承認欲求（小説）

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最高ランク : 6 , 更新： 2022/08/03 18:07:12

承認欲求とは誰にでもあると思う。

もちろん僕にもある。

というか僕は承認欲求の塊みたいなもんだ。

誰かに認められたいから何かする。

誰かに褒めてほしいから行動をおこす。

いつだってそうやってきた。

認めてもらうために誰よりも努力した。

それなのに。

それなのにそれなのに。

それなのにそれなのにそれなのにそれなのにそれなのにそれなのにそれなのにそれなのに

「相変わらずアンタは成長してないわね。」

なんで認めてくれないの。

「アンタの妹はこんなに可愛くて愛想も良いし、頭も良い。」

僕だって頑張ってる。

けど空気読めないんだもん。

顔だって変えられないよ。

「アンタのお兄ちゃんはしっかりしてて勉強だって出来るのよ？お友達だってたくさんいるし…」

僕だって…僕だって頑張ってるよ？

けどどうしてもテストの点数伸びないんだもん。

テスト勉強の時間も毎回増やして頑張ってるよ？

でも無理なんだもん。

頭の容量は変えられないよ。

コミュ障なのは仕方ないじゃん。

人と話すの苦手なんだよ。

どうして僕の悪いところばっかり見るの？

どうして良いとこ見てくれないの？

どうして褒めてくれないの？

褒めてよ。褒めてくれたらもっと頑張れるからさ。

どうして僕の趣味を否定するの？

どうして他の人と比べるの？

僕は僕じゃダメなの？

「アンタってほんとに出来損ないだね。いっそ生まれてこなかった方が良かったんじゃない？」

………………あ、死んだら認めてくれる？

僕の事認めてくれる？

生きてる価値はなくても死ぬ価値はある？

なら死ぬね。

それで認めてくれるなら。

ﾋﾟｯﾋﾟｯﾋﾟｯﾋﾟｯ…

「…あの子の様子はどうですか？」

「今日もずっとぶつぶつと何かを呟いてますよ。体の傷はもう治っているので、後は精神の問題です。」

「…そうですか。」

「お母さん、貴方が気を確かに持たないでどうするんですか。貴方のお子さんはいつか治りますよ。これは絶対です。」

「…はい。ありがとうございます、先生。」

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

「…ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ」

「…毎日毎日ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ呟いて楽しい？変な妄想でもしてるのかな？…ほんとお気楽で良いね。」

「いきなり飛び降り自○なんてしたと思ったらこの有様よ。ほんと…嫌になるわ。」

「アンタなんか生まれなければ私は幸せだったのに。この出来損ないが。」