【おそ松さん】プレゼントは【小説】

おそ松さん 小説 カラ松
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最高ランク : 111 , 更新: 2016/01/09 7:45:10

唐突に夢小説。なのでワンクッション。
カラ松です。





「ねー、今日何の日か知ってる?」

今日は、私の誕生日だった。
今隣にいるカラ松は、私の彼氏。ニートでイタくてとりあえず駄目な人だけど、優しくて涙脆い良い人だ。
そんな彼のことだから、絶対覚えててくれている。
そう思っていたのに。

「ん……?悪い、何かあったか?」
「え……」

カラ松は暫くしてから、首を傾げて答えた。
その顔は、冗談じゃなかった。
嘘でしょ?今まで、初めて二人で出掛けた日とかもちゃんと覚えていたのに。
誕生日を聞かれ、教えた記憶はある。
なのに、覚えてない……?

「っ……馬鹿!カラ松の馬鹿!ニート!」
「え?ちょっ、待っ」

カラ松が言い終わる前に、私はその場から逃げ出した。
馬鹿、馬鹿。カラ松の馬鹿。最低。
――本当は、わかっていた。
馬鹿なのも最低なのも、自分だって。
誕生日を覚えてもらってないくらいで怒るなんて、ちょー面倒じゃん。きっとカラ松も、愛想を尽かすに決まってる。
――そうだよ。
私みたいにわがままでガサツで乱暴で女子力ゼロの女と彼みたいに魅力的(ニートだけど)な男性が付き合えていることが奇跡で。
カラ松だって、こんな私――

「捕まえた!」
「!」

全力疾走で走って、悲観してスピードを緩めたその時。力強く、腕を掴まれた。
そこにいたのは、カラ松。

「なんで……」
「は?なんでって、そっちこそ。冗談だよ。からかってただけだ。俺が、お前の誕生日を忘れるわけないだろう」
「っ……でも、顔、マジだったもん」
「こう見えても、元演劇部だからな。お前の困ってる顔が可愛いから、見たかったんだ」

可愛い。
それだけでお腹いっぱいになるくらい、嬉しい言葉だった。普段はそんなこと、言わないから。

「これ」

不器用にそう言うと、ポケットから箱を取りだした。
小さな箱。それは――。

「え……え?」

指輪。
箱から取り出したそれを、カラ松は私の左手の薬指にはめた。

「プレゼントは、これと――俺の、名字をやろう。プリンセス」

王子様のように膝をつき、私の手を取る。

「俺と、結婚して下さい」

いつものカッコつけた顔とは違い、はにかみながら笑う。
照れてるからか寒いからか、彼の顔は真っ赤に染まっていた。耳までだ。
多分それは、私も。

「ばーか」
「えっ」

カラ松は一瞬驚くも、私の性格を熟知している彼からしたら、私が何を言いたいのかわかっているはず。
ふっと微笑んだ。

「素直じゃないな。まあ、そんなところも可愛いぜ」
「イタいよ」
「えっ」

左手を夜空に、翳す。
キラリ、月の光に反射して、指輪が輝く。
立ち上がったカラ松は、私の右手を優しく握った。冷え性である私の手に、その温かさはとても心地好く広がる。

「ホント、馬鹿」


最高の誕生日プレゼントだ。

凛久


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お絵かき〜
2018/01/05 9:23:59 凛久 3

30分くらいの雑な絵だけど楽しいからOK! でも受験生なんだよなぁ。 明日は...


首〜
2017/12/23 2:38:55 凛久 4

本当に性癖だから楽しいです。 受験生だがibisとYouTubeとFGOばっかやってます。



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