ユウイチの日記 1月14日(日) 晴

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:53 hit

最高ランク : 14 , 更新:

俺は何をこんなノンキに日記を書いてるんだろう。
横であの人がケケケと笑ってる。ヒロフミさんもじっと俺のことを見つめてる。
異常だ。状況も異常なら、こんな時に日記を書いてる俺も異常。
そもそもなんでこんなことになったんだ。
今日の出来事を思い返してみる。

今日はヒロフミさんが来る予定だった。
俺はもうほとんどやる気なかったが、一応二人で次の作戦を練るってコトになってた。
だから家のチャイムが鳴った時、ヒロフミさんだと思ってなんてことなくドアを開けた。
立ってたのは案の定、ヒロフミさんだった。
「よぅ。ユタカさんに言われて来たぜ。」
ああ、どうぞと中に招き入れた。
しかしヒロフミさんは入り口で立ちすくんでた。
あまりに動かないので、「どうしたんスか。入って下さいよ。」と言った。
それでも入ってこない。見ると、ヒロフミさんの顔が強ばってる。
「なぁ、今日のことってどこにも漏れてねぇよなぁ。」
何を言ってるんだろうと思った瞬間、凄い勢いで中になだれ込んだ。
と言うより、突き飛ばされたような・・・
「だから何度も言ってんだろ。偶然だよ偶然。」
あまり聞き慣れない声がした。
それもそうだ。こうしてマトモに顔を向き合わせるのは初めてなんだから。
岩本先生。
なぜかヒロフミさんの後ろに立っていた。
センセイは素早く中に入り込み、ドアを閉めた。
そしてズカズカと上がり込み、家の中を散々引っかき回した。
ヒロフミさんは倒れ込んだまま青ざめてる。
俺は何が起きたのか理解できないままセンセイの行動をただ黙って眺めてた。
なんでこの人ウチに居るんだよ・・・
しばらく何かを探し回ったあと、俺の前にやってきた。
「なんだ。やっぱココにはあの二人はいないのか。」
兄貴とミキさん・・・
「お前がユウイチ君か?なるほどなるほど。ユタカ君の弟ってワケな。」
つーか・・・・・何?
「状況を把握してないな。『処刑人』が言ってだろう。いつでもここには来れるって。だから来たまでだ。」
俺はアウアウと口を動かしただけで何も言えなかった。
代わりにヒロフミさんが顔を上げて「なんで川口家の場所を知ってるんですか・・・」と聞いた。
センセイは深いため息をつき、首を何度も横に振った。
「お前達、そもそもの俺達の因縁を分かってねぇな。ウチの息子のクラス名簿見りゃすぐ分かるって。」
あ・・・・・
「言っておくけどな。突っかかってきたのはそっちだぞ?あの二人だって逃げて消えちまえば方っておくさ。
だがな、俺のまわりをウロチョロされると話は別だ。消さなきゃならなくなる。」
「消す」って言葉を聞いてヒロフミさんがビクっとした。
俺もその場に座り込んだ。居間の入り口にヒロフミさん。その横に俺。テレビの前にはセンセイが立ってる。
センセイの演説は続いた。俺達は何も言い返せない。
「それでまぁ家を張らせてもらった。家に居るとすれば、いつかは出てくる。飯も買わなきゃ生きていけないだろ。
そしたら二日目にしてコイツが登場した。顔は覚えていたよ。車の後ろをウロチョロしてたヤツってな。」
ひぃぃとヒロフミさんが小さく悲鳴をあげた。恐怖で身体が縮こまってる。
俺は・・・あまりに突然の登場だったので怖がる暇が無かった。完全に神経がマヒしてた。
「捕まえて絞り上げたらすぐに吐いたよ。ネットでのちょっかいはオマエラの仕業だってな。」
すまない・・・・すまない・・・とヒロフミさんの声。良く顔を見ると、赤く腫れてた。
「もうすぐココにアノ二人が戻ってくるんだって?好都合だよ。ついでに消しとく。」
今度は俺が声を上げた。「なんで・・・なんでユウイチが俺だって・・・・」
聞いてみたら実に簡単な理由だった。
「はぁ?自分で言ってたじゃねぇか。渡部サンのコト義理の姉だって。そしたら川口の弟しか考えられないだろ?」
う・・・・・あ・・・・・でも・・・ならもっと前からわかってたはず・・・・・
センセイは続けた。
「最初はわかんなかったんだけどな。最近カイザー・・・風見の本名思い出してから色々考えたんだよ。
そしたら以前遠藤ハメる時、川口に弟がいたコト思い出してね。こりゃ繋がりあるだろう、と。
もっとも、渡部サンに本当に弟がいたのは計算外だったんだがな。」
ヒロフミさんがガタガタ震えてる。ああ、結構喋っちゃったんだな・・・
次の質問など考える暇もなく、とても嫌な嫌な宣告をされた。
「とりあえず、な。奴等が戻るまでココで待たせてもらう。世話んなるよ。よろしく。」
ケケケと笑い声を上げた。
それってつまり・・・ウチに居着くと?
俺がそう考えた瞬間だった。ヒロフミさんが逃げ出したのは。
倒れてた素早く身を起こし、ドアに吸い付いた。が、開かない。
センセイはご丁寧にカギを閉めてた。慌ててカギを開けようとするヒロフミさん・・・
焦ってるせいかうまくいかない。ようやくガチャンとカギが開いた。
・・・一瞬の出来事だった。
視界の外にいたセンセイが風のようにやってきた。

