*余命十年の君へ
お知らせ フォロワー 小説最高ランク : 3 , 更新: 2023/03/02 6:38:27
※注意
・相も変わらない駄文
・そろそろスマホを買いに行く
・そしたら創作開始かなぁ
・うまく描けるのかこれ…???
・ちなみにこのお話が、いつぞやの倫理さんと修身さんの漫画になります
「余命十年…ですか?」
簡素で和を感じさせる小さな屋敷の中、そんな声が響く。
袴に羽織を着た黒髪の青年は修身といい、
今まで日本語の出身地にて道徳の代わりを務めてきた教科だ。
「あぁ」
そんな青年の目前で、白衣の中に白い軍服を着た女性が頷く。
彼女は保健という教科で、戦後忙しい合間を縫って
修身の元へ会いに来たのだ。
―――残りの寿命を、告げるために。
「今すぐに消えるわけではない。でも、人間はちゃくちゃくと修身から道徳へと変える準備を進めている」
「だからもってあと十年…ですか」
戦後、ふさわしくないものとして人間達に認定されてしまった修身。
戦が終わり平和な時代が訪れつつある今に、彼はいらないのだ。
「…道徳には会ったか?」
そう言うと、修身は困ったように眉を下げる。
「会ったというか、会いに来られましたよ」
久々に見た道徳の顔はものすごいものだった。
目は腫れ、髪はぱさつき、頬に涙の跡、手は枯れた木のようで。
「ずっと震えて、「ごめんなさい」を繰り返していました」
「…そうか」
別に、彼が謝る事ではないのですけどねと修身は苦笑する。
それを保健はただ黙って見るしかなかった。
「へぇ~、余命十年かぁ~」
英語の出身地、そこの港で随分のんびりとした声が響く。
男子用のセーラー服に似た服を着た青年は倫理といった。
「…どうしたんだ、それは」
修身と同じく倫理の目前で白衣の中に白い軍服を着た保健は、
呆れたように倫理を見つめた。
「それって…紅茶の入った箱を運んでるんだよ?」
「違うそうじゃない、私が聞いているのはその頬だ」
軽くピンク色に染まった左側の頬。
はたから見ればただ顔が赤くなっているだけにしか見えないだろう、
しかしそこは保健だ、そうじゃないということぐらいわかる。
「あ~これね、初期英語さんに怒られちゃって」
「何をしたんだ…」
「仕事してる傍で女の子ナンパしたら怒られちゃった!」
「何をしているんだ…」
「だから今ご機嫌取りに紅茶入れようと思って」
「だからって箱ごとはいらんだろう箱ごとは」
なおさら呆れたような目で倫理を見つめる。
言語教科は今忙しい時期なのだ。
なにせ、戦後だから。
色んな場所を歩いては交渉、歩いては会談、歩いては条約の締結…
そんな時目の前でナンパされては確かに溜まったものではない。
・・・そうでなくても、フランス語はいつも殴られているが。
「…彼が、今すぐに消えるわけではない。でも、人間はちゃくちゃくと修身から道徳へと変える準備を進めている。これは彼にも言った」
「そっか、だから十年なんだね」
咳払いをし、話を元に戻せば倫理はそう言った。
「政治と経済…あと、歴史地理の二人はどこ行ったんだ?」
そう言うと、倫理は港すぐそばの海を見つめた。
「最近、新しい教科が生まれたでしょ?政治は国際の連盟から連合への手続きとか処理をするのに手いっぱいだし、戦後だから経済は経済であっちこっちに引く手数多だし、歴史はその教科を忙しい合間で育てるのに夢中だし、地理は地理でどこにいるかわからないし…」
地理従姉さんホントすぐどっか行っちゃうんだよ~と倫理は愚痴る。
そういえば最近、歴史が私の所を訪ねて来たなと保健は思い返した。
なるほど、新しい教科を育てるためか。
歴史にとっては数千年ぶりの妹、
そして倫理達にとっては数百年ぶり、しかも初めての従妹だ。
「それで、余命を言うためにオレのとこ来たんじゃないでしょ?」
紅茶の箱を持ったまま倫理は笑う。
流石は倫理…人間生活の中踏み行うべき規範の筋道を具現化した教科だ。
「…貴方は修身の親友だろう?」
「うん、何故かすごく気が合うんだ」
「そんな貴方に頼みがある」
以前修身へ余命を伝えに言った時。
最後に笑う修身の顔が脳裏に蘇った。
そしてそれだけじゃない、修身の元を訪ね帰るところ。
修身の家の前で悲しそうにたたずんでいた古語の姿を。
