長編やっと思い付いた…！

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『君と俺との知らない関係』

ﾋﾟｺﾝ

朝早く、スマホが音をたてた。
がさごそ隣の玲於を起こさないようにベッドサイドからスマホを取った。

『今日の仕事は無くなったからオフな。』

GENEとHIROさんのLINEグループにHIROさんから送られていた。

『分かりました、わざわざありがとうございます。』

誰よりも早く返した。
隣の玲於は知らずにすやすや寝息をたてている。

目に入る赤い唇。

どうしてだろう。目が離せない。
それどころかどんどん引き付けられてゆく。

もうすぐ唇が触れる…ところで我を取り戻してベッドから下りて寝室を出てキッチンで顔をバシャバシャと洗った。

「俺、なんで…」

頭をガシガシ掻きむしる。

俺ほんと何して…

「あらんくんなにしてるの…？」

か細い声が寝室の方から聞こえた。

「あ、起きちゃった？さっきHIROさんからLINE来てたよ。今日は休みだって。だからまだ寝てていいよ」

「ぅーん…だいじょぶ…」

いつも昼過ぎまで寝てる癖に何言ってるの。ほら、ふらふらじゃん、危ないよ。

支えてあげると、んぅーーとよくわからない声を出した。

「きょー、あらんくんのじっかいく」

「えぇ！！？」

手が離しそうになる。

何言ってるんだこの子は。

「だめ？」

「…いいよ」

玲於を連れていったらあの時の謎、とけるよね。

「ただいまー」

「あ、亜嵐！？どうしたの、って…」

お母さんが急いで玄関に繋がる階段を下りてきた。

「…ドーモ」

一礼する玲於。
お母さんは玲於がいることにぽかんと口を開けている。

「あ、上がって上がって！」

ガサゴソといつになく忙しないお母さん。

絶対何かある。

玲於は「お構い無く～」とかいいながらズカズカ入っていく。

「わぁ、ここが亜嵐くんがいた家。」

リビングでキョロキョロ辺りを見回している。

「これ、オレンジジュース飲んでね」

「あ、ありがとうございます。」

オレンジジュースが俺と玲於の分が並べられた。玲於は俺の横に座っている。

お父さんも玲於が来たという騒ぎを嗅ぎ付けて急いで階段を下りてきた。

ちょっと何々。

「なんでお父さんも来るんだよw」

「そりゃこ…亜嵐のこと聞きたいだろ。」

こ……？

「で、亜嵐どうなの？」

前のめりになって玲於に聞き出そうとする。

止めなさい。

「え、え～～？とても頼れるリーダーですよ？メンさんよりもとても」

コラ、後でメンディー君に言いつけるからね。

「よ、よかったぁ、これからもよろしくね。」

ガッと玲於の手を掴んだ。流石の玲於も驚いたらしく、は、はい…。と曖昧な返事をしていた。

何これ恥ずかしすぎる。何も分からない上にこんなの。

と、思ってたらなかなか玲於の手を離さない。

「ちょ、ちょっと…」

お母さんの顔見たら止めれなくなってしまった。だって、

とても懐かしむ様な顔をしていたから。

どうして…？

「あ、あの…？」

玲於がお母さんの顔を覗きこむ。

「もう止めて。玲於、俺の部屋行こ。」

「えっちょ…」

玲於の腕を引っ張って半ば無理矢理手を離させると今度は悲しむ様な顔をする。

その理由。いつか必ず教えてもらうから。

そして俺の部屋のベッドに寝転ぶ玲於。

「なんかすごかったね。」

「いつもはあんなのじゃないんだよ。」

一応訂正はしておこう。
玲於は興味ないらしくふーんとか軽い返事。

「…俺さ、ちょっと羨ましいかも、」

「…なんで？」

玲於は遠くを見るようにして呟く。

「俺、あの家で産まれて無いんだ。」