Parasite monster 2

閲覧注意 小説
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:360 hit

更新: 2015/09/13 12:57:32

「私が気づかないと思います?」

男は静かに言った。ナイフを持つ手首を強く握っている。
窓奥の景色から見える月光が妖しく夜に浮かぶ。色は血を染み込ませたような赤。
いつの間にか、そいつは顔を上げてこちらを見つめていた。爛々と輝くロードライトガーネットのような瞳の向こうには目を見開く獲物が一匹。

突如体が熱を持ちはじめる。
虫が血管を這いずるような感覚が回り、ぞわりと体を震わせた。
緊迫したこの部屋の中で、捕食者と被捕食者は視線を通わせている。


「私が、欲しいですか」


怪物は私の様子がおかしいことをすぐに察し、先程と同じ厭らしい笑みのまま問う。
いや、話した。
違う、と応えようとする。しかし声は出ない。
出るのは自分のものとは思いたくない、淫猥で溶けきった吐息だけだ。

(こいつ、私に何を……!)

目をそらせない。いくら力を込めようとも、怪物からは視線を外すことが出来ない。
手の力が抜けて、ナイフがカランと高い音を立てて床に落ちた。拾えない。

「寄生虫とは失礼ですね、貴方のような下等な生物に言われる道理はありませんよ」

その声は耳から聴覚を伝い脳に入り込み、繁殖するかのような勢いで響き渡った。催眠術でも使ったのだろうか。
話す最中に口内なら見える血液が付着した牙が恐怖をそそる。

「私を受け入れなさい。そうすれば苦痛は快楽となり、 嫌悪は好意に変わる」

有無を言わさず首筋に噛み付かれた。
痛い。首の生々しい牙の感触は、いつもの食事より荒々しく熱と勢いを持っている。
鼓動は加速して、頬は火照り、口からは先程と変わりない吐息が漏れた。
紛れもなくこの怪物に対して、本能が劣情を抱いているのだ。

「はあ……」

チュッ……。 ジュル……。 ゴクリ。

血を啜る音が室内に広がる。
夜間学校だが短縮授業だった故か校内に生徒は少ない。

「んっ……ふぅ……」

ヂュルッ……。ゴクッ……。ジュル……。

下品な音を立てて血を吸われながら、嫌悪感は心を包み快楽から理性を閉じ込めて、恨みの鍵をかけた。

最後の力を込めて、意識を保ちつつ天を見ながら、か細くそれでも力を込めて放つ。

(私の名を吐き、それに対して恨み妬みを呻き、終わりに絶望して、下等種に与えられる苦痛を抱きながら)

「し……んで、しま……え……!」



――――――
もうちょい上手く書けよ私……。

おちんぎん


投稿を違反報告 / ブロック



コメントをするにはログインが必要です : ログイン


イラスト
2021/03/09 3:51:10 おちんぎん 3

なぜみんなオシャンな絵が描けるのか ワイはワダ先生のデッドコピーしか描けへん...


近況
2019/03/04 6:13:38 おちんぎん 4

忙しすぎてちょっと数ヶ月間放置してました……。 リクエストもろくに消化できなく...


い〇ろぐの愚痴と見ない自由【閲覧注意】
2019/01/16 10:08:58 おちんぎん 2 7

さてどっちのサイトでしょう~ ワンク ワンク ...



雑談 ともぼ イラスト 御友達募集 企画 御初 いいねチャレンジ #ULOG異世界転移 把握会