【カラバリ】ジャンシアヌ町長さんの自己紹介【お題】

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最高ランク : 17 , 更新： 2016/04/30 10:43:12

——ジャンシアヌ町長の自室にて——

どうしたんだい？

確か君は……新しく入った子だったかな。
よく働いてくれているらしいね、この調子で頑張ってくれ。

あぁ伝言か。
すまないな、緊張しただろう？
昨日は忙しくて私本人は電話に出られなかったからね。

自己紹介……？
ははは、なかなか唐突じゃないか。
事前に言っておいてくれたなら、軽く1時間は話せたのに。

……なんてね。
もちろん冗談だよ、困った顔をしないでくれ。
おいおい、そんなに真面目じゃあ私の下で働けないよ？もっと肩の力を抜いて！

さて自己紹介だったかな。
へえ、君が紙にまとめてくれるのか。助かるよ。
じゃあ話すけれど、もし速過ぎたら途中でも止めてくれて構わないからね。

……まずは名前からかな。

私の名前は、リチャード・ジャンシアヌ。
まあ、ファーストネームで呼ばれる事なんて滅多にないけれどね。

25の時から12年間、この街——紫の街・ヴィオーラの町長をさせてもらっているよ。
主観的だけれど、行政もそれなりに安定しているんじゃないかな。

年齢は37歳だよ。
次の誕生日で12になる娘がいるんだ。アリシアによく似て、美しく育ってくれている。

あぁ……アリシアは私の妻だよ。
娘が1歳の頃に亡くなってしまったけれどね……。

……………………。
……………………………………………………………………。

あぁすまない。少し昔の事を思い出していた。
アリシアは本当に素晴らしい女性だったよ……本当に、ね。

えー、他に何か話すべき事はあるかな？

好きなものか……。

そうだな…………あぁ、お洒落は好きだよ。
この街はそういう芸術や文化が特に優れているしね。

私も好きなブランドが色々とあってね。
今着ているスーツも、懇意にしているブランドにオーダーメイドで作ってもらった物だよ。

このネクタイピンもねじれていて素敵だろう？
娘からのプレゼントなんだ。

うん？
あぁそうだね。確かに私は、娘をとても大切にしているよ。

あの子は大人しくて利口でとても優しい子だ。
いつか反抗期が来てしまうと思うと、恐ろしいよ……はは……。

これくらいで大丈夫だったかな？

それは良かった。ありがとう、お疲れ様。

あっ、少し止まって！

——これで良し。

エプロンの結び目が崩れていたよ。
気をつけなさい。使用人とは言え、君だって女性なのだから。

ははは、今の顔可愛かったよ。

からかったりして悪かった。それじゃあ、引き続き頑張ってくれ。

※注意※

・彼は嘘を吐いてはいませんが、本当の事を全て言っているわけでもありません。

・甘い台詞に騙されないで！彼はクレイジーサイコ野郎です。←

・ちなみに補完すると、『アリシアは本当に素晴らしい女性だったよ……本当に(初めてだった、あれ程までに素晴らしい最高の嘆き顔を見たのは)、ね。』になります。