なんちゃってない人狼戦線 1日目

小説 人狼 なんちゃってない人狼戦線
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目が覚めたら、見に覚えのない部屋にいた。しかもなんだか頭はガンガンするときた、一体どういうことなのだろうか。まぁ、動かないでなにもしないのは性に合わないのでとりあえず状況を確認するために部屋の中でも見てみようか、そう思ってた時に何かがぽそっと落ちる音がした。なんだろうと拾ってみればどうやら"狩人"と書かれたカード。
なんだこれと思わず燃やそうかとしていた――丁度その瞬間だった、部屋一面のスクリーンがパッと点いた。そこには狐の面がつけた夏祭りならまだしも、こんな状況できつねのお面とは不審者丸出しじゃないかといいたくなる人物が映しだされた。
そして俺がぼけっとしてると人物は勝手に喋り出した。曰く――

―これよりサバイバル人狼ゲームを行います。

私はゲームマスターの緋(アカ)です。

各部屋に役割のカードを準備させていただきました。
個人の役割を覚え、誰にも見られないように必ず処理してください。
これはホンモノの殺人ゲームです。
必ず殺してください。
逃げる事は許されません。
死体はホテル地下の安置所に置くか、自分達で埋葬するかは貴方達で決めてください。
人狼側が勝利した場合、願いを一人1つ叶えます。例えそれが無茶な願いでも……です。
村人側が勝利した場合、人狼が死に、一生遊んで暮らせるお金が手に入ります。
ルールは各部屋に貼り付けてありますので確認をして下さい。
また、私はいつも見ています。お気をつけ下さい。


是非、愉しんでください。

なんとも子供みたいなことを言う人だ、という感想しか浮かばなかったが無意識のうちにスッと燃やしていた。まぁ、元々燃やす予定だったしね。と言うか人狼とか……いつぞやのクラスでのお遊びを思い出すじゃないかい。

「んっ……まぁとりあえず外にでもでてみようかな。開かないかもだけど。」






ダメ元で開けてやるかと扉を開ける。すると以外と簡単に開いて――その向こうには自分の生徒と副担に教頭が集まって一斉にこちらを見ていた。どういうことかと見てみればどうやらみんなはフロントのスクリーンで確認したらしい。え、俺だけ自室とかどういうことだね。

「柚月先生お寝坊ですね―隊長、叱ってやってください。」
「おうよ、【自主規制】一捻りな!」
「やめたまえ!……でこれは誰の提案だい?」

尋ねれば皆、首を振る。場合によっては笑えないから注意を促そうかと俺は口を開く。

「俺だから良かったけどこんなことして誘拐で捕まってもおかしくなかったんだから……ねぇ言峰先生?」
「遊びだと思ってるのか?……この期に及んで?」

目を珍しく丸くする言峰先生に思わずビクッとする。この期に及んで、言葉の意味がわかってわからない――何かあったというのか。思わずバッと集まってる面々の方に顔を向ければ皆沈んだ表情をしていた。本当に、何かあったのだろう。

「……綺礼、聞かせろ。」
「わかった。彼らに思いださせるのもいいが状況が状況だからこちらへ。」






――これはお前が起きる一時間程度前のお話だが、みんなでフロントで人殺しでの人狼を執り行うという話を聞いた。御園先生はもう聞いたか?……そうか、聞いているのなら話は簡単だ。あの放送の直後自分の部屋を探しに面々は向かったんだ。勿論、部屋には名前が書いてあったからすぐ分かった。……ん?お前は確認してないのか。後で確認してこい。
さて、部屋にたどり着いた面々は自分の部屋にあったカードを確認し、役割を覚え各自で処分したのだがこれはしたか?……まぁしているのならまた話を続けるが、これを確認してまた皆でフロントに集まった時のこと、睦月がいきなり浜辺へと走りだした。
何かをぶつぶつと言っていたがこんな状況だったのだ、皆もそんな感じだったから特に気を止めなかったが流石に帰りが遅いと思い、みんなで行くかと話していたところで銃声が聞こえた。一発だけだったからしっかりと撃ち抜いてなかったのだろう、皆で言った時にはまだ息があった。

「私狂人なんだけどさ……狼ごめんね、耐え切れなさそうだから先に……逝かせて。流石に普段馬鹿騒ぎしてるメンツと殺し合いとか騙し合いとかしたくないんだわ。それにさ……友達が吊られたり食い殺されてるのとか見るのいやじゃん。……だから、ごめん。」

それだけ言えば止め、と2・3発自分にはなって息絶えたんだ。





と、語る綺礼の顔は珍しく愉悦を湛えた笑みではなかった。普段人を酒の肴にしている男とは思えないような、そんな真剣味を帯びた表情で語られたのがことの重大さをモノがっていたのだ。なんというか自分が情けない、自分の生徒を助けてあげることも死に際を見とることも出来なかったとは。

「情けないにもほどがあるね、先生。」
「嗚呼……ま、お前が人狼でないことを祈る。」
「勿論さ、俺は守るんだからね。」

だってそう、俺は狩人なんじゃないか……がんばらないでどうするというのだね。



犠牲者――萩風 暁。

もずくもち@のーたりん


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