愛との言う君とは誰と思ふ / 彼

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最高ランク : 96 , 更新: 2017/01/29 0:38:10


「愛しているよ」
とは、なんだろう。ふと思う。彼はそう言うが私は意味がわからなかった。思考力がないのか私が幼すぎるのか、彼は後者じゃないかと笑う。酷いもんだ。
じゃあさあ、と語るように聞いた。泡に溶けて、闇に救われる、そんな感じ。
「愛ってなんだと思うのさ」
深いのだろうか、大きいのだろうか。私には愛を感じたことがないから感覚も質量も全くなかった。でも、アイと言葉にiと英語にそうするのは重くて気持ち悪いと思うのは必然であろう。何か変な感じ。
彼は困ったように頬をかいて、照れるように笑う。意味分かんない。愛とはユーエンミー?私はそんなこと思ってないよ。ユーだけ。あなたは思う気持ちは愛じゃない。
……空を見上げて青空と思う。愛じゃないと否定するのは愛があるからか。その意味を知っているからか。じゃあ愛なんて使わないようにしようか。馬鹿な私には知らないし、知りたくもないから。
「誰かを思って、泣いて、笑って、怒ってそんな気持ち。愛があるからこそ成り立つ行動」
持論だけど、彼はまた笑う。ホントだよ。持論すぎる。
そしたら、私に意地悪してなにするのとヒロインばりに泣いたアノコも、ばかじゃんって馬鹿にして笑って虐めたダンシも、なにしてるんだと聞いたことだけ鵜呑みにして私に怒ったセンセイも、愛情があるの。違う、全部悲願で僻んだった。酷い。
「おれはそう思うだけ、君を思うそんなこと」
なんだそれとじとり見る。ポエミーだろ、お前と言葉で殴り飛ばした。受け入れはしない。眉を下げた彼はへへへ、と自信をなくすように。あんたの方がずっと馬鹿。
でも。
「これ、受け取ってくれる?」
ホワイトじゃない。イルミネーションが落ちて輝く。人通りが多くてうるさい。愛があってうるさい。二人組が多くて、うるさい。でも、こいつもよっぽどうるさい。
ダイヤが電灯で光る。人影に隠れるみたいに誰も見てない。なにその指輪。いつ用意したの。
正直じゃない私は好きじゃないけど、それが私って受け入れてくれた。この貧弱で無駄に優しいお人好し。
「受け取って、あげる」
愛なんて知らない。けど、どれが愛なんて呼ぶかも分からない。私が彼に抱くものが誰か愛といったらそれが愛なんだろう。私は自称したくはない。
「ほんと、馬鹿なんじゃないの」
この涙はなんだ。歪んで口角が上がるのは何故だ。冷たく怒るように言うのは……。
ああ、彼の言う愛情は認めたくない。知りたいとは思わない。

これが愛だった気もする。
「おれと結婚してください」
「……うん、いいよ」



彼女は捻くれ嘘吐き、彼はお人好し。
愛と嘆いても貴方はその意味を知る?嘘と吐いても結局真実なんだ。
所要時間:20分程
構想時間:0分
満足度:80%
内容評価:???
日付:2016/12/25 18:14:41


占いツクールにあげていたやつ。
いめろぐにあげられなかったので。

こもれび


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