3.11

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最高ランク : 22 , 更新： 2016/03/11 8:04:02

「えーと、明日の持ち物は……」

今でもはっきり覚えている。
3月11日、2時46分。
ガタガタガタッ！
地震が来た。
私は何が何だか分からず、防災訓練で習ったことも、親に教えられたこともすべて吹っ飛び、先生に言われてやっと机の中に入った。
とても大きな地震。机の上の物が落ちる音が聞こえた。
「地震がおさまりました。余震が来る可能性があるので、直ちに児童は校庭へ避難すること。教職員は避難後、児童の人数を報告すること。」
教頭先生の指示で、私たちは校庭へ避難することになった。
少なくとも、「いつも」ではない。それだけが、当時小学一年生だった私に分かったことだった。

しばらくして、保護者が迎えに来た。私の家は、お母さんと当時1歳の弟が来ていた。
家に帰って、お母さんがテレビをつけるとチャンネルは1に合わせられていた。
ふと、父の部屋に目を向けると、無惨な光景が広がった。
本棚は倒れ、椅子は元の位置から大きく動き、机の上の物もバラバラ。
その時、余震がきた。
母は弟を連れ机の中に。私も続いて中に入った。
あかりは揺れ、私の体や母の体、床もゼリーのように揺れた。

私はこの時をはっきりと覚えている。否、忘れることは無いだろう。

被災地の復興と、亡くなられた方の御冥福を祈って……

-黙祷-