【小説】夜になったら
小説最高ランク : 4 , 更新: 2017/07/14 16:18:03
僕らのご主人がスヤスヤ寝息を立て始めるのを合図に、僕はハッと目を覚ます。
「さあ、みんな起きて!」
ご主人に気付かれないようにみんなを起こすのは、リーダーを任されている僕のお仕事。
僕は夢喰いウサギのアルビレオ(通称はアル)、ご主人が端切れで作ってくれたウサギのぬいぐるみ。
「ふあぁぁ、、、」
「んー、、、おはよ~アル~」
僕以外のぬいぐるみたちも起き出して、気持ち良さそうに眠るご主人の枕元へ、誰もが集まってくる。
ふわふわの相棒ウサギのベガ(ベガもご主人の手作りだ!)、カフェからやってきたテディベアの大五郎、ご主人のおじいちゃんがくれたキツネのコンに、ハワイ生まれのサーファーでサメのジョーズ、、、。
他にもアニメやテーマパークや絵本のキャラクターぬいぐるみがずらり。
みんなみんな、ご主人が大切にしている仲間たち。
「それじゃ、始めよっか!」
仲間が集まったらお仕事の時間。
僕らのお仕事は、ご主人の見てる悪い夢、怖い夢を取り除いて、楽しい夢に変えること。
そうしてご主人が、ぐっすり眠れるようにすること。
「ご主人のお夢さん、でておいで」
僕がご主人のおでこを三回撫でて、
「ステッラ・コメッタ・ガラッシア!」
特別な呪文を唱えると、ご主人の頭の上に小さな雲のスクリーンが生まれてご主人が見ている夢が映し出される。
「僕のいたカフェでお茶をしてるです!」
今日の夢は、大五郎のいたカフェでお茶をしてるところから。
「いつも抹茶ラテなんだよね、ボクはロイヤルミルクティーがおすすめなのになぁ」
「ベガってば、ご主人の好きなんだから仕方ないよ?、、、コンはココアがおすすめだけど」
「あー!コンってばボクのこと言えない!」
「ほらほら二人とも!ご主人起きちゃうってば」
思わず苦笑しちゃう。
コンとベガは何かと言い合いになっちゃうんだから、、、。
「アル、ご主人カフェ出るぜ」
「ほんとだ、次はどこに行くのかな?」
「差し当たり、俺みたいにカッコいいヤツとデートだなっ」
、、、ジョーズはチャラいなぁ。
「んー、ちょっと違うみたいなのです、、、」
「どれどれ?」
「何だか様子がおかしいのです、、、」
大五郎に言われて見てみると、夢の中のご主人はまるで何かから逃げてるみたいに辺りをキョロキョロ。
悪い汗までかいている。
遂に走り出したご主人の後ろに目をやると、
「妖怪に追いかけられてる!」
そっか、ご主人お昼に妖怪ホラー映画見たんだな?!
今日見るって言ってたもんなぁ、、、
それはさておきお仕事お仕事!
悪い夢は追い出さなきゃ!
「今日はコンに任せて!」
自信たっぷりにコンは言うと、 雲のスクリーンに飛び込んで、ご主人の夢の中への。
大きなキツネの妖怪に変身して、ご主人を恐がらせる妖怪たちを狐火で成敗しちゃった。
それからコンは、何かをくわえて夢から出てくる。
「さ、ここからはアルのお仕事でしょ?」
コンがくわえていたのは夢の切れ端。
怖い夢だけをちょっと千切ってきたもの。
「そうだね、それじゃあ、いただきます!」
僕は大きな口を開けて、悪い夢をパクリ。
もきゅもきゅ、、、ごくん!
こういう夢を食べるのが、夢喰いウサギのお仕事だからね!
「後は星の粉をかけて、、、」
ベガは小さなポシェットから小瓶を取り出して、キラキラの粉をスクリーンに振りかける。
そしたら呪文を唱えて、夢をかき混ぜる!
「ステッラ・カデンテ・アウローラ、悪いお夢はこれっきり」
ご主人の寝顔が穏やかに戻る。
寝息も整って気持ち良さそう。
これで今日の僕らのお仕事はおしまい。
みんなはまた、自分のいた戸棚や箱に帰っていく。
これでもう、今日は悪い夢は見ないから、朝になるまで、
「ぐっすり、おやすみ」
END
絵本風のおはなしでした!
長々お付き合いありがとうございますm(__)m
ぬいぐるみは僕の私物がモデルだったり、、、
それではっノシノシ
ならもう全く問題なしですよーっ(*^^*)
うちの子?をよろしくお願い致しますm(__)m
Loveless@モラトリアム人間
2017/07/15 10:10:08 違反報告 リンク
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