君への手紙(〇周忌追伸文) 「いつか、また会えたなら…」

手紙 しんどい 悲しみ
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最高ランク : 31 , 更新: 2020/08/30 3:47:59

愛犬へ

君が死んで何年たっただろうか。
小さい頃の夏休み、私は君が居る親戚の家へよく遊びに行ってたっけ。
まさか、小2で君に会えるのが最期だったとは思わなかった。
去り行く車。その後部席の窓から君と親戚、
君の居る家を見ながら帰った。

ーそれから、一か月後。
親戚が引っ越すことになり、母がお手伝いに行った。
母が帰ってきて、昼ご飯の焼きそばをさあ食べようというときに、
母は突然話したよ。「君の死」を。
私は泣いた。大げさに言えば、テイッシュひと箱使い切るぐらいに。

ー死因は、転落死。
親戚がご飯の時間になり、「ご飯よ」と声をかければ
二階から顔を覗かせた君。



ーそこまでは、よかった。



君は足を滑らせ、二階の階段から落ちた。
元々心臓の弱かった君は、そのまま死んでしまった。


ー目を瞑って「君との思い出は?」なんて言われれば、
親戚に「○○は?」と聞いて、
「二階に居るよ。
アンタに懐いてずっと探してたみたいだから早く行っておやり。」
なんて言われて嬉しかった。
階段を上ってドアを開ければ
悲しそうに窓の向こうを暗闇の中ベッドに座り見ていた君。
「○○」と名前をかけ、電気をつけてあげれば振り向いて、
嬉しそうにベッドから降り、尻尾を振りながら
私のところまでかけてきてくれたね。

あと、散歩のときに見える橋が赤だったり、青だったりと
ランダムに光ってて、虹色もあって、それになったときは喜んだ。

散歩の途中、ライオンを飼っている人に会った。

本当にライオンだったかはわからない。もう何年も前、
しかも小さいころの記憶だ。ありったけの記憶を集めたけど、
今思えばライオンにしか見えなかった。

しかし当時の私は「ライオン」と言うものを知らなくて、
私は近づいて行ってしまった。君は吠えた。

「危険だよ」と言うように。

しかし小さかった私には
わからず、近づいてしまい、案の定、おでこを噛まれた。
謝りあう飼い主と私の母。(父は仕事で忙しく、
また親も県をすごくまたぐため特別な日しか来ない。)

君は「守れなかった」と震えていたね。悪いのは私なのに。

それに、君が初めて何も言わずに「お座り」をしたときも覚えてる。


ーそうそう、最近、親戚が家に泊まりに来たんだ。私の従妹も連れて。


ー君は、覚えているかな。従妹の事。

まだ君が生きていた時には、赤ちゃんだったかな。

「わんわん、わんわん」と、最近覚えたばっかの言葉で
君を追いかけまわし、君の名前を教えても「わんわん」しか
言わなかった。

それに従妹は(先ほど話したベッドで)親戚と一緒に寝る。
その時犬の毛があって、

「間違って食べたり吸い込んだりしたら大変だ」

と、
君はそれ以来、そのベッドに乗ることを許されなかった。
だから寂しくて、悲しくて。
乗ろうとするたび「○○!」と親戚に怒られて。
この三つの感情があふれて、君はよく私の寝る布団に潜ったね。
その割には沢山おもらししてもっと怒られてたよね(笑)

ーでも、


幸せだったよ。



従妹が赤ちゃんの時、昔一回しかここに泊まらなくて、
最近やっと来たかと思えばもう小学生になるんだって。

ーそれから三日目。親戚から君の死の詳細を聞いた。



ー君は、目が悪かったんだね。



それは、私が帰って一週間後のこと。君は目を悪くし、
幸い見えないまでにはならなかったけど、視界は暗くてぼんやりとした
状態だったって。それで、足を滑らせたのは覗き込んだ場所に階段の段
が見えて踏んだはずが落ちたって。見ていた親戚が慌てて駆け寄り
君の名前を何回も叫んで、叫んで。泣きながら叫んで。

ーでも、君は「キュン、キュン…」と言うばかりでとうとうすごく
小さい声で「キュン…」。



そのまま…



ー私は、時々罪悪感にさいなまられる。

私が泊まりに君のとこへ行った際、
君は階段が怖くて降りることも上ることも出来なくて。
よく親戚に抱きかかえられて上り下りしてたね。
それで私が上り下りの仕方を教えて。


ーもしあの時、教えていなかったら。
君は今も生きていて、親戚に抱えられていたんだろうね。

でも「君は怒ってない」って、親戚は言ってくれた。


「最期のとき、何十年も付き合ってきた私やアンタのお母さん、
そしてその兄弟、姉妹、今はもういない、
一番なついていたおじいちゃんよりもなついていたアンタに
看取ってもらえず、私だけが看取ったのが心残りじゃないんだろうかね。
きっとできなかった分、アンタの死期には見送りに来てくれると思うよ。
そして死んだら一緒に逝っておやり。
きっとついでに迎えに来たんだろうから。
看取れなかった分、アンタを看取れたら…

ーそれが、」



一番の償いさ



ー…「アンタにとってはね」
と、最後に親戚はこう付け足していたずらっぽく笑っていた。




ー大好きな、親愛なる愛犬…


チャーリー。




君の事は忘れない。

もう吠え声…、覚えてるけど
私の空想の吠え声かもしれないという不安はある。

けど、君の姿を覚え続ける自信はあるよ。

私が死ぬ前、是非看取りに来てね。

君と一緒に天国へ行けるかはこの先未来、
わからないけれど。いつかあの世に行ったとき、



君とまた一緒にー…



紫蒼 夢

しょぅゆ。


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