたとしても、

再び大気圏を抜け、

地球に戻ってくることはできなかった。


つまり彼女はその日、

逃れることの出来ない、死への"片道切符"を、

人間から渡されたのだ。



当時、R-1ロケットによる実験は

幾度となく行われており、

ロケットが宇宙空間に

たどり着くまでの加速による負荷で、

犬が死なないことは証明されていた。

当時の最新鋭のR-7は、大陸間弾道弾、

今で言う核ミサイルの様なものだったが、

そのロケットに乗せられるのが

核爆弾か、犬が乗る小さな宇宙船かは、

技術的にはさしたる違いではなかった。

当時、世界の、特に西側に

核への恐怖を植え付けたスプートニク一号は、

ソビエト連邦が世界へ向けて

その宇宙技術を示すものであり、

それはソビエト連邦の予想より

はるかに大きな影響を世界に与えた。

それ故に、クドリャフカが

スプートニク二号にのる実験も、

マスコミを中心として大々的に報じされ、

すぐさま世界中に知れ渡った。

そう、つまり、彼女の実験は、

自国の技術を示すという、

敵国への威嚇を目的も兼ね、行われたのだ。



打ち上げの日が近づくにつれ、

着々と準備が進められた。

彼女は実験結果を見るため、

外科的に心電計用の電極を埋め込まれ、

犬用に開発された宇宙服を着せられた上に、

打ち上げの数日前から

座った格好のまま身動き一つ出来ない、

狭いキャビンの中で待機させられた。

今でこそ改良され、

高い安全性を誇るロケットだが、

当時の打ち上げ成功率は50%。

宇宙へ飛び立つ前に失敗する可能性もあった。

そして、無事に飛び立ったロケットには、

秒速8km、5Gという、

人間が経験したこともない
莫大な負荷がかかる。

酷い轟音と、大きな衝撃。

彼女のその小さな体はそれだけの負荷を受け、

心拍数は平常時の3倍にも跳ね上がった。


当時のソビエト連邦による報道では、

クドリャフカは宇宙にたどり着いたあと、

計画通り直接チューブで胃へと餌をもらい、

十日後に餌に混ぜられた薬によって、

安楽死した、と伝えられていた。

しかし後に、

実際は打ち上げには成功したものの、

キャビンが熱の放出に失敗、

その後上昇し続け_____



数時間後、地球を4周する頃には、

すでに船内に、生命の気配はなくなっていた、

つまり、その頃には彼女の命の灯火は

既に消えていたと発表された。




彼女は最後に、何をその目に映しただろうか。


何を、考えていただろうか。



きっと優しい彼女は、

最後まで人を疑わなかっただろう。


彼女がたった数時間、されど数時間、

宇宙の無重力空間で生命を維持したことは、

今の宇宙開発に、大きな影響を残している。

彼女のおかげで、

今の社会は支えられているのだ。


けれど、どうか考えてほしい。

せめて、忘れないで欲しい。


彼女には、実験体になる義務や責任など、

どこにも無かったことを。

彼女の命が、人のために散らされたことを。

そして今も、人間の勝手のために、

多くの動物の命が、犠牲にされている事を。


よく実験体として知られるマウスも、

その元は、ひとつの命だ。

なぜ人のため、なんの罪も持たない命が、

いくつも消えなければならないのだろう。

人間は身勝手だ。

そのおかげで、

ここまで技術が発展し、進化した。


けれど、どうか忘れないで欲しい。

彼女、クドリャフカに限らず、

たくさんの命が、

人のために犠牲になっている事を。

考え、感謝するだけでいいのだ。

誰かが忘れないでいてくれれば。


犠牲になった彼女たちに、

その気持ちが伝わることはない。

彼女の命は、感謝では戻らない。

それで、彼らが救われることも無い。

感謝することすら、人の自己満足に過ぎない。

けれど、忘れないでいれば、

誰かの耳に入るかもしれない。

また誰かに、伝わるかもしれない。


何十年、何百年かかっても、

いつか、犠牲になる命がなくなるように。


わたしたちは、忘れないでいるべきなのだ。






長く書いてしまいましたが、

どうかみなさんに届いていますように。


そして、もっとたくさんの人に届くように、

よろしければ拡散お願いします。


最後に、クドリャフカへ、

ごめんなさい、そして、ありがとう。

mrngmi


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FF外より失礼します。

罪のない動物たちのたくさんの犠牲があって、今の人間社会や生活が成り立ってるということを忘れている、または知らないという人が多い気がします。

宇宙開発の犠牲になったクドリャフカだけでなく、新薬の開発で犠牲になった動物たち、数え切れないほどの罪なき小さな命の上に、僕達人間が生きていることを伝えられたらいいなと思います。

拡散しておきます。長文失礼しました。


Ao
2017/11/02 20:26:05 違反報告 リンク