おちてる、おちてく。

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気づけば、目で追うようになってた。

「…これ、あっちに落ちてたよ？」

これがアイツとの初めての会話

かれこれ2年前？今となっては懐かしい記憶

2年前の春、駅で定期券をオトシた俺に声をかけてくれたのがきっかけでいつのまにかアイツに想いを寄せるようになった。

友達と話してる時に見せる笑顔、優しい声、ちょっと話すスピードがゆっくりだけど言葉の重みを知ってる、そんなアイツに。

学校って退屈なことばっかで飽き飽きするけど、
移動教室の化学の授業の時だけ、その50分が俺にとってかけがえのない時間なんだよなー

俺の席は窓際で、いい感じに日の光が入ってくる、まさにお昼寝スポット

でも俺に寝てる暇なんてない

「ねーまってよー！！！わぁー！！今のシュート、いいね！」

ちょうどアイツのクラスは体育の授業
きらっきらの笑顔を見るチャンスだからな、寝るわけにはいかねぇんだよ笑

何事にもいちいち元気で、全力で。
日に日に好きが増すばっか

でも現実はそう甘くない

これはあくまで噂だけど、隣のクラスの委員長と付き合ってるらしい。

だけど、想うことをそう簡単にやめられないのが男

彼氏がいても、好きなもんは好きだし。

外のアイツを見てると50分なんか秒だから、もちろん授業には集中できない
慌てて黒板の内容をノートに書き写す

〈おーいいくぞ！〉

『お、おう！』

それから2時間が過ぎてようやく昼休み

『あれ、っかしいなぁー…』

〈なんかあったのか？〉

『いやポッケに入れてたのに、なくなってんだよ。どっかで落としちまったか…』

俺がいつもポッケに入れてる定期券が姿を晦ました
まじかよー…あれ、アイツが拾ってくれたヤツなのに

〈…ふっ、ふはっはは！！お前ほんとおもしれぇな笑笑！！！〉

『あんだよ！……おめえ、もしかして盗んだのか？！』

〈んなことしねーよ！…俺はお前の手伝いしただけだって笑〉

コイツ…ぜってぇ持ってるな！！！

俺の席を陣取ってニヤつくコイツをよそに、鞄を漁ってるとふと懐かしい記憶が蘇る

「あのー、これ！化学教室に忘れてたよ？」

今アイツの声がしたような…

いや、まさか笑
鞄を漁る手を止めて考えてみるけど、アイツが俺のこと覚えてる可能性なんかねえし…
空耳か。

んー、やっぱねぇなー…

「……もしもーし、え、私のこと見えないとか？笑」

〈お前、シカトはやばいって笑〉

もう一度手を止めて顔を上げると、そこには俺の定期を握ったアイツが。

なんでいんの？！てか近いし、なんか俺のダチと仲良くなってるし、え？はぁ？！

『…あ、ありがと。』

「もうおとしちゃだめだよー？知らない人に悪用されちゃうかも。」

君が事件に巻き込まれちゃうなんて考えらんないもん！！と頬を膨らます

や、やばい…かわいい

『っ、…さんきゅーな、』

「じゃあねー、私次家庭科なの。……バイバーイ！」

『おう』

〈…おい、鼻の下のびてんぞ〉

『うっせえよ！！』

そういえば受け取った時、妙に定期券厚みあったような…

急いでポッケから出してファスナーを開ける

『…ん？』

四つに折り畳まれた紙
俺こんなの入れた覚えねぇぞ…？

貴方がおとした日、あの日からずっと、好きです。

『っ、！』

俺は走った
もうすぐチャイムが鳴ろうが、ダチに変な目で見られようが関係ない

アイツが俺のことを…好き？
本当に、本当にそうなのか？

もし、もしそうなら。
可能性を信じていいのなら、今すぐにでも想いを伝えたい、そう思った時には体が勝手に動いてた

ダッシュで階段を駆け上がって三階の廊下にアイツを探した

まだアイツは廊下を歩いてた。一人だ

『なあ！！』

大声で呼び止めると、一瞬びくっとして、ドラマみたいに髪を靡かせながら振り向いた

「んー？…あーっ！！！」

目を大きく見開いて俺を捉えたその瞳に今にも吸い込まれそうだ

そして何かに気づいたのか、はっとしている様子

「あ、もしかしてその紙見た？………実は私『俺は！！』」

『俺は、お前が好きだ。お前は隣のクラスの委員長のことが好きかもしんねぇけど、俺はお前が好き。』

「……ふふっ、私だって好きだよ。」

頬を赤らめて小さく呟く君の姿に、俺はオトサれてく。

end

いみちぇん&嵐大好きれいなさん、リクエストありがとうございました。
ご期待にそえたお話をお届け出来てますでしょうか…？少々わかりにくい日本語が入ってるかと思いますが、ご了承ください。

またのご利用お待ちしております。

してく