「青写真」を描く、ということ（2019/06/11）

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最高ランク : 3 , 更新： 2019/09/20 1:44:31

「青写真」とはどういう意味なのか。

何度か耳にしてはいたことばだけれど、意味なんてそんなもの考えたこともなかった。

近頃、特に受験戦争を終えてからというもの、語彙力が衰えてきているなとは薄々感じてはいたのだけれど、わからない言葉をわからないままに放っておいてしまっていたことに気づいて、今更ながら戦慄している。

高校生だったころの馬鹿真面目なわたしなら、すぐに辞書を開いてその言葉の意味をB6のノートにまとめて、いつも見返すようにしていたはずだ。

あぁ、こうやっていろいろなことに関心を失って大人になってゆくのかな、なんてどこか他人事のように頭の中で分析していたのだけれど。

いや、まてよ。このままじゃだめだろ。

そう思いなおして、今日から息の詰まらない程度にさまざまなことを勉強しなおすことにした。

最近はもっぱら電子書籍を読み漁っていたのだけれど、それを紙媒体のもの——活字に戻して、読んでいく中でわからない言葉が出てくればその都度それを調べて、昔やっていたようにノートにまとめる。

ちなみにそのノートのサイズだけれど、もちろんB6である。

周りからは一見無駄な労力を使っているようにしか思われないかもしれないけれど、いざ自分の手で文字を書くとなると、これは今の自分に必要な行為であるということに気づいた。

文字を、特にすこしややこしい類の漢字などをささっと書くことが難しくなっていたのだ。

考えてみれば、最近はスマートフォンで文字をフリックして入力することしかしていなかった。

あれ、なんだっけあの漢字。ぼんやりとは浮かんでくるんだけどな。

書いているとこれの繰り返し。

趣味は読書です、だなんて誰が聞いても呆れるほどのこの有様である。

とりあえず地道にこつこつ勉強を続けていこう。

話がひどく脱線してしまったけれど、冒頭ででてきた「青写真」、これは設計図という意味で用いられることばである。

もともと別の意味で名詞として使われていて、ことばだけが現代に残り、言い回しとしてのみ用いられるようになったものであるらしいのだけれど。

まぁ、難しいことはひとまず置いておくことにしよう。

大学生になってから、よく「しっかりと青写真を描いておくべきだ」と言われるようになった。

要するに、人生設計をしっかり考えておきなさいということである。

何歳でこれをして、あの企業に就職して～といったもの。

わたしの知己はみんなとっくの昔にそれを決めて描き終わっているようで、まだまっさらなキャンバスを抱えてのんびりと空を眺めているわたしを見ては、心配した様子で声をかけてくる。

「そろそろ真剣に描き始めた方がいいんじゃない？」

そのことばと好意はほんとうに有り難いのだけれど、もうちょっとよく見てほしい、そしてその上でそれを全否定しないでほしいなと思う。

そりゃあ君たちのように極彩色で描くことはできていないけれど、うっすらと細かい、けれど凝ったものをわたしなりにしっかりと描いているのに。

世間一般から「エリート」と称されるような彼らには理解しがたい作風なのかもしれないけれど、それを見て見ぬふりをして「なかったこと」にしてしまうのは少しひどいのではないか。

ありきたりな言い回しを使うけれど、人生なんてほんとうに十人十色である。

マジョリティーのお手本の作図とカラーリングが100パーセント正しい、なんてことはないのだ。

人様に迷惑をかけなければ、たとえスプレーを使ったってモノクロでグレースケールをフル活用したって、自由に表現したっていいはすなのだ。

なのになんでこんなに肩身が狭いんだろう。

こんな風に考えてしまうのは今日のこの曇天のせいなのかもしれない。

空いちめんが白で埋め尽くされていて、まるでキャンバスのよう。

すこし濁った白だけれど、下書きをするにはこれくらいのものがちょうどいいだろう。

顔を上げてゆっくりと脳内で筆を握ったなら、この空のキャンバスに自分なりのものを描いていけばいい。

たとえそれが今はデフォルメの青写真だったとしても。

多分のこの時進路のこと考えすぎて疲れてたんだろうなあ(笑)
今もまだ悩んでるけどこの時よりは多分まし。