*いつも傍に居る

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最高ランク : 2 , 更新： 2023/03/12 9:18:30

※ｱﾃﾝｿﾝﾇﾝｯｯ
・駄文やんなぁ( ˘ω˘ )
・思いつき常習犯
・ディスクデジタルペンちぎれた(ゴム部分が)
・果たして誰なんでしょうかね…ﾌﾌﾌ……

「――で、この資料についてなんだ、が……?」
「……」
「おい」
「………」
「おーい?」
「…………」
「保健!!!!!!!」
「んっ!?!?!?!」

どうしたんだこっちを見て、という歴史の声に、保健は慌てて首を振る。
歴史をじっと見ているうちいつの間にか睨んでいるような
目つきになってしまったのか眉間がとてつもなく痛い。

「す、すまない…」
「なんだ、疲れてるのか?」
「いや、体調は大丈夫だ」

と、いうより…、保健はそう心の中でぼやきつつ歴史を見る。

「("憑かれてる"のはお前の方なんだよ、歴史)」

さっきから歴史の後ろでひょこひょこと動く金髪。
歴史の持つ書類を見ては頭に?を浮かべるような表情をしたり、
窓側で日向ぼっこをしたり、周りの人間を見ては肩をすくめたり。

なんとか資料に集中しようとするものの、
視界の隅でチラつくその影を気付けば追ってしまったり、
そして今は歴史の傍で資料を見ていたソイツを無意識に見つめていた。

「(なにかいると言えばなにかいるんだが…)」

資料の影からこっそり様子をうかがえば、
ソイツの姿は光に透けていて。
まぁ、幽霊とかそんなものなのだろう。

人間の生死を司る教科、保健。
その化身である彼女は霊が見える。
生死を見据え、その真ん中に立つ彼女にとっては何ら不思議でもない。

しかし歴史の傍にいるソイツは前もいたのだ。
というか、数十年位前からいる。ずっといる。

「(よくもまぁ飽きもせず…)」

歴史とソイツに何の関係があるかは分からないが、
まぁ歴史を見ては笑っているから知り合いではあるのだろう。
金髪に緑目、そばかすが目立つソイツ。

「(…ん、そばかす?)」

そばかすで何かが引っかかるものの、思い出すことが出来ない。
いつぞや、ソイツのことを歴史に喋ってみようと思ったことがあった。

『…な、なぁ歴史』
『どうした?』
『その、お前の傍にいつもいる……』

そこまで言ったとき、ふとソイツが慌てたようにこっちを見た。
せかせかとあわただしく手を動かし、人差し指を口元あてる。

『……』
『…保健?』
『あ、あぁ、やっぱりなんでもない、気のせいだったみたいだ』

そう言えばソイツは安堵したようにそっと溜息をつく。
どうして喋ってほしくないのか、話してほしくない理由があるのか。
真偽は定かでないものの、ソイツは今日も居る。いつも傍に居る。

「―――これで今日の会議は終わりだ」

歴史の声と共に、人間が各自書類をまとめ散っていく。
自身も書類をまとめつつ、もう一度ソイツを見やる。

「……!?」

ふと、目を見張った。
いつも誰かをからかったりするような顔で、何かと笑うソイツ。
そのソイツが歴史を見ながらとても優しい顔で笑っていたのだから。

「保健、やっぱり疲れてるんじゃないのか?」
「あっ、ああ…」
「地理から旅のお土産クッキーがあるんだが、よかったら」
「いやいやいやいや大丈夫だ!!!!実は最近生物学がよくケガをしてはこっちにくるからそれでな…」
「そ、そうか」

とっさに嘘をつく。
生物学が自身をかえりみずケガをしてはこっちにくるということ自体
嘘ではないものの、その頻度はいつもと変わらない。

「わ、私はこれで失礼するぞ」
「ああ、気を付けて帰れよ」
「感謝する」

書類をバッグに詰め、歴史に一言声をかけてから部屋を出る。
扉を閉める瞬間、書類をしまう歴史の横。
いつものソイツがこちらに手を振っていた。