君は何も知らない【創作短編】

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＿＿某国、某日にて。

ふわり、同種の香りが漂う。

それも、特別な。
ふと横を見てみると、赤みがかった茶髪の少年がいた。

まだ幼い横顔。
その目には、まだこの世の汚れを知らないのか、ひとつの曇りも感じさせない。

「(知らない、のか)」

ふわり、風が吹く。
特徴的な彼女の鮮やかな緑色が、風になびく。
乱れかけた髪の毛を片手でおさえる。そして、少し哀しげに笑った。

数年すれば、自らの手で何も知らない彼を黒く染めてしまう。

そう思うと、良心が痛む。
……けれど。
仕方のないことなのだ。この世界の中で、彼は必要な存在。

「ロゼさーーん！！」

待ち合わせの噴水の前。
これまた特徴的な水色の髪を持つ少女が、彼女＿＿ロゼの名を呼び、手を振っている。

彼女は、もうわかっている。

「じゃあ、行こうか」

ただ、群青。
こんな場所、知らない。

「初めまして」
「…貴方は」

彼は何も知らない。
何を知ることが出来なかった。

「私はね＿＿」

▼.

キャラクターデザインもまともに作れていないうちに短編とーこー()