戦友についてッッッ

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最高ランク : 1 , 更新: 2023/04/12 11:05:24

リクエスト絵きちんと描いてます( ˘ω˘)
どうも、しょぅゆ。です!



本日は予告したとおり
オリバー君の戦友のお話をば…

たった少しだけを戦場で過ごした
彼らに何があったかを語りたいと思います。


はい、では。

まだ名前が決まってないんで
自分勝手ウィル君と呼んでいる青年。



彼は両親を早くに亡くし、孤児院で生きてきました。
非常に心優しい少年だった彼は
孤児院を出たあとも恩を返すために一生懸命働いて。

そんなとき徴兵にあったウィル君ですが、
ここで欠点が一つ。

心優しいがために人を殺せない。
銃すら向けられず、刺す想像だけで吐いてしまう。


それを使い捨てと見たのか、
上の人達はウィル君を前線へ送ります。

前線でも逃げ回るばかりで戦績を残さないウィル。
毎日毎日なじられ叱られ罵られ、

人を殺さなければならないショックと、
戦場の環境、周りに耐えられず
夜中こっそり人知れず吐いていたウィルと、

そこで出会ったのがオリバー(+歴史さん)。


オリバーの天真爛漫で正義感のある
まっすぐで純粋な性格に惹かれ、
ウィルとオリバーは友情を深めます。

そして来るクリスマス停戦。

いつもどおり寒い中気を張っていた彼らは
敵陣側(ドイシ)から歌が聞こえることに気付きます。

そっと見を乗出せば、
歌ったり、プレゼントを交換している姿。


瞬間、ウィルは一人のドイシ人と目が合います。
透き通るような白金の髪色をした青年。

ウィルは塹壕から身を乗り出し、
そっと歩み寄ります。

それに気づいたオリバーが
慌てて止めようと身を乗り出し、
周りの兵士たちの視線が集まり。


歩み寄ったウィルと青年はしばらく見つめ合ったあと、
仲が良さそうに握手をしあい、

それに追いついたオリバーに
ドイシ人達が群がり楽しそうに喋りかけ、

そこから段々とオリバー側の兵士達も
身を乗り出し握手を交わしました。


それからはサッカーをしたり、
プレゼント交換をしたり。

夜が明けるまでのたった一夜、
聖夜の夜に敵味方関係なく
童心に返って遊んだ彼ら。

そろそろ塹壕に帰らねばならない。
ただし帰れば次出会うのは敵同士。


ウィルと青年は互いに名前を教え合い、
「次もまた楽しく遊べるように」と
約束を交わし名残惜しくも別れを告げます。

ちなみに歴史さんいわく、
「あんなに楽しそうだったのは初めて見た、
正直安堵したとアイツ(オリバー)が言っていたな」。


しかし戦争中の約束など叶うはずもなく。
それからしばらくした後、

ウィルと青年は出会ってしまいます。
嬉しくて駆寄ろうと足を踏み出した瞬間。


『ーーーーえ』


ウィルの目に映るのは、
銃をこちらに向ける青年の姿。

絶望、悲観、嘆き…ウィルの中で瞬時に
様々な感情が巡り、銃を持つ手に力がこもらない。


ここでウィルは選択を迫られます。
生きるため青年を撃つか、
人を殺せない心優しい人のまま散るか。

涙を溜めた目で青年を見つめ、
震える手で銃を握り直し…


「…?」
「オリバー?」


少し離れた場所で、オリバーは何かを感じます。
違和感といえばいいのか、何かが聞こえたような…

嫌な予感がして、その方向へと走るオリバー。
いきなり持ち場を離れたオリバーを、
歴史も追いかけます。

そしてオリバーに追いついた歴史は、
目の前で立ち尽くすオリバーを見、
その先を一瞥…すると。


血だらけで倒れた青年と、
そばで座り込み泣きじゃくるウィルの姿。

心優しい青年は、最終的に自分を優先したのだった…



ウィルはその後罪の重圧に耐えられず
喉に何も通さなくなり徐々に弱っていき、
オリバーが見守る中で息絶えます。

そしてすぐ、オリバーも…


戦後オリバーの希望もあって、
身寄りのないウィルの墓は
オリバーの家の庭にてオリバーの隣に。

そしてそれを見守る一人の青年。


「酷い顔だぞ」
「…歴史さん」


包帯を巻いた、一見重症そうな青年のそばに
歴史は歩み寄り、墓に手を合わせる。

「どうだ、調子は」
「どうも何も、最悪としか…」

俯く青年を一瞥し、歴史は軽く息を吐く。

「自分が悪いなんて責めるなよ」
「でも」
「いいから」

悪いのは戦いだ。この世の理不尽だ。
だから誰かが責任を負うなんて馬鹿げてる。
歴史は包帯の巻かれた青年の頭をくしゃっと
撫でたあと、オリバー家の庭を去る。

「…それでも気が済まないなら、こっちに来て手を合わせてやれよ」

そう言い残し、残るは青年のみ。
青年は歴史が去った場所をぼーっと見つめたあと、
ウィルの墓を見る。

「…君が死ぬ必要なんてなかった」

先に銃を向けたのはこちらだ。
向けた以上撃たれても文句はないのに。

「君は、優しいね」

涙が一筋溢れる。
あの一夜を共に過ごした、
敵であり友の青年はもういない。





『はじめまして、敵兵さん。君の名前は?』
『ぼく…ぼくはウィリアム』
『ウィルか、いい名前だね。』
『…きみは?』
『ギル。ギルベルトだよ』






【その後】
オリバー→本来天寿を全うするはずだったが、
歴史を庇って代わりに撃たれたため死亡
ウィル(ウィリアム)→一夜を共に過ごした
大切な友人を撃った罪の意識に耐えられず
オリバーの前で衰弱死。

ギル(ギルベルト)→ドイシ生まれの青年。
一夜を共に過ごした大切な友人と約束を交わすも
銃を向けるしかなく、撃たれつつも生還。
歴史と出会い友人のその後を知った彼は
戦後ずっとオリバー家に通い続け墓参りをした。
この三人の中で“唯一天寿を全うした”人。

しょぅゆ。


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うわあぁ……ウィルさん……
なんつーかすげぇ優しいなぁ……


イカノシヲカラ
2023/04/12 17:03:52 違反報告 リンク


これはこれは、、、優しい子はいいね、、
てかめっさ久しぶり()


お皿
2023/04/12 18:47:09 違反報告 リンク


もうなんか……すきだわ……
まじ授業中に読まなくてよかった()
なんならこれ教科書に出してほしい()


あたおかほっとこーき
2023/04/12 19:41:05 違反報告 リンク


まぢ泣ける。。。

狂姫
2023/04/13 11:56:00 違反報告 リンク


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