×片岡メグ 東京喰種:re×暗殺教室 ワンシーン

暗殺教室 東京喰種:re クロスオーバー
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最高ランク : 110 , 更新: 2016/07/02 7:15:50

こんにちは。暑いですね。お身体、崩されてはいませんか?


今回はメグちゃんの出番です。メグちゃん好きです(*´▽`*)


最近こちらばかりで、柚木ちゃんのほうに手が届かない( ・_・;) そろそろ書きたいなあ。





心配。
この二文字が片岡の中ではうごめいていた。


本日転入してきた大石歌廉。
自己紹介は、まるで幼児の発表会かなにかだった。少し辛口すぎるかもしれないが、少なくとも彼女の目にはそう映ったのである。


よく言えば母性をくすぐられる子、悪く言えばひどく手のかかる子。


決して彼女を侮蔑するのではない。
片岡は自分にも、他人にも厳しい人。片岡メグは、そういう人間なのだ。


そしてお遊戯会のような自己紹介は終わり、彼女はカルマの隣の席へ(この時の磯貝との絡みは、そこまで興味がなかった)。


そのとき同時に告げられたのは、彼女の校舎案内。
「できれば最初は、ふたりで行ってください」殺せんせーがそう言ったのは、彼女のこの動物園でのお披露目前の動物の赤ちゃんのような性格を考慮してのことだろう。


別にいやじゃ無い。学級委員だし。


彼女は仕事柄の使命感も持ちながら、二つ返事で了承したのである。


これらがあったから今、こうやって片岡と歌廉はふたりで木の床を踏んでいた。


「ここが職員室で、烏丸先生とか、ビッチ先生、そして殺せんせーがいつもいる。ビッチ先生って、あの金髪のイリーナ先生のことね」


ふっと後ろを向く。彼女はしっかりついて来れているだろうか。


「ーー大丈夫?」


ハアと溜め息混じりに彼女を見れば。


エサをもらえた野良猫が、ちょこちょこと後ろをついてくるように歩いては、光のような速さで首をきょろきょろ。


新境地なのだから、一見挙動不審に見えるその首は百歩、いや、千歩譲って多目にみよう。
しかし、そのちまちまとついて来る、それが今の彼女にとっては癪に障ることなのだ。「置いてくよ!?」


ビクッと肩を揺らして、恐る恐る片岡を見る。
彼女の後ろになにかを見たのか、小股でそそそそそーっと追いつけば、首を二度、縦に振る。


「のんびりしすぎると授業に間に合わないよ。昼休みは、決して長くないんだからさ」


こくこく、より、ぶんぶん、の方が正しい。
片岡は、勢いよく頷く歌廉を見て思った。


特別彼女のことが嫌いなワケではない。
ただ、どうも馬は合わなそう、それだけだ。


「んじゃあ次。次はここから少し遠いんだけどーー」


足早に歩き出す片岡。腕の時計で時間を確認して、あとの時間配分を考える。


木製の床は、ギシギシと声をあげる。旧校舎なのだから多少は仕方がない。


すでに聞き慣れた、リズムよく鳴る床。
ひとりで、のんびりと歩いているときと同じ音。


ーーそう、ひとりで。


「ーーちょ」


ガバッと後ろを向けば、案の定、彼女はずっと後ろにいた。
開け放たれた窓の外をぼんやりと見ている歌廉。その真上には、職員室の文字。


つまり、彼女は、先ほどの説教からほぼ一歩も動いていないことになる。


「ーーったくもう!」


あまりにもマイペースすぎる。集団行動がなっていない。
こんなにも自己中心的なヤツがいるかと、学級委員の片岡は、大股で歌廉のほうへずんずん歩いていく。「ねえ大石さん、あなたきいてーー」


ざわ、と時を止める音がした。
そんな音の中でもはっきりと聞こえてきた、海のさざ波のような、綺麗な声。


「いい、ところ」


目は窓の外を向いたまま、歌廉はぼんやりつぶやいた。


誰に聞かせるわけでも、自分で言って満足するわけでもない。ただ、本当に、葉の上の朝露がほろりと落ちてしまうような、そんな自然さがあった。


「……なに、見てるの?」


彼女の横から、窓の外を見やる。
ふわっと涼しい風が頬を撫で、結わえていた髪をなびかせた。


歌廉がゆっくりと指を指す。
そこには、仲睦まじそうなふたつの小さな影。


「……かわいい。リス?」
「うん。親子、かな」


よく見ると、大きさが違う。
ふわふわな茶色い尻尾を揺らして、木の実を口にしまうと、たたっと跳ねるように木々の間に消えていった。


「ああっ、いっちゃった……」
「家、あるんだよ。きっと、この、やま、に」


まだ、こんなに近くにいても慣れないのだろう。彼女の口から発せられる言葉は、この山に流れる時間のようにゆっくりだった。


しかし、今はそれがすごく気持ちが良かった。


「……」


今度は小鳥が、小さな赤い実を咥えて飛んできた。


上を見ると、透き通るような青。
その中でまぶしすぎるくらいに輝く、一本の飛行機雲。


雲を隠すように目の前を踊る、鮮やかな緑。
この山でのびのびとと育った木々が、風の指揮に合わせてワルツを歌っていた。


ーーごめん、な、さい。


「……えっ?」


すぐ横を見ると、眉をハの字にし、大きな丸い目を伏せた歌廉の姿。
黒いくせっ毛に、太陽の光が柔らかく反射する。
風に髪が揺れているのもあって、まるで海の波のようだ。軽くうねった黒髪が、さらにそれらしく見せた。


「わたし……遅くって。あな、たに、迷惑、かけた……」


ーーもう何分か前の自分なら、冷たくあしらっていたと思う。でも、今ならそうじゃないって、心から言える。


「いいわよ。おかげでかわいいリスも見れたし、おいしい空気も吸えたし」


でも、集団行動のときはしっかりしてね?


自分は、うまく笑えていられるだろうか。
一瞬よぎった暗雲は、彼女の口角がきゅっと上がり、小さく頷いたことで遠くへ流れ、消えていった。


ーー放課後、空いてる?


片岡の問いかけに、クエスチョンマークを浮かべながら頷く歌廉。


それを確認して、片岡はこの大空さえも吸ってしまいそうなほどに深く息を吸い、おおきく伸びをした。


「私のお気に入りの場所、特別に教えてあげる」


鳥達が大きな音を立てて、羽ばたいた。
黒い鳥達の影は、立派な白い飛行機雲を横切っていく。


ーーのんびりでも、いいじゃない。


「そう。じゃあ、決定ね!」


焦りすぎると、見落としてしまう物がたくさんある。


「あ、改めて自己紹介するわね」


時々、一歩立ち止まって辺りを、空を見てみよう。


「片岡メグ。学級委員やってます」


今日のこの青空とは、違った空が見えるだろう。


「メグとか、なんでも気軽に呼んでね」


その空は青くないかもしれない、泣いているかもしれない。


「よろしくね!」


それでも、今日みたいに綺麗に見えたなら。








See you again!

三弦


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つながりたい
2016/11/30 7:23:58 三弦 5

ずっと今まで音沙汰なかったくせに何の話だ。というのは隅っこに置いておいてくだ...


久々だ!暑いね!……ほんとまじでごめんなさい。
2016/08/21 5:00:47 三弦

久し振りに顔をだしました。三弦です。 しばらくこれなくて申し訳ないです。...


降谷が誕生日。うん、知ってる。(*^▽^*)
2016/07/01 4:50:36 三弦

ちょっと今回は創作ではなく、素直にお誕生日おめでとうを叫ばせてください(*^▽^*)...



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