あの日の僕らは。暗殺教室【小説】

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最高ランク : 63 , 更新： 2016/03/29 2:45:02

「好きだったの」

茅野がそう呟いた

「…なにか、本でも読んでるの？」
「…そういう訳じゃないよ」
「じゃ、どゆこと？」
「…ねぇ渚…？好きってなにか知ってる？」

唐突に変えられた話し

「…んー、相手に好意を寄せることかな？」
「…ちがうよ」
「えー！？じゃあなんなの…？」
「相手を思い、相手を慕い、相手を愛すのよ」
「あってるじゃん！」

結局は好意を寄せることではないか？
そう思い口に出したが

「根本的に違うよ」
「根本的って…」

違うらしい

「…んー、渚は恋したことある？」
「恋？あー、わかんないや」

恋って相手に好意を寄せることでしょ？
だけど、友情とは違うらしい
だけど、やっぱり、特別な人は居なかった

「私ね、好きだった人がいるの、この教室に」
「へー！？…え！？嘘ぉ！」
「ほんとだよ…」

誰？と聞こうとしたとき、ちょうど殺せんせーが入ってきたので、席につく

「茅野の好きだった人かぁ…」

渚は気づかないみたいだね

よかったよ、気づかなくて……

私ね貴方が好きなの

渚

だけど、言わないよ私は
「好きだ」とか
「付き合って」とか何も言わないわ

だって、恋じゃないもの

渚の言う恋はさほど間違ってない

だけど、恋って言うのはひとりが幸せになるんじゃなくて

二人で幸せになるものなのよ

私が告白してしまったら渚は後悔と、絶望で人生が狂っちゃうんだと思う

このクラスには男女関係なく好意を寄せているひとは沢山いる
だけど、告白はしない

「渚のせいでみんな苦しんでるんだよ？」
って言えば君は泣いてしまうのだろうか

「私はずっと前から渚のこと好きだよ」
なんて言えば君は苦しんでしまうのか

「此方をみてよ」
って言えば此方を笑って振り向いてくれるのか？

だったら、私は「此方をみてよ」と言うだろう

君が苦しむくらいなら、君が悲しむくらいなら
私はこの思いを…終わらせてあげる

君が此方を向いて笑ってくれるなら私は喜んでこの関係を続けよう

君がこの世界を嫌うなら、私も嫌おう

君がアイツを殺したいと願うなら、私が殺してあげる

君のためならなんでもする

恋は二人が好きと言うもの
好きは片方が誰かを愛すこと

私は、君のことを好きだけど
恋じゃないから好きだったにしとくね

私は、君のことが好きだけど
君を傷つけないために好きだったにしとくね

「うむむむ…」
「……どうしたの？渚？」
「いやね！茅野が言った意味を考えてるんだよ」
「…だからって眉間に皺よせすぎ」

そっと眉間をおす

「んんん……わかんないけどさ」
「うん？」
「僕は、茅野が好きだなぁ」

多分、それは友達の意味でなのだろう

「なぎさくーん！帰ろー！」
「あ、カルマ君…あ、茅野バイバイ」

二人は私に背を向け歩いていく

二人の楽しそうな笑い声が聞こえてくるが

それも数分すれば聞こえなくなった

いつか、君もああやって行ってしまうのだろうか？

ねぇ、少しでいいんだ

少しだけでいいんだ

あの言葉を期待してもいいかな？

『君だけを見てるから、君も私だけを見て』
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青春ですのぉ←