✉ฺ✈ฺ 《焦れる淡恋》✴✴✴短編その①

あさひめ 短編集
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よく分からないけど、人間って単純だなって。来いって単純だなって思う。
少しのことで争ったりするし、誓い合ったくせにすぐ離れていく。それだけのものなのか、いや、それだけのものなのだ。きっと。


「いつまでも、待ってるから」
あの時の約束という名の愛は、掠れて見えなくなってしまった。
君は少し微笑んで、
「待っていて」
と言った。笑っているはずなのに、切ない感じがする、不思議な表情の君だった。


そうか、そうだったんだよね。


「やっぱり、待たないで」

鋭く、そして重く突き刺さった言葉。
とても短い言葉なのに、それは足枷のように私の足首にまとわりつき、歩みを遅くする。


(もう遅いのかな)
一瞬の戸惑い。そして諦め。


「そう、わかった」
強く噛んだ唇は、鉄の味が滲んでいた。






待っててって言ったのに、君は待ってくれなかった。
待ってって言ったのに、君は待たせてくれなかった。


……そんな文句も言わせてくれなかったじゃんか。ずるいよ。


「じゃあ、あれはなんだったの?」
呟きは、涙と共に雨空へと溶けてゆく。


…あの時。
日が優しく降り注ぐ病室で。

君は私にこう言ったんだ。


「……××××」

白い世界が見えた気がした。

あめもぐ


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やっばめっちゃくちゃはずかしい

あめもぐ
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