ゴキッ

何かが折れる鈍い音。
同時に「ぐぇぇ」と動物のような鳴き声が聞こえた。
それはとてもおかしな光景だった。
ヒロフミさんは外へ出ようとドアに向かって立っていた。
なのに顔だけはこっちを向いている。
逆さまになって。
センセイの左手はヒロフミさんの首根っこを捕らえ、右手には髪の毛をガッチリ掴んでる。
左手を話すと、身体がフラリと揺れて崩れた。
掴んでた髪がブチブチと抜け、ヒロフミさんの身体がバタンと倒れた。
仰向けになったヒロフミさん。目はカッと見開いていて俺と目があった。
俺は目を反らすことが出来ず、濁った目を見続けた。
何が起きたんだ?
突拍子もない出来事続きで思考回路が上手く回らなくなってた。
瞬きしてなかったので目が痛み、その痛みでようやくアタマが動いた。
そうだ。ヒロフミさんは逃げようとしてセンセイに首をへし折られたんだ。
ってコトは・・・・・死・・・・・・・・・・・
死んだ?
え?そんなあっけなく?
ヒロフミさん、殺された?
それを理解したとき、俺のマトモな神経はブッ飛んだ。
糸が切れたようにズルズルと倒れ込む。
うつぶせになってアタマを空にした。
ガチャンと再びカギを閉める音が聞こえる。
その次はセンセイの息づかいが異様にアタマに響いてた。
そして聞こえてくるおぞましい声。
「耐えきれなくなったか。まぁいい。これから奴等が来るまでの間、仲良くしようぜ・・・」
ケケケと笑い声。妙な笑い方だ。
意識が飛んだ。

目覚めるとヒロフミさんが目を開けたまま壁に立てかけられてた。
首が異様なほど横に曲がってこっちを見つめてる。目は開いたままだ。
身体にぶら下がったアタマが肩の上に置かれてる。
そんな感じだった。
どう見ても、死んでる。
死体。
ちょい前まで普通に話してたのに、もう話すことはできない。
俺はヨロヨロと立ち上がるとパソコンの電源を入れた。
居間に座り込んでるセンセイが「お、起きたのか」と声をかけてくれた。
「なんだパソコン2台あんのかよ。羨ましいネェ」
冷やかしてきた。
センセイはデスクトップの方に電源を入れて何かを始めた。
俺はこっちで日記を書いてる。
さっきのぞき込まれて「なんだ日記書いてんのか。俺のことあんま悪い風に書くんじゃないぞ。」って言われた。
今また声をかけられた。
「ネットとかで助けを求めてもいいんだぞ。ま、そしたら逃げるけどな!」
またケケケと笑ってる。
つーか俺、なんで日記書いてんだ。
つーかヒロフミさんこっち見てるし。死んでんのに。
つーか俺、怖くねぇのかよ。
何だよ俺。
意味わかんねぇよ。
兄貴はどうしたよ。

いとしき


投稿を違反報告 / ブロック



コメントをするにはログインが必要です : ログイン


4月27日 土ようび はれ
いとしき 2

てゆうかもうおわってるっぽいです。 あつし君とこうえんの近くでボスを見かけま...


4月26日 金ようび あめ
いとしき 2

あめの中、ぼくと村上さんはずっとこうえんでまってました。 ずっとまっててもう...


4月25日 木ようび くもり
いとしき 3

ついにくるべき日がやってきました。 あつし君がボスからのメッセージをあずかっ...



雑談 ともぼ 友達募集 友募 募集 御友達募集 イラリク募集 お知らせ 拡散 拡散希望 把握会