無題.

藍色の記録
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最高ランク : 4 , 更新: 2024/01/09 12:24:34












ねえ、あのさ。
ちょっと僕のお話、聞いてくれないかな…?




…例えば、僕達の過ごしている世界とは全く別の世界があって、その世界にも僕達人間が暮らしてて、文明が僕達の世界よりも発達していて…僕達の世界じゃあり得ないような、非日常の事がその世界では当たり前になっているような…そんな世界が、あったとしたら?

僕なら、その世界に行くことを望むよ。
例え望んでも行く事が出来なくても…夢を見る事、望む事はタダでしょう?
…只、望んでいただけ…そんな、ありふれた夢を見ていただけなのに。
どうしてそんな夢が、望んだ事が現実になってしまったのだろう?
そして何より、何故僕なんかが選ばれてしまったのだろうか。
今となっては分からないし、分かろうだなんて思わない。
分かりたいとも思わないし、過去を思い出したくなんてない。

どうして、か…
…今は、この、"ありえない"が沢山溢れた世界の住人になった。
昔の僕には分からない、解ることが出来なかった感情を沢山教えてくれる友達が過ごす世界に……僕は、迷い込んでしまったのだから。
…ふふ、じゃあ今、君の前でこうやってお話をしている僕は一体どの僕なんだろうね?
気にすることはないよ、だって…
今君の目の前にいる僕は、この世界に残った僕のひとかけらで、僕はあっちで過ごす僕の眼を借りて話しているに過ぎないからね。
もうじき僕は消えて、僕の存在は或る一定の人間に…僕と関わりのある人間にだけ存在する記憶のみになってしまうんだ。

…ああ、くれぐれもこっち側に来ようなんてそんな馬鹿みたいな考え、持たない方がいい。
それと、僕を知る人間との接触も避けた方がいいよ。
…何故かって?
こっち側に来ようとして間違った行動を取られると…君の命が危ないからね。
僕の事は……多分、聞いてしまうと胸糞悪くなると思うから。
それでも良いなら調べでもして聞いてみなよ。無駄だと思うけれど、ふふ。

…ここまで話を聞いてくれてありがとう、君は見たところ…うん、人生に一度も嫌気が差したことはないみたいだね、良かった良かった。
君はそのまま幸せに生きて欲しいなあ。

じゃあね、願わくば二度と会う事が無い事を祈るよ。
さようなら、やさしい少女よ。


















『最後私に彼女が別れを告げる時、少しだけ表情が曇った様に見えたのです。
彼女は心の奥に、どれだけの闇を抱えているのか……私には、読み取る事が出来ませんでした。
ですが…彼女は今も何処かで幸せに暮らしている…そんな気が、するのです。』













現在失踪している筈の宮崎ましろが語った或る話とそれを聞いた少女の言葉
しかし、現実世界に残った宮崎ましろのひとかけらは、話す人物によって違う世界に迷い込んだのと過去は思い出したくないという根本的な内容は変わらないものの、一部の内容が変わるのだとか。

創作

あいいろ


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いらろぐ
2024/04/28 0:19:14 あいいろ 4


いらろぐ
2024/03/07 17:29:48 あいいろ 3


いらろ
2024/02/02 11:38:52 あいいろ 2 4



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