【テニプリ短編(腐)】呼んでほしいのは、【82】

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いきなりだが、俺はひろ…柳生と付き合っちょる。
お互い相性も良いし、一緒にいて楽しい。

…の、だが。

俺はひとつだけ、ひろに不満があった。
それは……

「ひろ、今日は一緒に帰れるんか?」
「はい、大丈夫ですよ。…仁王くんのことですから、今日も買い食いする気でしょう」
「…ひろ」
「はい?」
「ひろ」
「仁王くん?」
「…ひろの阿呆」
はよ、気付きんしゃい。

そう、ひとつだけの不満とは……名前で呼んでくれないこと。

「ひろ」
「だから、何が言いたいんですか…?」
「…もーエエ。やっぱり俺一人で帰るぜよ」
「え、ちょっ…仁王くん!?」

気付いてもらいたくて、でも上手くいかなくて。
寂しくなって、部室から飛び出した。

逃げた先は、体育館裏。
嫌なことがあったら、ここに来るのが俺の癖。
ここなら、あまり見つからないし。

「俺ばっかりが好きみたいじゃろ…」
求めてるのが俺だけみたいに思えてきて、苦しくなる。
涙が出そうになって、体育座りして顔をうずめた。
「…ひろの阿呆、馬鹿、何が紳士じゃ…」
次第に堪えきれなくなって、ポロポロと零れ落ちる涙。
しばらく、顔をうずめて泣いていると。

「…見つけましたよ、仁王くん」
「ッ、ひ、ろ」
「顔、上げてください」
「……嫌、じゃ」

きっと今、泣いていたせいで酷い顔になっちょるだろうし。
なんて、言えないけど。

「…泣いていたから、ですか?」
「っえ……」
なんで分かった、と口にする前に抱きしめられた。
「あなたの寂しさに、気付けなくてすいません。」
「ひろ…」
「雅治くん」
「!!……次からは、そう呼ばんと怒るけんの」

恥ずかしくなってひろの肩に顔を伏せると、小さく笑い声が聞こえた。

「…笑うな、阿呆」
「雅治くんが可愛すぎて、つい」
「っな!!…もうそれ以上言うな!!」

こいつ、こんなに恥ずかしいことをさらりと言う奴だっただろうか。

「顔、真っ赤ですよ」
「誰のせいじゃと思っとるんじゃ…まったく」

顔を見合わせてクスリと笑うと、短くキスをした。
どちらからともなく。

夕日がそんな俺たちを、柔らかく照らしていた―――…

fin

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妄想の詰め合わせです。(笑)しかも授業中に書いたやつです(笑)
ひろ、って呼ぶ仁王はかわいいと思うの。絶対。
雅治くん呼びの柳生もかわいいと思う。
仁王は本心を見せない、本音を言わない(詐欺で隠す)子だろうからそういうのを
ちゃんと察して感じ取ってあげる子(柳生)が必要なんでしょうね。
…という俺の脳内妄想設定(笑)
柳生には甘えんぼな仁王と、仁王を目一杯甘やかす柳生のコンビは最高(^q^)b
まあでもとにかく、82でも28でもなんだかんだ甘え合う二人がいれば良いと思うb

次は赤柳か幸真かジロブンかブンジロが書きたいな～と思ってます(笑)

閲覧ありがとうございました(^-^)