書写から聞いたところによると、修身と古語が話した際、
古語は泣きながら修身に消えないで、と言ったらしい。
彼女にとってはおそらく、初めてのお別れなのだろう。
1000年を生きた彼女と言えど出身地が出身地なので、
交流が中国語や日本語、書写、地理ぐらいしかいなかった。
日本語との別れは一度あったが、今回は初めての死別を迎える事になる。
「この十年…なんでもいい。貴方なりでいいから、修身の傍にいてあげてくれないか」
「オレが?」
「古語や日本語は泣いて修身の消滅を受け止められていない。…それは私達も同じだが、彼女達は特に酷い。書写は二人の傍にいるから……」
そこまで言えば、倫理は笑った。
「わかった、いいよ」
「本当か?」
「うん。それに…彼が最期独りで消えていくなんて嫌じゃん」
うんしょ、と倫理の体が動き、箱の持ち位置を変える。
「任せてよ。この倫理が、「もう思い残すことはない」ってぐらい修身の傍でいっぱい色んなことするから!」
まずは遊ぶでしょ、それでご飯食べてお風呂入って一緒に寝て~…
そう笑顔で思い浮かべる倫理に、保健も心なしか笑顔になった。
余命十年の君へ。
きっと最期は…最期だけは、幸せであるように。
彼はきっと最期、己の手で消えるだろう。
本当に消えてしまう前、自らの手で。
だから、それまでは…
どうか、どうか。
幸せでありますように。
り、倫理さん……!!
最期に消えてしまう時までは、と幸せを願うとは……すごい!!(語彙の低下)
イカノシヲカラ
2023/03/02 6:40:10 違反報告 リンク
ヴァッ(死体)
シリアスはとても体に良い傾向があると研究結果が出るくらいには好きな文章。
好き…(語彙力の限界)
紫葡萄
2023/03/02 7:04:02 違反報告 リンク
イカノシヲカラ
ちなみにどう消えたかはいつぞやの小説にて…(ニッコリ)
紫月ちゃん
シリアスを与えて皆が苦しんでいるのを見ると
とっても体がテカテカするのよね(黒笑)
しょぅゆ。
2023/03/02 7:05:49 違反報告 リンク
しょぅゆ。ちゃんまぢ文才ぁりまくりぢゃん!?羨ま(>人<;)ナムナム
狂姫
2023/03/02 7:23:45 違反報告 リンク
マジですか…ありがと!!!><
しょぅゆ。
2023/03/02 8:13:34 違反報告 リンク
やっぱ泣けるわ!
最後の『余命十年の君へ。』って分の後が
悲しくなってきて、
『幸せでありますように。』ってゆうのが心に刺さって、
泣きました😭
꒰ა✞継澪✞໒꒱
2023/03/02 8:21:58 違反報告 リンク
うわ、もうダメだ。せっかく涙腺に築き上げたダムが決壊……((
もうダメだ。推しが増えてしぬ。しかもその推しもう消えててしぬ。
おやすみなさい((
あたおかほっとこーき
2023/03/02 8:39:09 違反報告 リンク
紫月ちゃん
そういうの得意なのよフフフフフ(キラキラ)
ほっさん
消滅からもう70年ぐらい経ってるからねぇ…
公民さんは消滅時10歳で、
(体が消滅済みなので形だけの)葬式にのみ参加していまする、
なので一応(写真だけど)ギリギリ対面してるん。
擬人化済みの教科で対面していないのは生活科さんのみかな~
しょぅゆ。
2023/03/02 8:58:50 違反報告 リンク
こういう系弱いんですが!!!!
新しいスマホ買うとか裏山
お皿
2023/03/03 3:49:47 違反報告 リンク
やったね!!!
しょぅゆ。
2023/03/03 5:01:00 違反報告 リンク
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ここに来てもう3年ぐらい経つの早いって
2023/11/18 7:58:44 しょぅゆ。 6 7
奥に人描きたかったのに描けなかった(諦め) どうも、しょぅゆ。です! だ...
今までにない作品だった
2023/11/06 5:55:17 しょぅゆ。 5 8
ロスがえぐい。 どうも、しょぅゆ。です! 4日に進撃の◯人リアタイ従妹と...
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